prologue
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「あぁ……オレのスカイブルーの麗しいドレスちゃんにキュートなシースルーのワンピース。そしてボブウィッグちゃんに櫛通りの良いロングヘアーちゃん。すまねぇ。あ、あと変装装束。どうか良い人に拾われてくれ……」
リタは目に涙を浮かべながら船尾から最早目視できないほどに離れてしまった島を見つめていた。
「ちょっとあんた、そこで哀愁漂わせてないで結局何者なのか話しなさいよ。あと男なの女なの?」
「あんたら勝手にオレのこと捕えといてその態度、横暴だなァ。さっきもいる奴らには言ったけどオレは泥棒……と、まぁ時々盗みなんかも頼まれてやってるリタっていうんだ。この美しさじゃ疑いたくなる気持ちもわかるけどれっきとした男だぜ。で、あんたらこそどこの海賊で?」
ナルシズムを極めたセリフとじっとりとした物言いに、また随分と濃いのがきたわね……とナミは内心嘆息する。
見張り担当のチョッパー以外がリタを包囲していた。麦わら帽子をかぶった少年が徐に口を開いた。
「おれはモンキー•D•ルフィ! 海賊王になる男だ! で、お前仲間になれよ」
「「「「「いやいやいやいや」」」」」
リタも併せた複数人から異口同音のツッコミが入った。
「何にもわからねぇよ。よく分からないけど少数精鋭の海賊なわけ? で、仲間にはならねぇよ」
「そうよルフィ、こんな素性も知れないナルシスト、いきなり勧誘なんてしないでよね!」
「ナルシで何が悪いんだよ」
「同感だぞルフィ! 確かに腕は立ちそうだがよ、こう、優男って感じでなんかいけすかねえ!」
「そこじゃねぇだろ」
「そうだルフィ。ちゃんと考えて勧誘しやがれ。個人的にこいつはいけすかねえ。こいつを乗せるのは嫌だ」
「全てがお前の私情じゃねぇかクソ眉毛」
「ふふ、面白そうね」
「……」
なんだこいつら、船長が船長だからか頭のおかしい集団なのか。
リタが呆れながらツッコミを放棄したところで、ガン! とゾロが刀の鞘を甲板に叩きつけた。
「いくら船長命令といえ従えねぇ。こいつの今の説明じゃ、素性が信用ならねぇ。会ったばかりで信用するって方が無理だが。それにさっきの戦闘能力、なまじ強いやつを入れて裏切られたらどうする。考え直せ」
「まともなのがいてよかったよ。そういうわけだ、さっきの島に戻れ……とはこの際言わねぇから、どこ向かってるかしらねぇけど次の島で降ろしてくれ」
緑の短髪はしっかりしてるんだな、覚えておこうと記憶に刻んだところで、件の船長はどうするのかと振り向く。
「えー、おれはこいつ仲間にするぞ」
と口を尖らせてルフィが言い張った。
どう考えても緑の奴の言うことが正しい。本当に頭がおかしいやつのようだ。なぜ緑ではなくこいつが船長なのだろうか。
「なんでそこまで」
訳の分からない勧誘にリタが嘲笑して答えると
「だってお前、いいやつだろ」
と言う。
それ以上話すことはないようで、「腹減った! メシー!」と大声をあげて船内の扉に向かって歩いて行った。
「……ふざけた船長だな。まぁともかく仲間なるならないは置いといてその緑頭の言ってることが正しいと思うがよ、この海泳いで島まで辿り着けっていわれちゃいくらなんでも酷なのよ。次の島まであんたたちはオレを載せる、オレは次の島で降りる。それで文句ないだろ?」
エクステだったのだろう。長い茶髪をひとふさひとふさ外しながら苦々しくリタは笑った。耳元で切りそろえられたショートカットを露わにしたリタの容姿が、看板に差し込む西日を背に露わになった。少しばかり女性らしさを失ったリタは男女という枠を超えたよもやうっとりするくらいの美しさで、一味の何人かが人知れずに息を呑んだ。
「確かにオレも腹減ったな。なんか食わせてくれ。あ、毒とか入れないでくれよ」
苦笑した笑みをを引っ込め、気怠げな口調に戻る。
「ふざけんな、仲間でもない余所者にキッチン使わせるわけないだろう」
「そりゃそうだな。じゃあ悪いけど、適当に食料か作った料理のあまりでもくれ。……この船のコックは誰なんだ?」
「おれだが」
「あんた!? ……タバコ吸ってるやつがコック!?? 味大丈夫なのかよ!」
「煙草と料理は関係ねぇよ。……あとあんたじゃなくサンジだ。もう暮れだしこいつらに夕飯出すときお前にも出してやるよ」
その後、嫌煙家のリタが、あまりの夕食の美味しさに悍しいものを見る目でサンジを見たのはまた別の話。
(「あと毒とかなんとか言ってたが、おれがコックである限り入れる訳ないだろ」)
(「……」)
リタは目に涙を浮かべながら船尾から最早目視できないほどに離れてしまった島を見つめていた。
「ちょっとあんた、そこで哀愁漂わせてないで結局何者なのか話しなさいよ。あと男なの女なの?」
「あんたら勝手にオレのこと捕えといてその態度、横暴だなァ。さっきもいる奴らには言ったけどオレは泥棒……と、まぁ時々盗みなんかも頼まれてやってるリタっていうんだ。この美しさじゃ疑いたくなる気持ちもわかるけどれっきとした男だぜ。で、あんたらこそどこの海賊で?」
ナルシズムを極めたセリフとじっとりとした物言いに、また随分と濃いのがきたわね……とナミは内心嘆息する。
見張り担当のチョッパー以外がリタを包囲していた。麦わら帽子をかぶった少年が徐に口を開いた。
「おれはモンキー•D•ルフィ! 海賊王になる男だ! で、お前仲間になれよ」
「「「「「いやいやいやいや」」」」」
リタも併せた複数人から異口同音のツッコミが入った。
「何にもわからねぇよ。よく分からないけど少数精鋭の海賊なわけ? で、仲間にはならねぇよ」
「そうよルフィ、こんな素性も知れないナルシスト、いきなり勧誘なんてしないでよね!」
「ナルシで何が悪いんだよ」
「同感だぞルフィ! 確かに腕は立ちそうだがよ、こう、優男って感じでなんかいけすかねえ!」
「そこじゃねぇだろ」
「そうだルフィ。ちゃんと考えて勧誘しやがれ。個人的にこいつはいけすかねえ。こいつを乗せるのは嫌だ」
「全てがお前の私情じゃねぇかクソ眉毛」
「ふふ、面白そうね」
「……」
なんだこいつら、船長が船長だからか頭のおかしい集団なのか。
リタが呆れながらツッコミを放棄したところで、ガン! とゾロが刀の鞘を甲板に叩きつけた。
「いくら船長命令といえ従えねぇ。こいつの今の説明じゃ、素性が信用ならねぇ。会ったばかりで信用するって方が無理だが。それにさっきの戦闘能力、なまじ強いやつを入れて裏切られたらどうする。考え直せ」
「まともなのがいてよかったよ。そういうわけだ、さっきの島に戻れ……とはこの際言わねぇから、どこ向かってるかしらねぇけど次の島で降ろしてくれ」
緑の短髪はしっかりしてるんだな、覚えておこうと記憶に刻んだところで、件の船長はどうするのかと振り向く。
「えー、おれはこいつ仲間にするぞ」
と口を尖らせてルフィが言い張った。
どう考えても緑の奴の言うことが正しい。本当に頭がおかしいやつのようだ。なぜ緑ではなくこいつが船長なのだろうか。
「なんでそこまで」
訳の分からない勧誘にリタが嘲笑して答えると
「だってお前、いいやつだろ」
と言う。
それ以上話すことはないようで、「腹減った! メシー!」と大声をあげて船内の扉に向かって歩いて行った。
「……ふざけた船長だな。まぁともかく仲間なるならないは置いといてその緑頭の言ってることが正しいと思うがよ、この海泳いで島まで辿り着けっていわれちゃいくらなんでも酷なのよ。次の島まであんたたちはオレを載せる、オレは次の島で降りる。それで文句ないだろ?」
エクステだったのだろう。長い茶髪をひとふさひとふさ外しながら苦々しくリタは笑った。耳元で切りそろえられたショートカットを露わにしたリタの容姿が、看板に差し込む西日を背に露わになった。少しばかり女性らしさを失ったリタは男女という枠を超えたよもやうっとりするくらいの美しさで、一味の何人かが人知れずに息を呑んだ。
「確かにオレも腹減ったな。なんか食わせてくれ。あ、毒とか入れないでくれよ」
苦笑した笑みをを引っ込め、気怠げな口調に戻る。
「ふざけんな、仲間でもない余所者にキッチン使わせるわけないだろう」
「そりゃそうだな。じゃあ悪いけど、適当に食料か作った料理のあまりでもくれ。……この船のコックは誰なんだ?」
「おれだが」
「あんた!? ……タバコ吸ってるやつがコック!?? 味大丈夫なのかよ!」
「煙草と料理は関係ねぇよ。……あとあんたじゃなくサンジだ。もう暮れだしこいつらに夕飯出すときお前にも出してやるよ」
その後、嫌煙家のリタが、あまりの夕食の美味しさに悍しいものを見る目でサンジを見たのはまた別の話。
(「あと毒とかなんとか言ってたが、おれがコックである限り入れる訳ないだろ」)
(「……」)