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「ちょ、待てよ!」
捕縛されたリタを置いて、一味は舵輪のためやら帆を張るやらといった出航の準備で散り散りになっていった。
錨を引き揚げた船は、ゆっくりと島から離れていく。
今し方甲板に到着した麦わら帽子をかぶった少年は本島からこの船に向けて撃ち放たれる銃や大砲をその特殊な身体で弾き返していて、鼻の長い青年とたぬき? は我先にと甲板の奥へ逃げ出してしまった。
(うっかり居合わせた余所者は勝手に撃たれろって!?)
まぁ、少なくとも海賊でない自分を確認もなしに海軍が狙ってくることはないだろうが……。
下船できないのは冗談ではないが、今はこの場を切り抜けるのが得策だろう。海軍との接触は避けたいのだ。
ため息をつきながらリタが動こうとしたときだった。
「てめーは何やってんだよ」
顔を顰めながら金髪が戻ってくる。器用なことに煙草を吸いながら走っているようで、紫煙が燻った。
「あんた……」
「仮にも捕らえたお前が流れ弾くらって死んだら寝覚悪いからな」
あー硬ェなこの縄、といいながらサンジがリタの縄に手をかけた。
視界で、ルフィや、戦闘に駆けつけたゾロが海軍の遠方射撃に応戦している。
リタの前面に屈み込みサンジが縄を解くのに少し手間取ったそのときだった。
「死ね! 黒足のサンジ!」
風に乗って、そんな絶叫が聞こえた気がした。
功を急いだ海軍が、こちらに向かって鉄砲を撃った。
ルフィやゾロも咄嗟に反応するが距離があり間に合わない。サンジが一瞬遅れて、振り返った。
ガン!!!!!!!
鉄製の音が甲板に響き渡った。
いつのまにか足から縄を外していたリタが、サンジの前からすごい勢いで吹っ飛んでいった。
一瞬のできごとだった。確かにサンジを撃ち抜こうとしていたはずの銃弾が勢いをなくしながら看板を転がってゆく。
自ら勢いをつけて左脚を銃弾に向けて高く突き出すようにバク転の姿勢を取り、ドンピシャのタイミングで脚を銃弾に当てにいって防いだ。その勢いのままに後方へと転がり、綺麗に受け身を取って立ち上がったリタをサンジは振り返った。銃撃を受けたリタのズボンの布は一部吹き飛んでいるが、代わりにプロテクターが左脹脛外面に仕込まれているのが確認できた。
「……オレを助けようとしたやつに死なれちゃ、男の沽券にかかわるからな」
腕と胴の縄抜けをいとも簡単におこないながら、そう言い放つととリタは身を隠すように看板の奥へと走り出していった。
バツが悪そうな顔をするサンジの奥で、
「なんだあいつ! おもしれェな〜!」
とルフィが目を瞬かせた。
(「クソ野郎、縄抜けできるなら最初からやれよ。撃たれ損じゃねぇか」)
(「泥棒風情があんなことできるか? 何もんだ、あいつ」)
捕縛されたリタを置いて、一味は舵輪のためやら帆を張るやらといった出航の準備で散り散りになっていった。
錨を引き揚げた船は、ゆっくりと島から離れていく。
今し方甲板に到着した麦わら帽子をかぶった少年は本島からこの船に向けて撃ち放たれる銃や大砲をその特殊な身体で弾き返していて、鼻の長い青年とたぬき? は我先にと甲板の奥へ逃げ出してしまった。
(うっかり居合わせた余所者は勝手に撃たれろって!?)
まぁ、少なくとも海賊でない自分を確認もなしに海軍が狙ってくることはないだろうが……。
下船できないのは冗談ではないが、今はこの場を切り抜けるのが得策だろう。海軍との接触は避けたいのだ。
ため息をつきながらリタが動こうとしたときだった。
「てめーは何やってんだよ」
顔を顰めながら金髪が戻ってくる。器用なことに煙草を吸いながら走っているようで、紫煙が燻った。
「あんた……」
「仮にも捕らえたお前が流れ弾くらって死んだら寝覚悪いからな」
あー硬ェなこの縄、といいながらサンジがリタの縄に手をかけた。
視界で、ルフィや、戦闘に駆けつけたゾロが海軍の遠方射撃に応戦している。
リタの前面に屈み込みサンジが縄を解くのに少し手間取ったそのときだった。
「死ね! 黒足のサンジ!」
風に乗って、そんな絶叫が聞こえた気がした。
功を急いだ海軍が、こちらに向かって鉄砲を撃った。
ルフィやゾロも咄嗟に反応するが距離があり間に合わない。サンジが一瞬遅れて、振り返った。
ガン!!!!!!!
鉄製の音が甲板に響き渡った。
いつのまにか足から縄を外していたリタが、サンジの前からすごい勢いで吹っ飛んでいった。
一瞬のできごとだった。確かにサンジを撃ち抜こうとしていたはずの銃弾が勢いをなくしながら看板を転がってゆく。
自ら勢いをつけて左脚を銃弾に向けて高く突き出すようにバク転の姿勢を取り、ドンピシャのタイミングで脚を銃弾に当てにいって防いだ。その勢いのままに後方へと転がり、綺麗に受け身を取って立ち上がったリタをサンジは振り返った。銃撃を受けたリタのズボンの布は一部吹き飛んでいるが、代わりにプロテクターが左脹脛外面に仕込まれているのが確認できた。
「……オレを助けようとしたやつに死なれちゃ、男の沽券にかかわるからな」
腕と胴の縄抜けをいとも簡単におこないながら、そう言い放つととリタは身を隠すように看板の奥へと走り出していった。
バツが悪そうな顔をするサンジの奥で、
「なんだあいつ! おもしれェな〜!」
とルフィが目を瞬かせた。
(「クソ野郎、縄抜けできるなら最初からやれよ。撃たれ損じゃねぇか」)
(「泥棒風情があんなことできるか? 何もんだ、あいつ」)