Davy Back Fight!
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
何度倒され、そしてその度に幾度立ち上がったかもう思い出せない。
「仲間を渡さないため」。その執念だけで体力の限界を超えてなお立ち上がったルフィの姿を一瞬も見逃すまいと、リタは下ろしていた硬く拳を握った。
「……あ」
相対するフォクシーを前に荒く息を吐きながら、ルフィは何かに気づいたように呟いた。
「おれの、勝ちだ」
そして、それは確信に変わる。
(はったりを使えるようなやつじゃない。何をもって……?)
たった数日間、船を共にして、この闘いを見守っていただけの付き合いだ。それでも、彼が負けるならこの世に神はいないだろうとリタは彼の勝利を疑わなかった。
だからこそ、彼が何故に勝利を確信したのかが分からなかった。
「てめぇがその気なら倒れるまで殴り続けてやる!」
どれだけ攻撃を加えようとも不退転のルフィに、焦れたようにフォクシーが拳を構える。
「メガトン九尾……」
「ゴムゴムの……」
この次は、耐えられない。
最後になるであろう攻防に、クルーのある者は船長の名を叫び、ある者は固唾を飲んで見守った。
「ラァッ〜シュ!!」
「銃乱射!!」
乱打戦。
フォクシーのどっしりとした身体から重さを伴って俊敏に繰り出される拳に、ルフィも必死で応戦する。
拳同士がぶつかり合う鈍い音が、重なる。
『凄まじい〜! ここにきてなお! 両選手のもの凄いパンチの応酬〜!』
アナウンスの実況に響き渡った野太い声援と熱気が会場を揺るがした。
「ルフィ、やっちまえ〜!」
「倒せ〜!」
ウソップとチョッパーが声を張り上げる。
普段殴るという攻撃を使い慣れているためか、フォクシーと比べて傷を負っていてもなおルフィーが少しばかり優勢となった。
フォクシーはこのままではまずいと判断したのか、瞬時に耐性を立て直す。
「危ない!」
ノロノロビームを打たれたら終わりだ! リタは思わず叫んだ。
しかし。
「ノロノロビー……」
果たしてリタが予期したように、フォクシーは自身の唯一にして最大の技を使おうとした。
しかし、叫んだその言葉と身体は、不自然に硬直した。
「……?」
なんだ、何が起きている。リタは答えを求めてクルーを振り向くも、彼らも不思議そうな顔をして事態を把握し損ねているようだ。
ガクリとルフィが膝をつくと同時に
『た! 倒れたのは麦わら……いや、動いたのが麦わら……!』
と実況の声が響いた。
膝をついて苦しそうに喘ぐルフィの手元がきらりと輝く。
鏡の破片だった。
フォクシーは静止していたわけではない。わずかだが、ほんの少しずつ、その身体は動いていく。
ルフィは彼を前にグルグルとそのゴムの腕を回すと
「ゴムゴムの〜フレイル!」
と、彼の顔面に拳を叩きつけた。
フォクシーは吹っ飛ばない。
ルフィは拳をすとんと下ろすと、彼の前を颯爽と歩いていく。
「……あと8秒」
唐突に、ゾロが呟いた。
「7……」
「6……」
サンジとロビンがそれに続く。
なんでことだ。リタは思う。こんなに痛快で、愉快で、感激するゲームがあっていいのか。どこまでも自分の意思でコントロールしてきた表情筋が、思わず緩み切った口元を作るのを止められなかった。
「うはは、5! おめェらもカウントしろー!」
ウソップも声を張り上げ、敵船のクルーのたちも面白そうだとそれに声を連ねる。
「4、3!」
リタもからからと笑って、声を上げた。
「2、1!」
フォクシーの顔は何か見えない力よって、ぐにゃりと面白い様を呈している。
「0!!!」
カウントダウンが完了した刹那、すごい勢いでフォクシーが戦闘場である船から飛び出していった。
ルフィが天を振り仰ぎ両手を上げ、勝利のポーズを作る。
「やった〜!」
「オヤビーン!!」
麦わらの一味とフォクシー海賊団のクルーの叫び声が、会場を包み込んで。
(熱気の中で、興奮のあまり思わず震える)
「仲間を渡さないため」。その執念だけで体力の限界を超えてなお立ち上がったルフィの姿を一瞬も見逃すまいと、リタは下ろしていた硬く拳を握った。
「……あ」
相対するフォクシーを前に荒く息を吐きながら、ルフィは何かに気づいたように呟いた。
「おれの、勝ちだ」
そして、それは確信に変わる。
(はったりを使えるようなやつじゃない。何をもって……?)
たった数日間、船を共にして、この闘いを見守っていただけの付き合いだ。それでも、彼が負けるならこの世に神はいないだろうとリタは彼の勝利を疑わなかった。
だからこそ、彼が何故に勝利を確信したのかが分からなかった。
「てめぇがその気なら倒れるまで殴り続けてやる!」
どれだけ攻撃を加えようとも不退転のルフィに、焦れたようにフォクシーが拳を構える。
「メガトン九尾……」
「ゴムゴムの……」
この次は、耐えられない。
最後になるであろう攻防に、クルーのある者は船長の名を叫び、ある者は固唾を飲んで見守った。
「ラァッ〜シュ!!」
「銃乱射!!」
乱打戦。
フォクシーのどっしりとした身体から重さを伴って俊敏に繰り出される拳に、ルフィも必死で応戦する。
拳同士がぶつかり合う鈍い音が、重なる。
『凄まじい〜! ここにきてなお! 両選手のもの凄いパンチの応酬〜!』
アナウンスの実況に響き渡った野太い声援と熱気が会場を揺るがした。
「ルフィ、やっちまえ〜!」
「倒せ〜!」
ウソップとチョッパーが声を張り上げる。
普段殴るという攻撃を使い慣れているためか、フォクシーと比べて傷を負っていてもなおルフィーが少しばかり優勢となった。
フォクシーはこのままではまずいと判断したのか、瞬時に耐性を立て直す。
「危ない!」
ノロノロビームを打たれたら終わりだ! リタは思わず叫んだ。
しかし。
「ノロノロビー……」
果たしてリタが予期したように、フォクシーは自身の唯一にして最大の技を使おうとした。
しかし、叫んだその言葉と身体は、不自然に硬直した。
「……?」
なんだ、何が起きている。リタは答えを求めてクルーを振り向くも、彼らも不思議そうな顔をして事態を把握し損ねているようだ。
ガクリとルフィが膝をつくと同時に
『た! 倒れたのは麦わら……いや、動いたのが麦わら……!』
と実況の声が響いた。
膝をついて苦しそうに喘ぐルフィの手元がきらりと輝く。
鏡の破片だった。
フォクシーは静止していたわけではない。わずかだが、ほんの少しずつ、その身体は動いていく。
ルフィは彼を前にグルグルとそのゴムの腕を回すと
「ゴムゴムの〜フレイル!」
と、彼の顔面に拳を叩きつけた。
フォクシーは吹っ飛ばない。
ルフィは拳をすとんと下ろすと、彼の前を颯爽と歩いていく。
「……あと8秒」
唐突に、ゾロが呟いた。
「7……」
「6……」
サンジとロビンがそれに続く。
なんでことだ。リタは思う。こんなに痛快で、愉快で、感激するゲームがあっていいのか。どこまでも自分の意思でコントロールしてきた表情筋が、思わず緩み切った口元を作るのを止められなかった。
「うはは、5! おめェらもカウントしろー!」
ウソップも声を張り上げ、敵船のクルーのたちも面白そうだとそれに声を連ねる。
「4、3!」
リタもからからと笑って、声を上げた。
「2、1!」
フォクシーの顔は何か見えない力よって、ぐにゃりと面白い様を呈している。
「0!!!」
カウントダウンが完了した刹那、すごい勢いでフォクシーが戦闘場である船から飛び出していった。
ルフィが天を振り仰ぎ両手を上げ、勝利のポーズを作る。
「やった〜!」
「オヤビーン!!」
麦わらの一味とフォクシー海賊団のクルーの叫び声が、会場を包み込んで。
(熱気の中で、興奮のあまり思わず震える)