Davy Back Fight!
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21
「リタ、帰ってこい!」
敵船の船長であるフォクシーをデイビーバックしよう、いやそれは矜恃に反するだのフォクシーが仲間になっちゃうだの一悶着あった後、ルフィおよび麦わらの一味はリタを「仲間にしたい敵船の者」として指名した。
早速敵船の船から立ち去ろうとしたリタの背中に
「あぁ、リタ! 行かないでくれ! ……いや、次の試合でおれが勝てばなんの問題もないか」
「そうよオヤビンが負けるわけないんだから! リタ、また次の試合後に会いましょう♡」
フォクシーとポルチェが思い思いに発した声が飛ぶ。
リタはくるりと振り返った。
「次の試合はルフィが勝つから! 僕は、君たちみたいな卑劣なやつらの仲間になんてならないよ!」
そう可愛らしい声音で言いきると、にかっと笑った。初めて浮かべた見たこともない可愛らしい笑みに、フォクシーはまた惚れた。
「お〜い、リター!」
「いやぁ、ほんと良かったよ戻ってこれて!」
ルフィとウソップが、歩いてくるリタに手を振った。
しかし、リタは手を振り返してくれることもなく黙々と歩いている。
何故か俯いていて、その表情は窺い知れない。あれだけ「取り返してくれ!」って言ってたくせに嬉しくないのか? とウソップは眉を潜めた。
「おいお前! 男ならぎゃあぎゃあ喚いてないで勝負見届けるくらいしろ! 敵船の上で、情けね……」
リタを叱責したゾロの言葉は、遮られた。
リタが無言でゾロに飛びついたからだ。
ゾロの厚い胸板にそっと顔や胸を密着させると、すんと鼻を啜った。
「……生きてる」
ゾロの血で、ゴスロリの下から覗く真っ白なブラウスが赤く染まっていく。
「……生きてた」
ゾロの顔を見上げて、リタは震える声でそう漏らした。
「……おぉ、」
周りで見ていたルフィやウソップでさえあんぐりと口を開けていたのだ。予想だにしていなかったリタの行動に当のゾロは一瞬毒気を抜かれたようだったが
「気色悪い! 離れろこのやろう!」
と彼を突き飛ばした。
その突き飛ばされた瞬間、
「リター! 戻ってきて良かったぞ!」
とこの場でほぼ唯一リタの行動に驚いていないチョッパーが泣きながら彼の腕に飛びついた。
「チョッパー! よかった、無事で……!」
ぎゅうと抱きしめるリタに、「リタ、ちょっといてぇ!」と悲鳴が上がる。
「はは! なんだあいつ、可愛いところあるじゃねぇか」
「演技には見えないわね」
「だから言ったろ、リタはいいやつだって」
イレギュラーな事態に驚きつつも、次第に興味深く(本意で?)見守っていたウソップの言葉に、ロビン、ルフィもそれぞれ声を上げる。
「ちょっとリタ。たしかに2人も頑張ってたけど、サンジくんにいたわりの言葉はないわけぇ?」
これまで口を開いていないナミが、ニヤニヤしながらリタに問いかけた。
「いやいいんだナミさん、あいつのために勝ったわけじゃねえし、あんな男女にいたわられるぐらいならオレはんナミさんにいたわられ、た……」
不愉快そうな顔でナミの言葉を拒絶し、ナミにメロリンしようとしたサンジの言葉は、リタが飛びついてきたことで不自然に途切れた。
ゾロにしたようにそろそろと右手でサンジの怪我を負った身体に触れると、ぎゅうとその背中を抱きしめた。
「タバコ臭い……」
サンジの顔を見上げ、弱々しく言う。いつもの剣のある響きではなかった。
サンジを上目違いに見据える可愛いらしい顔の目元は、赤くなっていた。
少女よりは幾分かがっしりとしているかもしれないその肩は、カタカタと震えていて。
飛びつかれた時に反動で浮いてしまっていた自身の右手が、ふらふらとその肩に向かっていくことを自覚した瞬間
「はっ!! オレは何を!?」
とサンジはゾロ同様「おれは野郎に抱きつかれる趣味はないんだ!」とリタを跳ね飛ばした。
リタは一瞬キョトンとした表情を浮かべた。
「え〜、この可愛い僕が君に抱きついてあげるなんて今回限りだったのに! 勿体無いことしたねエロ眉!」
「さっきまで震えてたくせに変わり身早いなおい! そんで眉は別にエロくねぇ!」
リタの先ほどまでの姿はは演技だったのか幻影だったのかというほどに、面影がなかった。
いつも通り低レベルな喧嘩を繰り広げるサンジとリタを前に、
「ししし、やっぱりお前らおもしれぇなぁ!」
と次の試合の出場者であるルフィが、快活に笑った。
「リタ、帰ってこい!」
敵船の船長であるフォクシーをデイビーバックしよう、いやそれは矜恃に反するだのフォクシーが仲間になっちゃうだの一悶着あった後、ルフィおよび麦わらの一味はリタを「仲間にしたい敵船の者」として指名した。
早速敵船の船から立ち去ろうとしたリタの背中に
「あぁ、リタ! 行かないでくれ! ……いや、次の試合でおれが勝てばなんの問題もないか」
「そうよオヤビンが負けるわけないんだから! リタ、また次の試合後に会いましょう♡」
フォクシーとポルチェが思い思いに発した声が飛ぶ。
リタはくるりと振り返った。
「次の試合はルフィが勝つから! 僕は、君たちみたいな卑劣なやつらの仲間になんてならないよ!」
そう可愛らしい声音で言いきると、にかっと笑った。初めて浮かべた見たこともない可愛らしい笑みに、フォクシーはまた惚れた。
「お〜い、リター!」
「いやぁ、ほんと良かったよ戻ってこれて!」
ルフィとウソップが、歩いてくるリタに手を振った。
しかし、リタは手を振り返してくれることもなく黙々と歩いている。
何故か俯いていて、その表情は窺い知れない。あれだけ「取り返してくれ!」って言ってたくせに嬉しくないのか? とウソップは眉を潜めた。
「おいお前! 男ならぎゃあぎゃあ喚いてないで勝負見届けるくらいしろ! 敵船の上で、情けね……」
リタを叱責したゾロの言葉は、遮られた。
リタが無言でゾロに飛びついたからだ。
ゾロの厚い胸板にそっと顔や胸を密着させると、すんと鼻を啜った。
「……生きてる」
ゾロの血で、ゴスロリの下から覗く真っ白なブラウスが赤く染まっていく。
「……生きてた」
ゾロの顔を見上げて、リタは震える声でそう漏らした。
「……おぉ、」
周りで見ていたルフィやウソップでさえあんぐりと口を開けていたのだ。予想だにしていなかったリタの行動に当のゾロは一瞬毒気を抜かれたようだったが
「気色悪い! 離れろこのやろう!」
と彼を突き飛ばした。
その突き飛ばされた瞬間、
「リター! 戻ってきて良かったぞ!」
とこの場でほぼ唯一リタの行動に驚いていないチョッパーが泣きながら彼の腕に飛びついた。
「チョッパー! よかった、無事で……!」
ぎゅうと抱きしめるリタに、「リタ、ちょっといてぇ!」と悲鳴が上がる。
「はは! なんだあいつ、可愛いところあるじゃねぇか」
「演技には見えないわね」
「だから言ったろ、リタはいいやつだって」
イレギュラーな事態に驚きつつも、次第に興味深く(本意で?)見守っていたウソップの言葉に、ロビン、ルフィもそれぞれ声を上げる。
「ちょっとリタ。たしかに2人も頑張ってたけど、サンジくんにいたわりの言葉はないわけぇ?」
これまで口を開いていないナミが、ニヤニヤしながらリタに問いかけた。
「いやいいんだナミさん、あいつのために勝ったわけじゃねえし、あんな男女にいたわられるぐらいならオレはんナミさんにいたわられ、た……」
不愉快そうな顔でナミの言葉を拒絶し、ナミにメロリンしようとしたサンジの言葉は、リタが飛びついてきたことで不自然に途切れた。
ゾロにしたようにそろそろと右手でサンジの怪我を負った身体に触れると、ぎゅうとその背中を抱きしめた。
「タバコ臭い……」
サンジの顔を見上げ、弱々しく言う。いつもの剣のある響きではなかった。
サンジを上目違いに見据える可愛いらしい顔の目元は、赤くなっていた。
少女よりは幾分かがっしりとしているかもしれないその肩は、カタカタと震えていて。
飛びつかれた時に反動で浮いてしまっていた自身の右手が、ふらふらとその肩に向かっていくことを自覚した瞬間
「はっ!! オレは何を!?」
とサンジはゾロ同様「おれは野郎に抱きつかれる趣味はないんだ!」とリタを跳ね飛ばした。
リタは一瞬キョトンとした表情を浮かべた。
「え〜、この可愛い僕が君に抱きついてあげるなんて今回限りだったのに! 勿体無いことしたねエロ眉!」
「さっきまで震えてたくせに変わり身早いなおい! そんで眉は別にエロくねぇ!」
リタの先ほどまでの姿はは演技だったのか幻影だったのかというほどに、面影がなかった。
いつも通り低レベルな喧嘩を繰り広げるサンジとリタを前に、
「ししし、やっぱりお前らおもしれぇなぁ!」
と次の試合の出場者であるルフィが、快活に笑った。