Davy Back Fight!
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「3戦目に賭けろ! こんなゲーム如きに死なないでくれ!」
ぐらぐらと歪む視界、どこかで聴いたクソ野郎の声が響く。普段の飄々として掴みどころのない声からは考えられないくらい、悲痛な叫びだった。
「……あいつ、仮にも男なら情けねぇこと叫んでねぇで黙って勝負見届けろってんだ」
「……あぁ、誠に遺憾ながらながらクソ同意だ、マリモ野郎」
あぁ、気にくわねぇ。オレ同様血塗れになったクソマリモが隣にゼェハァ伏していることも、クソおかま野郎が3戦目で自分でなく別のクルーを取り戻すことを前提としていることも、何よりこの勝負もオレの命も終わるものだと感じていることが気にくわねぇ!
何がこんなゲームごときで死ぬな、だ。
ナミさんに盗みを働くというそれはもう何たる大不敬を働いてはいるが、とはいえ有無を言わさず乗船させ出港しまったのはオレらだ。同時にルフィが「仲間にする」と勧誘している以上、あいつがなんと言おうがオレら船員はそれに準する扱いをしなけりゃいけねぇ。
何より。オレは仮にも、今し方フォクシー海賊団に居るお前に命を救われてんだよ!
レディではなく男のために命を賭けるなんざ虫唾が走るが、自分の身体可愛さにそいつへの恩もしらばっくれるほど人間として落ちぶれているわけでもねぇ。
ずるずると首を持ち上げて、場外に倒れ伏すチョッパーに目をやる。ランブルボールを使ってあの怪我、もう動くことはままならないだろう。ただオレを見つめる眼光は死んでなかったから、その想いをしっかり受け取っておく。
「……おいコック、10秒手を貸せ」
大嫌いな野郎だが、互いにそれか最適解なのはわかっていた。
「……妥当な時間だな」
そう返事して、立ち上がる。切れた額からぼたぼたと血が迸った。
敵船のブーイングが渦巻く中、まだ何かを叫んでいる声を辿る。
そいつは真っ青に青ざめて、カタカタと震えて。「立ち上がるな」という制止の叫びこそ怒っているものの、まるで今にも泣き出しそうな幼子のような顔をしてオレを見つめていた。
なんだその顔は。
まだあの気持ち悪い「僕っ子ゴスロリ」の方がいくぶんかマシだ! 気にいらねぇ!!
(負けて欲しい者と、負けるわけにはいかない者と)
ぐらぐらと歪む視界、どこかで聴いたクソ野郎の声が響く。普段の飄々として掴みどころのない声からは考えられないくらい、悲痛な叫びだった。
「……あいつ、仮にも男なら情けねぇこと叫んでねぇで黙って勝負見届けろってんだ」
「……あぁ、誠に遺憾ながらながらクソ同意だ、マリモ野郎」
あぁ、気にくわねぇ。オレ同様血塗れになったクソマリモが隣にゼェハァ伏していることも、クソおかま野郎が3戦目で自分でなく別のクルーを取り戻すことを前提としていることも、何よりこの勝負もオレの命も終わるものだと感じていることが気にくわねぇ!
何がこんなゲームごときで死ぬな、だ。
ナミさんに盗みを働くというそれはもう何たる大不敬を働いてはいるが、とはいえ有無を言わさず乗船させ出港しまったのはオレらだ。同時にルフィが「仲間にする」と勧誘している以上、あいつがなんと言おうがオレら船員はそれに準する扱いをしなけりゃいけねぇ。
何より。オレは仮にも、今し方フォクシー海賊団に居るお前に命を救われてんだよ!
レディではなく男のために命を賭けるなんざ虫唾が走るが、自分の身体可愛さにそいつへの恩もしらばっくれるほど人間として落ちぶれているわけでもねぇ。
ずるずると首を持ち上げて、場外に倒れ伏すチョッパーに目をやる。ランブルボールを使ってあの怪我、もう動くことはままならないだろう。ただオレを見つめる眼光は死んでなかったから、その想いをしっかり受け取っておく。
「……おいコック、10秒手を貸せ」
大嫌いな野郎だが、互いにそれか最適解なのはわかっていた。
「……妥当な時間だな」
そう返事して、立ち上がる。切れた額からぼたぼたと血が迸った。
敵船のブーイングが渦巻く中、まだ何かを叫んでいる声を辿る。
そいつは真っ青に青ざめて、カタカタと震えて。「立ち上がるな」という制止の叫びこそ怒っているものの、まるで今にも泣き出しそうな幼子のような顔をしてオレを見つめていた。
なんだその顔は。
まだあの気持ち悪い「僕っ子ゴスロリ」の方がいくぶんかマシだ! 気にいらねぇ!!
(負けて欲しい者と、負けるわけにはいかない者と)