Davy Back Fight!
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14
「ごめん……勝てなかった」
ナミが茫然とした様子で言った。
ルフィたちとともに、ドーナツレースの勝利を確信していた。
ゴールするかと思われた直後、敵船の船長•フォクシーの手からナミたちに向けて何かが放たれた。
当の本人から今現在、ノロマ光子とやらの説明を受けているが、その理屈を知ろうが知るまいが、敵舟であるキューティーワゴン号が先にゴールした事実は変わらないのだ。
謝罪するナミたちを前に、リタは到底彼女たちを責めようという気にはならなかった。
唯一最初から最後までその目で見ていたから……というわけでもないが、彼らは万事を尽くした。
何より、他人事だったのだ。
(僕、こいつらの仲間じゃないからね)
「では待望の戦利品! 相手方の船員一名! 指名してもらうよー!!!」
デービーバックファイトの敗者から、容赦なしに敵船に忠誠を誓うこととなる。ルールなのだ。それが誰であろうと、自分には関係ない。
そう思いつつも、数日間共に船で過ごした彼らのうち誰かがこの船を去る。そのことにほんの少しだけ、胸がざわついた。
そう。本当にリタにとってこのゲームは、他人事であったのだ。
「オレが欲しいのはそう…… そこのゴスロリちゃん!」
「「「「「「「……え?」」」」」」」
「……え?」
時 が 止 ま っ た。
「なんだ、あいつら欲しいののリタだったのか!」
「予想もしてなかったけどそんなことって……! でもありえないことじゃないわ」
「これは全く予想してなかったぜ……!」
「可憐な装いしておきながらオレの部下を一瞬で倒す強さ、オレたちの勧誘攻撃にも負けず仲間を応援する健気さ、何よりその愛らしい顔と仕草! 可愛らしいトナカイとも迷ったが、キミしかいない!」
リタを除く麦わらの一味が、何やら話している。
そして今し方リタを指名したフォクサーも、何やら語っている。
しかし、茫然自失したリタにその声は届いていない。
「ゴスロリって誰だ?」と現実逃避をしていたが、自分しかいないという可能性と真正面から向き合うや否や
「ぼ、僕こいつらの仲間じゃ……!」
とフォクシーを見て叫んだ。
「これはデイビーバックファイトだぜお嬢ちゃん。そんな見苦しい言い訳は通用しないのさ」
「なっ……!」
沈黙し俯くリタ。
そんな彼の様子を、一味は心配そうに見守った。
正直、手配書にも乗っていないリタが指名されるなど予想していなかった。彼らにとってもリタの素性は未だよく知らず、自然と意識が抜け落ちていたのかもしれない。
「……おい」
肩を震わすリタにサンジが声をかけようとしたその時。
「あんたら、目ん玉かっぴらいてよーく見とけよ! オレは男だ!!」
そう言い放つやいなや、リタは足元付近まであったゴスロリの裾を大胆にもたくし上げた。
可憐な編み上げブーツと繋がるは薄く筋肉の張った白い脚と、真っ赤なボクサーパンツ。
顔と上半身とあまりにミスマッチしたその光景に四方八方から「ぎゃああああ」やら「きゃあああ」やら悲鳴が飛び交う。
最早「僕っ娘ゴスロリ少女」という設定もクソもない。完全にリタ本人である。
下着越しとはいえ自分のモノを堂々と見せつけながら何やら満足げなリタの後頭部に、ガツンと衝撃が落ちた。
「いったぁ!! 眉タバコ! あんた何すんだ!」
「お前が何してるんだ!! 慎みを持て! 一見レディの格好でなんてことしやがる! あと呼び方貶すにしてもほどがあんだろ!」
場違いにもルフィとウソップがゲラゲラ笑っている気がするが、そんなことを気にしている場合ではない。
「これで萎えただろ!」という期待を込めて意気揚々とリタはフォクサーを見上げた。
が。
「……いい。見た目は女の子、中身は男の子……最高だ!」
と流石に予想の斜め上の反応であった。
「むりむりまじむり」
「てめぇだけは引いてやるなよ……」
かつて見たことのない真顔で冷や汗を垂らしながら高速首振りをしてフォクサーの好みを否定するリタにサンジが虚しく突っ込んだ。
(「私たちからすれば最早キモいだけだけど、確かに傍目に見れば可愛いだけだったわ……!」)
(「彼、なんだかんだ私たちのレース唯一ちゃんと応援してくれてたし、あちらの船長さんたちには普通に仲間に見えたかもね」)
(「えっオレこれまじで行かなきゃいけないの?」)
「ごめん……勝てなかった」
ナミが茫然とした様子で言った。
ルフィたちとともに、ドーナツレースの勝利を確信していた。
ゴールするかと思われた直後、敵船の船長•フォクシーの手からナミたちに向けて何かが放たれた。
当の本人から今現在、ノロマ光子とやらの説明を受けているが、その理屈を知ろうが知るまいが、敵舟であるキューティーワゴン号が先にゴールした事実は変わらないのだ。
謝罪するナミたちを前に、リタは到底彼女たちを責めようという気にはならなかった。
唯一最初から最後までその目で見ていたから……というわけでもないが、彼らは万事を尽くした。
何より、他人事だったのだ。
(僕、こいつらの仲間じゃないからね)
「では待望の戦利品! 相手方の船員一名! 指名してもらうよー!!!」
デービーバックファイトの敗者から、容赦なしに敵船に忠誠を誓うこととなる。ルールなのだ。それが誰であろうと、自分には関係ない。
そう思いつつも、数日間共に船で過ごした彼らのうち誰かがこの船を去る。そのことにほんの少しだけ、胸がざわついた。
そう。本当にリタにとってこのゲームは、他人事であったのだ。
「オレが欲しいのはそう…… そこのゴスロリちゃん!」
「「「「「「「……え?」」」」」」」
「……え?」
時 が 止 ま っ た。
「なんだ、あいつら欲しいののリタだったのか!」
「予想もしてなかったけどそんなことって……! でもありえないことじゃないわ」
「これは全く予想してなかったぜ……!」
「可憐な装いしておきながらオレの部下を一瞬で倒す強さ、オレたちの勧誘攻撃にも負けず仲間を応援する健気さ、何よりその愛らしい顔と仕草! 可愛らしいトナカイとも迷ったが、キミしかいない!」
リタを除く麦わらの一味が、何やら話している。
そして今し方リタを指名したフォクサーも、何やら語っている。
しかし、茫然自失したリタにその声は届いていない。
「ゴスロリって誰だ?」と現実逃避をしていたが、自分しかいないという可能性と真正面から向き合うや否や
「ぼ、僕こいつらの仲間じゃ……!」
とフォクシーを見て叫んだ。
「これはデイビーバックファイトだぜお嬢ちゃん。そんな見苦しい言い訳は通用しないのさ」
「なっ……!」
沈黙し俯くリタ。
そんな彼の様子を、一味は心配そうに見守った。
正直、手配書にも乗っていないリタが指名されるなど予想していなかった。彼らにとってもリタの素性は未だよく知らず、自然と意識が抜け落ちていたのかもしれない。
「……おい」
肩を震わすリタにサンジが声をかけようとしたその時。
「あんたら、目ん玉かっぴらいてよーく見とけよ! オレは男だ!!」
そう言い放つやいなや、リタは足元付近まであったゴスロリの裾を大胆にもたくし上げた。
可憐な編み上げブーツと繋がるは薄く筋肉の張った白い脚と、真っ赤なボクサーパンツ。
顔と上半身とあまりにミスマッチしたその光景に四方八方から「ぎゃああああ」やら「きゃあああ」やら悲鳴が飛び交う。
最早「僕っ娘ゴスロリ少女」という設定もクソもない。完全にリタ本人である。
下着越しとはいえ自分のモノを堂々と見せつけながら何やら満足げなリタの後頭部に、ガツンと衝撃が落ちた。
「いったぁ!! 眉タバコ! あんた何すんだ!」
「お前が何してるんだ!! 慎みを持て! 一見レディの格好でなんてことしやがる! あと呼び方貶すにしてもほどがあんだろ!」
場違いにもルフィとウソップがゲラゲラ笑っている気がするが、そんなことを気にしている場合ではない。
「これで萎えただろ!」という期待を込めて意気揚々とリタはフォクサーを見上げた。
が。
「……いい。見た目は女の子、中身は男の子……最高だ!」
と流石に予想の斜め上の反応であった。
「むりむりまじむり」
「てめぇだけは引いてやるなよ……」
かつて見たことのない真顔で冷や汗を垂らしながら高速首振りをしてフォクサーの好みを否定するリタにサンジが虚しく突っ込んだ。
(「私たちからすれば最早キモいだけだけど、確かに傍目に見れば可愛いだけだったわ……!」)
(「彼、なんだかんだ私たちのレース唯一ちゃんと応援してくれてたし、あちらの船長さんたちには普通に仲間に見えたかもね」)
(「えっオレこれまじで行かなきゃいけないの?」)