Davy Back Fight!
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「うわぁ〜っ、すごいっ!」
デービーバックファイトの申し込みをルフィが受諾し、派手な開戦の合図が響き渡ったその後。
これから開始される「仲間の奪い合い」という残酷なゲームとは随分と対極的な印象にある「祭り」が大草原で催されていた。
黒と赤のコントラストが鮮やかなゴシックロリータの広めの裾から覗く厚底のヒールが、草原を構成する黄緑色の草をポンポンと踏んでいく。肩につくかつかないかのボブカットを揺らし、
「あ、アクセサリーもあるじゃんっ」
と彼女はいかにも少女らしい声をあげた。
「おー可愛いお嬢ちゃんだね見ていってくれ! あんたも麦わらの一味かい?」
「ううん、船には乗ってるけど仲間じゃなくて居候! だから僕、このゲームフォクシーさんたちも応援するよ!」
「はっはっは、そりゃいいな! それ気に入ったんならまけてやるよ」
「やったぁ〜!」
飲食店やらお面やら、所狭しと並ぶ屋台のひとつで彼女は屋主を上目遣いで見上げた。
小根は悪くなさそうな敵戦の男がデレデレとしながら「仕方ねぇなぁ」と首裏を恥ずかしそうにかいている。その目の前で、彼女が今し方自分の脇を通り過ぎた男のポケットからしれっと抜き取った財布から金を出そうとしているところをウソップはなんとも言えない表情で見ていた。
「……。あのー、リタさん、デスヨネ?」
「あ、ウソップくんっ!」
ネックレスを買い取ったリタが店員に笑いながら手を振ってから、ウソップの元へ駆け寄った。その手にはちゃっかり店員の財布も加わっている。
「その声と態度やめろよ、違和感がなさ過ぎて逆にきめぇ……。」
「ふふ、ありがとう。僕、今日はキュートの気分なんだ♡」
「てかお前、いつのまにか着替えたんだ。服の系統的にナミに借りたやつじゃねぇだろ」
「船降りる前にありあわせでね。この出店の中には洋服なんかも売ってるところあるから、調達できて助かるよ」
何もないと思っていた島での思わぬ収穫は、殆んどの服を元いた島に残してきてしまったリタにとってはありがたかった。
麦わらの一味はどうしたと聞くと、各々自分たちの行きたい店に回っているという。
特段、物色したいほどの店が見つからず連なる屋台を流し見しながらリタは歩く。リタと同じなのだろう、ウソップもリタの横に並び、2人で人混みに溶け込みながらなんとはなしに会話する。
「いやぁ、しかし女装っていうのでも最初会った時とは雰囲気違うし。言い方悪いかも知れねぇが、いまだにおれはお前が男って信じられねぇよ」
「えへ♡ そういうこと言ってくれる君のこと、僕は嫌いじゃないぞ!」
「うわ〜やめろよその顔でそういうこと言うの!」
そうは言いつつも、気のいいやつなのだろう。或いは、リタが少なくとも容姿が「女」として完成されているからか。ウソップは満更でもなさそうにからからと笑った。
そんなあまりにも生産性のない彼らのやりとりを、不快そうに見守る者が一人。
「あ、サンジくんだ! その綿飴美味しそ〜僕にくれるの?」
いち早く彼の存在に気づいたリタがサンジに駆け寄る。
常日頃、リタはサンジのことを「タバコ臭い」と言って、サンジもサンジでリタにはつっかかるきらいがあり、なにかと折り合いが悪い2人なのだが。
(外で変装しているときはそのキャラクターで他者にも接し通しているのかもしれねぇな)
とウソップは密やかに思う。
「……ちっ。猫被っても無駄だ、キモいキャラ付けしてるんじゃねぇよクソ野郎。これはな、愛しのロビンちゃんとナミさんにあげるんだ」
「えぇ〜ケチ。じゃあ僕、先回りして2人とおしゃべりして、それで一口分けてもらおう〜」
そういうとリタは見た目通り少女のように軽やかにターンして、駆けていった。
「いやー、あの格好個性強いわりになかなか堂に入ってるけどよ、本性知ってるからこそあいつの演技力には怖気が走るよなぁ。な、サンジ?」
「……」
ウソップが同意を求めるようにサンジに話しかけたが、サンジはリタの小さくなる後ろ姿をむっつりと黙って見送りながら、紫煙を燻らせて不機嫌そうに鼻を鳴らすだけだった。
(「あら〜リタ、今日はゴスロリなのね」)
(「ふふ、とっても似合ってるわ」)
(「えぇ〜っ。僕、嬉しいな! ねぇお姉さんたち、僕にも一口綿飴くれない?」)
(「うわ鳥肌たった。久しぶりにあんたの女声聴いたわ。クオリティ高すぎて怖いわほんと」)
デービーバックファイトの申し込みをルフィが受諾し、派手な開戦の合図が響き渡ったその後。
これから開始される「仲間の奪い合い」という残酷なゲームとは随分と対極的な印象にある「祭り」が大草原で催されていた。
黒と赤のコントラストが鮮やかなゴシックロリータの広めの裾から覗く厚底のヒールが、草原を構成する黄緑色の草をポンポンと踏んでいく。肩につくかつかないかのボブカットを揺らし、
「あ、アクセサリーもあるじゃんっ」
と彼女はいかにも少女らしい声をあげた。
「おー可愛いお嬢ちゃんだね見ていってくれ! あんたも麦わらの一味かい?」
「ううん、船には乗ってるけど仲間じゃなくて居候! だから僕、このゲームフォクシーさんたちも応援するよ!」
「はっはっは、そりゃいいな! それ気に入ったんならまけてやるよ」
「やったぁ〜!」
飲食店やらお面やら、所狭しと並ぶ屋台のひとつで彼女は屋主を上目遣いで見上げた。
小根は悪くなさそうな敵戦の男がデレデレとしながら「仕方ねぇなぁ」と首裏を恥ずかしそうにかいている。その目の前で、彼女が今し方自分の脇を通り過ぎた男のポケットからしれっと抜き取った財布から金を出そうとしているところをウソップはなんとも言えない表情で見ていた。
「……。あのー、リタさん、デスヨネ?」
「あ、ウソップくんっ!」
ネックレスを買い取ったリタが店員に笑いながら手を振ってから、ウソップの元へ駆け寄った。その手にはちゃっかり店員の財布も加わっている。
「その声と態度やめろよ、違和感がなさ過ぎて逆にきめぇ……。」
「ふふ、ありがとう。僕、今日はキュートの気分なんだ♡」
「てかお前、いつのまにか着替えたんだ。服の系統的にナミに借りたやつじゃねぇだろ」
「船降りる前にありあわせでね。この出店の中には洋服なんかも売ってるところあるから、調達できて助かるよ」
何もないと思っていた島での思わぬ収穫は、殆んどの服を元いた島に残してきてしまったリタにとってはありがたかった。
麦わらの一味はどうしたと聞くと、各々自分たちの行きたい店に回っているという。
特段、物色したいほどの店が見つからず連なる屋台を流し見しながらリタは歩く。リタと同じなのだろう、ウソップもリタの横に並び、2人で人混みに溶け込みながらなんとはなしに会話する。
「いやぁ、しかし女装っていうのでも最初会った時とは雰囲気違うし。言い方悪いかも知れねぇが、いまだにおれはお前が男って信じられねぇよ」
「えへ♡ そういうこと言ってくれる君のこと、僕は嫌いじゃないぞ!」
「うわ〜やめろよその顔でそういうこと言うの!」
そうは言いつつも、気のいいやつなのだろう。或いは、リタが少なくとも容姿が「女」として完成されているからか。ウソップは満更でもなさそうにからからと笑った。
そんなあまりにも生産性のない彼らのやりとりを、不快そうに見守る者が一人。
「あ、サンジくんだ! その綿飴美味しそ〜僕にくれるの?」
いち早く彼の存在に気づいたリタがサンジに駆け寄る。
常日頃、リタはサンジのことを「タバコ臭い」と言って、サンジもサンジでリタにはつっかかるきらいがあり、なにかと折り合いが悪い2人なのだが。
(外で変装しているときはそのキャラクターで他者にも接し通しているのかもしれねぇな)
とウソップは密やかに思う。
「……ちっ。猫被っても無駄だ、キモいキャラ付けしてるんじゃねぇよクソ野郎。これはな、愛しのロビンちゃんとナミさんにあげるんだ」
「えぇ〜ケチ。じゃあ僕、先回りして2人とおしゃべりして、それで一口分けてもらおう〜」
そういうとリタは見た目通り少女のように軽やかにターンして、駆けていった。
「いやー、あの格好個性強いわりになかなか堂に入ってるけどよ、本性知ってるからこそあいつの演技力には怖気が走るよなぁ。な、サンジ?」
「……」
ウソップが同意を求めるようにサンジに話しかけたが、サンジはリタの小さくなる後ろ姿をむっつりと黙って見送りながら、紫煙を燻らせて不機嫌そうに鼻を鳴らすだけだった。
(「あら〜リタ、今日はゴスロリなのね」)
(「ふふ、とっても似合ってるわ」)
(「えぇ〜っ。僕、嬉しいな! ねぇお姉さんたち、僕にも一口綿飴くれない?」)
(「うわ鳥肌たった。久しぶりにあんたの女声聴いたわ。クオリティ高すぎて怖いわほんと」)