七海×後輩
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ーー3年前
「うっ…七海さんっ…!」
「大丈夫。気をしっかり持って下さい。必ず助けますから。」
その声に安心して、記憶が無くなった。
家入さんの治療のおかげで一命は取り留めたものの、全治6ヶ月で高専にお世話になった。
七海さんとは以前から面識はあったが、一緒に任務に出た事は無かった。
でもその後七海さんは出来る限り私の所に顔を出してくれた。
最初は寝たきりで動けなかった私の話相手をしてくれて、そのあとはリハビリに付き合ってくれた。
七海さんだったから私は助かったんだと思う。
順調に回復していく私を見て、家入さんには
「私の治療より効いてる気がするな」と言われた。
出歩けるようになってからもしばらく高専に住まわせてもらっていた。七海さんといろんな所に出掛けて、毎日楽しかった。
でももう私は呪術師には戻りたくない。
その事を知っていたから七海さんは一般人と同じ扱いをしてくれて、呪術関係の話をする事は無かった。
ここを出たらもう呪術界とは無関係、七海さんともお別れ。
「もう大丈夫そうですね。これからは好きな人生を送って下さい。」
「七海さん。今まで本当にありがとうございました。助けていただいたご恩は一生忘れません。」
関わりを断つため、連絡先も聞かなかった。もちろん私の方も言わなかったし、今後の事も何も教えなかった。
_______
なのに、今隣にいるのはあの時の想い人。
近くのコインパーキングにつくと、どうぞと助手席のドアを開けて乗るように促された。七海さんの車には昔よく乗せてもらった。
でも今はなぜか緊張感がある。3年経って私も少しは大人になったからなのかもしれない。
運転席に座った七海さんは、はぁ…とため息をついて助手席のシートに腕をついて、体をこちらに向ける。
キスされるのかと思うくらい近くて、咄嗟の出来事に思考回路が止まってしまった。
「簡単に男の車に乗ってはダメですよ?」
何かに嫉妬しているかのような言い方をされる。
「の、乗ったりしてませんっ!」
七海さんは私の反応を楽しむように笑って車を出す。
「あなたは人を信用しすぎる所がありますからね。」
「でも七海さん以外の人には付いていきません。」
「…そうですね。」
私の言いたい事を分かってくれたみたいで、それ以上は聞かれなかった。
_______
着いたのはよく通っていた小料理屋さん。
「懐かしい…」
カウンターに2人で並んで座る。
昔みたいに。
「今日は急だったのでここで。アルコールは大丈夫ですか?」
久しぶりのお店で昔の楽しかった頃をぼんやり思い出していた。
「すみません。急に来てしまって。もうあなたは呪術界 とは関わりたくないはずなのに。」
「そんなっ!七海さんに会えて嬉しかった。なんでとは思いましたけど…」
カウンターの向こうから店主が注文を聞いてくる。
七海さんは烏龍茶を、私はビールを頼んで、私が好きだった料理をいくつか頼んでくれた。
「昨日五条さんが店に来たでしょう?あなたが怖がってるのではと思いましてね。」
確かに怖かった。偶然来店したとしても何か起こりそうな感じがする人だった。
「それでわざわざ…え?五条悟は私の事分かってたんですか?」
「一般人とは流れが違いますからね。私があなたを気にかけている事は五条さんも知ってましたから。教えてくれたんですよ。」
そんな事全然知らなかった。五条悟、案外いい人なの?と思っていたら、七海さんの電話が鳴る。
「はい。…無理です。」
仕事なのかな?なんか凄くめんどくさそうな口調で七海さんが話す。
「それは…ありがとうございました。…でも無理ですよ。」
電話の向こうでまだ話声が聞こえたが、七海さんは構わず電話を切ってため息をつく。
「大丈夫ですか?お仕事ですか?」
「五条さんですよ。あなたの居場所を教えた代わりに任務に行ってくれと言われました。あの人が店に行ったのは偶然なので、安心して下さい。」
何だか話についていけなくて、状況を整理するように質問する。
「偶然来て、私が元関係者だと気付いたとしても、もう3年前の話ですよ?私が七海さんに助けてもらった人なんて分からないんじゃ…?」
七海さんはちょっと考え込んで、
「あの人は気まぐれで、分からない人ですから。そんな人の話より、あなたの話をして下さい。」と笑いかけてくれた。
七海さんの笑顔が止まっていた時間を動かす。
3年間の私の話を七海さんは楽しそうに聞いてくれた。でもちょっと飲みすぎてしまったみたいで所々記憶が怪しい。
「こんなにキレイになって。あなたと会えなくなるのはもう2度とごめんです。」
大きな手と低く落ち着いた声が私に触れた気がした。
「七海さん…」
目が覚めると知らない場所だった。
綺麗に片付いていて、生活感が感じられない。
「おはようございます。大丈夫ですか?」
「うっ…七海さんっ…!」
「大丈夫。気をしっかり持って下さい。必ず助けますから。」
その声に安心して、記憶が無くなった。
家入さんの治療のおかげで一命は取り留めたものの、全治6ヶ月で高専にお世話になった。
七海さんとは以前から面識はあったが、一緒に任務に出た事は無かった。
でもその後七海さんは出来る限り私の所に顔を出してくれた。
最初は寝たきりで動けなかった私の話相手をしてくれて、そのあとはリハビリに付き合ってくれた。
七海さんだったから私は助かったんだと思う。
順調に回復していく私を見て、家入さんには
「私の治療より効いてる気がするな」と言われた。
出歩けるようになってからもしばらく高専に住まわせてもらっていた。七海さんといろんな所に出掛けて、毎日楽しかった。
でももう私は呪術師には戻りたくない。
その事を知っていたから七海さんは一般人と同じ扱いをしてくれて、呪術関係の話をする事は無かった。
ここを出たらもう呪術界とは無関係、七海さんともお別れ。
「もう大丈夫そうですね。これからは好きな人生を送って下さい。」
「七海さん。今まで本当にありがとうございました。助けていただいたご恩は一生忘れません。」
関わりを断つため、連絡先も聞かなかった。もちろん私の方も言わなかったし、今後の事も何も教えなかった。
_______
なのに、今隣にいるのはあの時の想い人。
近くのコインパーキングにつくと、どうぞと助手席のドアを開けて乗るように促された。七海さんの車には昔よく乗せてもらった。
でも今はなぜか緊張感がある。3年経って私も少しは大人になったからなのかもしれない。
運転席に座った七海さんは、はぁ…とため息をついて助手席のシートに腕をついて、体をこちらに向ける。
キスされるのかと思うくらい近くて、咄嗟の出来事に思考回路が止まってしまった。
「簡単に男の車に乗ってはダメですよ?」
何かに嫉妬しているかのような言い方をされる。
「の、乗ったりしてませんっ!」
七海さんは私の反応を楽しむように笑って車を出す。
「あなたは人を信用しすぎる所がありますからね。」
「でも七海さん以外の人には付いていきません。」
「…そうですね。」
私の言いたい事を分かってくれたみたいで、それ以上は聞かれなかった。
_______
着いたのはよく通っていた小料理屋さん。
「懐かしい…」
カウンターに2人で並んで座る。
昔みたいに。
「今日は急だったのでここで。アルコールは大丈夫ですか?」
久しぶりのお店で昔の楽しかった頃をぼんやり思い出していた。
「すみません。急に来てしまって。もうあなたは
「そんなっ!七海さんに会えて嬉しかった。なんでとは思いましたけど…」
カウンターの向こうから店主が注文を聞いてくる。
七海さんは烏龍茶を、私はビールを頼んで、私が好きだった料理をいくつか頼んでくれた。
「昨日五条さんが店に来たでしょう?あなたが怖がってるのではと思いましてね。」
確かに怖かった。偶然来店したとしても何か起こりそうな感じがする人だった。
「それでわざわざ…え?五条悟は私の事分かってたんですか?」
「一般人とは流れが違いますからね。私があなたを気にかけている事は五条さんも知ってましたから。教えてくれたんですよ。」
そんな事全然知らなかった。五条悟、案外いい人なの?と思っていたら、七海さんの電話が鳴る。
「はい。…無理です。」
仕事なのかな?なんか凄くめんどくさそうな口調で七海さんが話す。
「それは…ありがとうございました。…でも無理ですよ。」
電話の向こうでまだ話声が聞こえたが、七海さんは構わず電話を切ってため息をつく。
「大丈夫ですか?お仕事ですか?」
「五条さんですよ。あなたの居場所を教えた代わりに任務に行ってくれと言われました。あの人が店に行ったのは偶然なので、安心して下さい。」
何だか話についていけなくて、状況を整理するように質問する。
「偶然来て、私が元関係者だと気付いたとしても、もう3年前の話ですよ?私が七海さんに助けてもらった人なんて分からないんじゃ…?」
七海さんはちょっと考え込んで、
「あの人は気まぐれで、分からない人ですから。そんな人の話より、あなたの話をして下さい。」と笑いかけてくれた。
七海さんの笑顔が止まっていた時間を動かす。
3年間の私の話を七海さんは楽しそうに聞いてくれた。でもちょっと飲みすぎてしまったみたいで所々記憶が怪しい。
「こんなにキレイになって。あなたと会えなくなるのはもう2度とごめんです。」
大きな手と低く落ち着いた声が私に触れた気がした。
「七海さん…」
目が覚めると知らない場所だった。
綺麗に片付いていて、生活感が感じられない。
「おはようございます。大丈夫ですか?」