第七章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「行方不明だったんでしょ?なのに復職って、いいよね、結局は身内の権力で生きてて」
「でも婚約破棄して逃げたらしいよ。相手はねー、覚えてる?店に来たあの背の高いイケメン!」
「えぇ?!覚えてる!ってか、なんであの子と…」
「大人しそうな顔してるのにねー!」
仕事復帰して1週間、毎日中から聞こえる陰口に構わず控室のドアを開け、いつも通り挨拶して着替えて店に立つ。
私が出て行くと再び始まる井戸端会議に呆れて溜め息をつく。
どれも本当の事。私に言い返す言葉は無い。あっという間に飽きられる事は分かっていても、やっぱり消耗してしまう。
ーーーーーーー
「ゆりー♡ただいまぁ!きょ…も……って、あ、お風呂入ってたの?」
リビングのドアを開けてテンション高く入ってきた悟はバスタオルを巻いた私を見て一瞬驚いた顔をしたけど、すぐ喜んで犬のようにじゃれて来た。
後ろから抱えられたまま一緒にソファに座る。
「さとる…」
うなじにキスする彼を、いつもなら待ってとやんわり制止するところ。でも今日は自ら向かい合わせになって、膝立で彼に跨った。
悟にとっても意外だったようでポカンとして手が止まる。
「私がめちゃくちゃに抱いてって言ったらしてくれる?」
もう何にも考えられない様にして欲しい。一時の逃避だって分かってる。でも彼に愛されてるという優越感が外敵から身を守ってくれる。
「もちろんしてあげるよ。…でもその前に、なんで泣いてるのか教えて」
悟に見上げられるのは初めてで、いつもよりも大きく見える青い瞳に吸い込まれるように釘付けになっていた。そのせいで目が少し赤くなって腫れていることに気付かれたんだ。
絶対分からないと思ったのになぁ。そういえば前にもアイマスクしてるのに、私が泣いてる事に気付いたりしてたなぁ。と頭の隅で思い出していると、視界が遮られて彼の膝の上にぺたんと座り込んでしまった。
頭から上着を被せられ、顔だけ出して腕の自由が効かずにもがく私を彼はそのまま抱きしめた。
「ちょっ…と…」
「そんな格好してたら襲っちゃうから」
楽しそうな声でそう言った後、急に真剣なトーンで名前を呼ばれた。
「ゆり」
いつもと違う音で胸の鼓動が鳴る。
「言いたくなかったら無理しなくていいけど、僕は絶対ゆりの味方。それにね、そんな状態でヤルほどクズじゃないよ?」
どうかしてた、悟を道具みたいに使おうとして。いつでもちゃんと話を聞いてくれて、どんな事をしてでも私を助けてくれた彼への冒涜だ。
「ごめんなさい。悟に嫌な事させようとした」
それを聞いて抱きしめていた腕を緩めて軽く口付けをくれた。
「ね、結婚の話だけど、ゆりが不安なら事実婚にしよ」
1ヶ月以上考えなきゃいけないと思いながらも避け続けてきたこの話。
結婚する決心も出来てないのに、事実婚って言われるとショックを受ける、今の事もあって自分の身勝手さに自己嫌悪だ。
「でも婚約破棄して逃げたらしいよ。相手はねー、覚えてる?店に来たあの背の高いイケメン!」
「えぇ?!覚えてる!ってか、なんであの子と…」
「大人しそうな顔してるのにねー!」
仕事復帰して1週間、毎日中から聞こえる陰口に構わず控室のドアを開け、いつも通り挨拶して着替えて店に立つ。
私が出て行くと再び始まる井戸端会議に呆れて溜め息をつく。
どれも本当の事。私に言い返す言葉は無い。あっという間に飽きられる事は分かっていても、やっぱり消耗してしまう。
ーーーーーーー
「ゆりー♡ただいまぁ!きょ…も……って、あ、お風呂入ってたの?」
リビングのドアを開けてテンション高く入ってきた悟はバスタオルを巻いた私を見て一瞬驚いた顔をしたけど、すぐ喜んで犬のようにじゃれて来た。
後ろから抱えられたまま一緒にソファに座る。
「さとる…」
うなじにキスする彼を、いつもなら待ってとやんわり制止するところ。でも今日は自ら向かい合わせになって、膝立で彼に跨った。
悟にとっても意外だったようでポカンとして手が止まる。
「私がめちゃくちゃに抱いてって言ったらしてくれる?」
もう何にも考えられない様にして欲しい。一時の逃避だって分かってる。でも彼に愛されてるという優越感が外敵から身を守ってくれる。
「もちろんしてあげるよ。…でもその前に、なんで泣いてるのか教えて」
悟に見上げられるのは初めてで、いつもよりも大きく見える青い瞳に吸い込まれるように釘付けになっていた。そのせいで目が少し赤くなって腫れていることに気付かれたんだ。
絶対分からないと思ったのになぁ。そういえば前にもアイマスクしてるのに、私が泣いてる事に気付いたりしてたなぁ。と頭の隅で思い出していると、視界が遮られて彼の膝の上にぺたんと座り込んでしまった。
頭から上着を被せられ、顔だけ出して腕の自由が効かずにもがく私を彼はそのまま抱きしめた。
「ちょっ…と…」
「そんな格好してたら襲っちゃうから」
楽しそうな声でそう言った後、急に真剣なトーンで名前を呼ばれた。
「ゆり」
いつもと違う音で胸の鼓動が鳴る。
「言いたくなかったら無理しなくていいけど、僕は絶対ゆりの味方。それにね、そんな状態でヤルほどクズじゃないよ?」
どうかしてた、悟を道具みたいに使おうとして。いつでもちゃんと話を聞いてくれて、どんな事をしてでも私を助けてくれた彼への冒涜だ。
「ごめんなさい。悟に嫌な事させようとした」
それを聞いて抱きしめていた腕を緩めて軽く口付けをくれた。
「ね、結婚の話だけど、ゆりが不安なら事実婚にしよ」
1ヶ月以上考えなきゃいけないと思いながらも避け続けてきたこの話。
結婚する決心も出来てないのに、事実婚って言われるとショックを受ける、今の事もあって自分の身勝手さに自己嫌悪だ。