第五章
夢小説設定
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その手紙は悟さんに契約の事を話してから解いてもらうまでの間に書いていたもの。
伝えたい想いをちゃんと伝えて終われるように。
契約は解かれてもう自由になったけど、悟さんにいつか伝えたくて、まだその手紙を持ち続けていた。
高専というこの特殊な学校にきてもうすぐ1ヶ月が経とうとしていた。私の体は何事もなく、本当に契約は終わったんだと実感が湧いていた。
悟さんはどうやったのか結局詳しくは教えてくれなかったけど、ここの生徒さん達曰く、彼は何でも出来てしまう天才タイプらしいので説明が上手くないらしい。
そうやって高専の人達とも打ち解けて来た頃、実家に呼び出された。
悟さんが話をしてくれたらしいけど、やはり自分でも行くべきなのは分かっていた。心配をかけたくなくて悟さんには黙って出掛けた。
「伊地知さん、車出して頂いて助かります。」
「大丈夫ですよ。帰りも迎えに行きましょうか?」
「ありがとうございます。でも大丈夫です。あ、一つお願いが…」
私は自分で渡せない手紙を伊地知さんに託した。
契約が解けたとはいえ、私の身に何かあった時、彼に渡して欲しいとお願いして。
「私なんかが預かっていていいんですか?というより渡した時に何されるか…」
「何か重要な秘密が…とか、そんな内容じゃないんですけど…。じゃぁ、そうですね…悟さんが仕事に行くのをごねた時とかに渡すのはどうですか?」
「それはそれで恐ろしいですが…」
彼は相当酷い目に遭って来たのかなと可哀想になる。
「伊地知さんを虐めないようにお願いしておきます!」
仕方なくといった感じで手紙を受け取ってくれた伊地知さんにお礼を言って別れた。
それはラブレターというより、感謝の手紙。
私は悟さんと出会えただけでもう十分満たされていて、感謝してる。だからこの先の人生が長く続かなくてもこのひと時をあなたと過ごせたなら私は幸せで、後悔はない。
決められた婚約者から逃げられなくて、人と関わらないように、好意なんて持たないように感情に蓋をして鍵をかけてきた。
でも悟さんと出会えて私は生きていく意味を見出せた。
一生、家の言いなりになって生きていくのが嫌で仕事させてもらっていた親戚の和菓子屋さん。
悟さんがお店に来てくれて、その選択が正しかったと確信した。いや、いつも迷っていた私は救われたんだ。
天使が救いに来てくれたんだって。
2度目に会った時には、もう彼に惹かれてることを誤魔化せない自分がいた。
夢みたいな時間をくれる悟さんへの想いは強くなる一方で、契約の話を黙っている罪悪感は広がっていった。
なのにあなたはこんな私を見捨てないでくれた。
魔法がこの身を滅ぼす事になっても、その時まであなたと居たいと心から思っている。
ずっと、なんて言葉は私には使えないけど、一瞬一瞬をあなたへの想いで繋いでいける。
伝えたい想いをちゃんと伝えて終われるように。
契約は解かれてもう自由になったけど、悟さんにいつか伝えたくて、まだその手紙を持ち続けていた。
高専というこの特殊な学校にきてもうすぐ1ヶ月が経とうとしていた。私の体は何事もなく、本当に契約は終わったんだと実感が湧いていた。
悟さんはどうやったのか結局詳しくは教えてくれなかったけど、ここの生徒さん達曰く、彼は何でも出来てしまう天才タイプらしいので説明が上手くないらしい。
そうやって高専の人達とも打ち解けて来た頃、実家に呼び出された。
悟さんが話をしてくれたらしいけど、やはり自分でも行くべきなのは分かっていた。心配をかけたくなくて悟さんには黙って出掛けた。
「伊地知さん、車出して頂いて助かります。」
「大丈夫ですよ。帰りも迎えに行きましょうか?」
「ありがとうございます。でも大丈夫です。あ、一つお願いが…」
私は自分で渡せない手紙を伊地知さんに託した。
契約が解けたとはいえ、私の身に何かあった時、彼に渡して欲しいとお願いして。
「私なんかが預かっていていいんですか?というより渡した時に何されるか…」
「何か重要な秘密が…とか、そんな内容じゃないんですけど…。じゃぁ、そうですね…悟さんが仕事に行くのをごねた時とかに渡すのはどうですか?」
「それはそれで恐ろしいですが…」
彼は相当酷い目に遭って来たのかなと可哀想になる。
「伊地知さんを虐めないようにお願いしておきます!」
仕方なくといった感じで手紙を受け取ってくれた伊地知さんにお礼を言って別れた。
それはラブレターというより、感謝の手紙。
私は悟さんと出会えただけでもう十分満たされていて、感謝してる。だからこの先の人生が長く続かなくてもこのひと時をあなたと過ごせたなら私は幸せで、後悔はない。
決められた婚約者から逃げられなくて、人と関わらないように、好意なんて持たないように感情に蓋をして鍵をかけてきた。
でも悟さんと出会えて私は生きていく意味を見出せた。
一生、家の言いなりになって生きていくのが嫌で仕事させてもらっていた親戚の和菓子屋さん。
悟さんがお店に来てくれて、その選択が正しかったと確信した。いや、いつも迷っていた私は救われたんだ。
天使が救いに来てくれたんだって。
2度目に会った時には、もう彼に惹かれてることを誤魔化せない自分がいた。
夢みたいな時間をくれる悟さんへの想いは強くなる一方で、契約の話を黙っている罪悪感は広がっていった。
なのにあなたはこんな私を見捨てないでくれた。
魔法がこの身を滅ぼす事になっても、その時まであなたと居たいと心から思っている。
ずっと、なんて言葉は私には使えないけど、一瞬一瞬をあなたへの想いで繋いでいける。