少し明るくなってきた部屋の中。胸の中で眠っている彼女が愛おしくて頬を撫でる。

「ん…悟さん…私…」
「おはよう、ゆり。体は大丈夫？」
昨夜の事を思い出したのか、赤くなって恥ずかしそうにしながらも笑顔で返してくれた。

「悟さんが優しくしてくれたから大丈夫。悟さん…」
「なぁに？」
「今日はお仕事は？」
「夜からだからまだゆりと一緒にいるよ。」

安堵の表情を浮かべていたのも束の間。一転して不安げになっていく彼女の顔を見て思い出した。そうだった、彼女にはまだちゃんと話をしていないんだった…

「もう契約は終了してるから安心して。」
髪を撫でながら彼女に言い聞かせる。

「それは、その、悟さんと…したから」
ホント、いちいち可愛いくて話が進まないよ。
もう一回襲ってしまいたい気持ちをなんとか抑えるように息を吐いた。

「僕とセックスする前からだよ。正確には入れる前だね。」

「え？でも…あ、消えてる…！」
印が消えているのを確認してもまだ信じられないようだ。
「ね？痛くなかったでしょ？」

「…」
あれ？なんで黙ったまま？

「…痛かった」
少しほっぺたを膨らませて上目遣いで怒られた。はぁ、誘ってんのかな。

「僕のが大きすぎたのかも、次はもっと優しくするね…」
キスしようと顔を寄せた時、あっ！と声を上げるゆり。

「それより！悟さんが消したの？どうやって？！」
なんか今までで1番テンション高くない？
まぁ、そうだよね。気になるよね。
でもヤる気まんまんだったからちょっと凹む。


「魔法使いになったの♡」

彼女のテンションに合わせてふざけてみたのに、冷静に返された。


「悟さんって、人間じゃないの？」