第三章
夢小説設定
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駅に向かうと色んな意味で目立つ彼はすぐに見つかった。今日は上下とも黒服。
それにやっぱり周りにハートが飛んでる…。
昨日の電話では、この前の話の続きは避けられない感じだった。
でももう決めたから。
彼には婚約者の事は話さない。
「悟さん。目立ちすぎ」
スマホを見ていた彼の横から声をかけて、顔を見上げて笑う。
私の奥を見透かすような青い目が少し細められて、綻んだ顔は迷子の子供が親を見つけた時の様。
「そう?車停めてるから、行こ」
今日は伊地知さんはいなくて悟さんの運転する車で連れて行かれたのは彼の自宅…
少し話をして本当に帰れるんだろうか?
さすがに部屋に行く心の準備はしてなかったから緊張して固まっている私の手を少し強引に引いて、車を降りてから部屋のドアが閉まるまで彼は離してくれなかった。
あの日貸した傘が傘立てのない玄関に不自然に置かれていた。
「おいで」
靴を脱いで、差し出された彼の手を取ろうと手を伸ばした。
「…えっ、さと…」
一瞬の出来事に何が起きたのか分からなかった。気づいた時には彼の胸の中に抱きしめられていて、多分どうしたって逃げられない。
「ゆり、好きだよ。」
言葉が耳に入ってくるだけで、その意味が理解できないほど頭の中が真っ白で、足が震えて力が入らない。
悟さんは倒れそうな私を抱えると、寝室らしい部屋の大きなベッドに私を組み敷いて、また「好きだ」と囁く。
「ゆりは?」
声も出せない私に鼻先が触れるほどの距離で問われる。
真っ暗で静かな部屋の中に私の鼓動が響いている。
「好き…」
青い瞳が揺れたのが視界の端に映って、呼吸と同時に途切れた。
それにやっぱり周りにハートが飛んでる…。
昨日の電話では、この前の話の続きは避けられない感じだった。
でももう決めたから。
彼には婚約者の事は話さない。
「悟さん。目立ちすぎ」
スマホを見ていた彼の横から声をかけて、顔を見上げて笑う。
私の奥を見透かすような青い目が少し細められて、綻んだ顔は迷子の子供が親を見つけた時の様。
「そう?車停めてるから、行こ」
今日は伊地知さんはいなくて悟さんの運転する車で連れて行かれたのは彼の自宅…
少し話をして本当に帰れるんだろうか?
さすがに部屋に行く心の準備はしてなかったから緊張して固まっている私の手を少し強引に引いて、車を降りてから部屋のドアが閉まるまで彼は離してくれなかった。
あの日貸した傘が傘立てのない玄関に不自然に置かれていた。
「おいで」
靴を脱いで、差し出された彼の手を取ろうと手を伸ばした。
「…えっ、さと…」
一瞬の出来事に何が起きたのか分からなかった。気づいた時には彼の胸の中に抱きしめられていて、多分どうしたって逃げられない。
「ゆり、好きだよ。」
言葉が耳に入ってくるだけで、その意味が理解できないほど頭の中が真っ白で、足が震えて力が入らない。
悟さんは倒れそうな私を抱えると、寝室らしい部屋の大きなベッドに私を組み敷いて、また「好きだ」と囁く。
「ゆりは?」
声も出せない私に鼻先が触れるほどの距離で問われる。
真っ暗で静かな部屋の中に私の鼓動が響いている。
「好き…」
青い瞳が揺れたのが視界の端に映って、呼吸と同時に途切れた。