第二章
夢小説設定
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「今日はとても楽しかった。悟さん、ありがとう。」
後部座席の窓を開けて何事も無かったかのように笑顔でお礼を言うと、心配そうに笑う彼が私の顔を覗き込んできた。
「送れなくてごめん、また電話する。次会う時はもっとゆっくり話そう」
と髪を撫でてくれた。
触れられると鼓動が早くなって胸がざわざわするのに心地よくて、目を閉じて彼に心を預ける。この優しい大きな手はまた私の口を閉ざしてしまうんだろうな。
悟さんは職場に直接向かうからと、車には乗らなかった。
帰りは伊地知さんじゃなくて同じ黒いスーツの女の人が駅まで送ってくれた。
結局今日も言えなかった。
…言えなかった?違う…
言わなきゃと思っていたのは本当だけど、そんな雰囲気にならなかったら切り出さなかったし、そもそも言う気ならもうとっくに言ってるはずでしょう?
話を遮った悟さんに素直に従ったのは、止めてもらえてホッとしたから。悟さんに出会えてから幸せでもっと一緒に居たいという思いはどんどん膨らんでいて、この話をする事を理由にまた会えると思ったから。
私は結局言えなかったんじゃなくて、言わなかった。
悟さんに告げたら、もう終わってしまうんだから。
私には婚約者がいて、もうすぐ結婚しないといけない
なんて…言えない。言いたくない。
[このまま彼を騙してでもまた会いたい。彼に触れたい…。その後がどうなっても、もうどうでもいい。]
[でもずっとこのまま会える訳ないよ?それに体の関係になったら?もう隠せないよ?]
分かってる。そんな事、彼に会ったあの時からずっとこの繰り返しだった。いつもいつも優位に立つのは前者の自分。でもそれが現実逃避だって分かってる。
きっと次も彼が話を聞きたがらない限り、私は話さない。
どこまで逃げ続けようか…彼を利用して、どうすることも出来ない運命から。
後部座席の窓を開けて何事も無かったかのように笑顔でお礼を言うと、心配そうに笑う彼が私の顔を覗き込んできた。
「送れなくてごめん、また電話する。次会う時はもっとゆっくり話そう」
と髪を撫でてくれた。
触れられると鼓動が早くなって胸がざわざわするのに心地よくて、目を閉じて彼に心を預ける。この優しい大きな手はまた私の口を閉ざしてしまうんだろうな。
悟さんは職場に直接向かうからと、車には乗らなかった。
帰りは伊地知さんじゃなくて同じ黒いスーツの女の人が駅まで送ってくれた。
結局今日も言えなかった。
…言えなかった?違う…
言わなきゃと思っていたのは本当だけど、そんな雰囲気にならなかったら切り出さなかったし、そもそも言う気ならもうとっくに言ってるはずでしょう?
話を遮った悟さんに素直に従ったのは、止めてもらえてホッとしたから。悟さんに出会えてから幸せでもっと一緒に居たいという思いはどんどん膨らんでいて、この話をする事を理由にまた会えると思ったから。
私は結局言えなかったんじゃなくて、言わなかった。
悟さんに告げたら、もう終わってしまうんだから。
私には婚約者がいて、もうすぐ結婚しないといけない
なんて…言えない。言いたくない。
[このまま彼を騙してでもまた会いたい。彼に触れたい…。その後がどうなっても、もうどうでもいい。]
[でもずっとこのまま会える訳ないよ?それに体の関係になったら?もう隠せないよ?]
分かってる。そんな事、彼に会ったあの時からずっとこの繰り返しだった。いつもいつも優位に立つのは前者の自分。でもそれが現実逃避だって分かってる。
きっと次も彼が話を聞きたがらない限り、私は話さない。
どこまで逃げ続けようか…彼を利用して、どうすることも出来ない運命から。