あの頃から
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「一旦降りてもらえますか?人数が多いので別の車で行きます。」
人数が多い…?任務だった上に2人きりでもないのか!まさか五条さんは来ないとかありえないよね…?いや、ありえるかも…
騙されて裏切られたショックでテンションは最悪だった上に、さらに心が折れる事実をサラッと告げて伊地知は行ってしまった。
「お待たせー!」
「………」
「ちゃんと準備してきた?あれ?なんかテンション低くない?」
とりあえず本人に事実確認をして、手を挙げるのはそれからにしようと冷静になって質問してみた。
「五条さん、今日は旅行行くって言ってましたよね?」
「そうだよ」
なんと悪気のない返事。
「伊地知は任務って言ってましたけど?」
「任務、兼、旅行」
何か問題でも?という口調で告げられた事実に最後の期待も打ち砕かれた。
「いやいや休暇取ろうと思ってたのに仕事させないで下さいよ!大体呪具も持ってきてないし…行った所で足でまとい…」
「大丈夫、僕が守るから」
私の言葉を遮るようにそう言われ、下がり切っていたテンションごとフリーズしてしまった。
代わりに胸の奥が締め付けられる苦しみに襲われる。
なんでそんな期待させるような言い方をするの?昔助けないって言われてから、助けられなくても大丈夫な術師になろうとしてきたのに、ずっと五条さんの役に立ちたくて。守られる事なんか望んでないのに。
「ほんとずるいっ……」
泣きそうになる声を抑えながら言ったその言葉は多分五条さんの背中には届かなかったと思う。
それから歩き出した五条さんの後ろを少し距離を置いて歩いていた時、
「せんせーい!待ってよー!」
「五条先生と旅行とかちょー楽しみ!」
軽快な足音と、若い声が後ろから追いかけてきた。
一緒に任務に向かう生徒達なのだろうが、彼女達も騙されたのか完全旅行モードだ。
「五条さん、もしかして彼女達も騙したんですか?」
呆れている事を全面に押し出して聞いてみた。
「いやぁ彼女達は僕のことが好き過ぎて、任務だろうが一緒に出掛けるだけでハイテンションなの」
「ずいぶん教育熱心なんですね。」
こんな嫌味を言ってしまう自分が可愛くなくて顔を背ける。
「ゆりも先生って呼んでいいよ。」
先生が生徒を諭すような優しい声に釣られて五条さんの方を向くと、親指で押し上げられたアイマスクの下から覗く、蒼い瞳と目が合った。
胸の鼓動が速くなる。
綺麗…。
きっとこの世で1番美しいのは誰?と聞かれた鏡もこの人を映すだろう。
何もかも忘れてしまえそうな程、没頭出来る。
やっぱりこの眼には呪いをかけられている。
人数が多い…?任務だった上に2人きりでもないのか!まさか五条さんは来ないとかありえないよね…?いや、ありえるかも…
騙されて裏切られたショックでテンションは最悪だった上に、さらに心が折れる事実をサラッと告げて伊地知は行ってしまった。
「お待たせー!」
「………」
「ちゃんと準備してきた?あれ?なんかテンション低くない?」
とりあえず本人に事実確認をして、手を挙げるのはそれからにしようと冷静になって質問してみた。
「五条さん、今日は旅行行くって言ってましたよね?」
「そうだよ」
なんと悪気のない返事。
「伊地知は任務って言ってましたけど?」
「任務、兼、旅行」
何か問題でも?という口調で告げられた事実に最後の期待も打ち砕かれた。
「いやいや休暇取ろうと思ってたのに仕事させないで下さいよ!大体呪具も持ってきてないし…行った所で足でまとい…」
「大丈夫、僕が守るから」
私の言葉を遮るようにそう言われ、下がり切っていたテンションごとフリーズしてしまった。
代わりに胸の奥が締め付けられる苦しみに襲われる。
なんでそんな期待させるような言い方をするの?昔助けないって言われてから、助けられなくても大丈夫な術師になろうとしてきたのに、ずっと五条さんの役に立ちたくて。守られる事なんか望んでないのに。
「ほんとずるいっ……」
泣きそうになる声を抑えながら言ったその言葉は多分五条さんの背中には届かなかったと思う。
それから歩き出した五条さんの後ろを少し距離を置いて歩いていた時、
「せんせーい!待ってよー!」
「五条先生と旅行とかちょー楽しみ!」
軽快な足音と、若い声が後ろから追いかけてきた。
一緒に任務に向かう生徒達なのだろうが、彼女達も騙されたのか完全旅行モードだ。
「五条さん、もしかして彼女達も騙したんですか?」
呆れている事を全面に押し出して聞いてみた。
「いやぁ彼女達は僕のことが好き過ぎて、任務だろうが一緒に出掛けるだけでハイテンションなの」
「ずいぶん教育熱心なんですね。」
こんな嫌味を言ってしまう自分が可愛くなくて顔を背ける。
「ゆりも先生って呼んでいいよ。」
先生が生徒を諭すような優しい声に釣られて五条さんの方を向くと、親指で押し上げられたアイマスクの下から覗く、蒼い瞳と目が合った。
胸の鼓動が速くなる。
綺麗…。
きっとこの世で1番美しいのは誰?と聞かれた鏡もこの人を映すだろう。
何もかも忘れてしまえそうな程、没頭出来る。
やっぱりこの眼には呪いをかけられている。