断章Ⅳ
紅い鴉の夢主の名前
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夕方、珱と少し似た雰囲気の少年が買い物をしていた。珱の弟の蔭だ。
「えーと、あとは卵か……あれ?(あの後ろ姿って……)悧塢さん!」
見慣れた後ろ姿を見付けて声をかけるが何故か反応はない。それでも蔭は諦めなかった。
「聞こえなかったのかな? ……悧塢さん!!」
「は?」
「あれ? 髪の毛染めました? それに身長も伸びてますよね?」
「……誰アンタ」
「え?」
「私ガキの知り合いなんかいないんだけど」
「……悧塢さんじゃ、ない?」
「だから誰だよソレ」
改めて見ると髪の毛は茶色く少しウェーブもかかっていて服装も派手。ピアスやネイルなんて悧塢は好んで着けようとはしない。そもそも身長が高いのだ。高いヒールを履いているわけでもないのに。
「(てか、悧塢さんより老けてる……)」
「ねぇ、もういい?」
「あ、すいませんでした!」
「ったく」
何より口と態度が悪すぎる。そして蔭はこっそりと携帯のカメラ機能を起動させて去っていく女性を隠し撮りした。
「……もしもし珱? 今、悧塢さん近くにいる?」
『は? さっきボンゴレの屋敷に帰ってきたわよ?』
「……そっか」
『何よ』
「……メール送る」
『は?』
珱の不信な声を置いて通話を切るなり隠し撮りした写真を添付して送る。写真を見た珱も、蔭と同じように戸惑っていた。
「え、これ……悧塢さん? でも、さっき腹黒と一緒に……(お姉さん? 他人のそら似っぽいけど……)……後で聞いてみよ」
悧塢をつけ狙う男のことで忙しない屋敷内の空気を察して珱は口を噤む。後にその写真一枚によって事態が大きく動くとも知らずに。
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