第18章
紅い鴉の夢主の名前
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「悧塢」
「恭弥さん、どうしました?」
朝食を終えて廊下を歩いていた悧塢は後ろから雲雀に声を掛けられて振り向いた。
「……トレーニングルームにおいで。いい物見せてあげる」
「? はい」
詳しい説明はされないまま踵を返して歩き出す雲雀の後ろをついていく。久しぶりに来たトレーニングルームの中には以前は無かった障害物が複数置いてあり雲雀へと視線を向けるが、それに答える気がないのか雲雀は気にせず悧塢に手のひらサイズの何かを手渡した。
「! 恭弥さん、これって」
「うん。試作段階ではあるけど、君専用
「わぁ……」
渡された
「リングは無いから君のほうで上手く
「はい」
決まったやり方がないのならばと手に炎を灯しそれを
「……できた」
「君専用なんだから当たり前でしょ」
「はい! ありがとうございます!」
『カァァ』
「わ、鳴いた」
雲雀に感謝しながらも自分の
「どんな技が使えるの?」
『クァッ!』
質問に答えるように鳴いたかと思うと、悧塢の腕を離れ障害物の前で翼を大きく広げた。次の瞬間、カラスを中心に広がった黒い炎が障害物を球体状に抉った。
「私と同じだ……」
「君は炎本来の力を使ってるからね」
「……?」
暫くカラスを眺めていると様子がおかしいことに気付いた悧塢が目を眇める。ゆっくり降下したかと思うと床に突っ伏し纏った炎の揺れ幅が大きくなっていく。
「どうしたんだい?」
「恭弥さん、動かないで」
「………」
『カァ、ァ……グ、クァ:∨※…£∇Ⅹ#∂◆¶∧!!!!』
最早鳴き声ともとれない奇声を上げながらカラスの形を失っていくソレに、悧塢は短刀を構えた。
「……消すのかい?」
「害を及ぼすようなら」
静かに悧塢が言い終えた直後、カラスだったものから大量の炎が吹き出し二人に襲い掛かる。咄嗟に雲雀を背中に庇い白い炎で防いだが、数十秒正反対の炎がぶつかり合ったかと思うとカラスに炎が収束し始めた。
次の瞬間。
「っ!?」
モノクロの炎が瞬いた。
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