第16章
紅い鴉の夢主の名前
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「ちょっとボンゴレ! 悧塢さんに近付かないで!!」
「関係ねーだろうが。とっとと帰れ」
「悧塢さんは許可してくれたもん!」
「ここのボスは俺だ。俺が一言命令すればお前なんかを摘まみ出すのに一分もかかんねーぞ?」
「綱吉さん、本当にそんなことしないでくださいよ?」
「……」
「やっぱり悧塢さん優しいです! ありがとうございます!!」
「珱もあんまり綱吉さん怒らせちゃ駄目だよ?」
「う、ごめんなさい……」
「うん」
先ほどから悧塢の目の前で繰り広げられていた綱吉と珱の口論がやっと終わったようだ。それでも悧塢の右腕に抱き着く珱とその反対側から彼女を睨む綱吉という図は変わらない。何故こんな状況なのかと言うと、珱が悧塢の部屋に入ったところから始まる。
「いらっしゃい珱」
「悧塢さん、傷の具合はどうですか?」
「大丈夫だよ、まだ少し痛むけど、これくらいすぐ治るから……心配してくれてありがとう」
「悧塢さん……!」
感極まった珱は、いきなり悧塢の手を握って床に膝を付いた。
「私、あなたの寛大さに惚れちゃったみたいです、これからは悧塢様って呼ばせてください」
「「……え?」」
突然の発言に思わず言葉が被る綱吉と悧塢。我に返った悧塢が慌ててその言葉を否定する。
「そ、そんなっ、悧塢様なんて呼び方しないで? それに敬語なしで話したいって言ったのは珱じゃ……」
「悧塢様がいなかったら私は今頃死んでました。だからあなたは私の命の恩人なんです!」
「……珱、自分から約束しておいて破っちゃうなんて、ずるい……」
「!? そんな、私は…」
「私は珱と友達のままがいい……駄目かな?」
「(可愛い!!)駄目じゃないです!! 友達です!! 寧ろ親友だよ!!」
首を傾げて不安そうに見つめる悧塢に負けた珱は勢いよく首を横に振って彼女の隣に腰掛ける。
「でも、やっぱり恩は忘れたくないから、せめてさん付けは許して?」
「……うん、良かった……」
「私も、年が近い人って周りにあんまりいないから悧塢さんと親友だなんて嬉しすぎる」
「「え?」」
「?」
珱の発言のとある一言に綱吉と悧塢の声が重なる。悧塢はまだ固まっているが、先に我に返った綱吉は少女に問い掛けた。
「お前、こいつ何歳に見えてんの?」
「え、同い年くらい。あ、私は十七歳」
「………珱、私二十一だよ?」
「え!? 身長変わんないからてっきり……」
「……だから敬語なしって言ってたんだね……」
「え、あの、」
「……どーせ小さいですよーだ」
「!!?? 悧塢さんごめんなさいぃぃ!!!!」
「いいよ自覚はあったし……きっとすぐに珱にも追い抜かれるんだろーな……」
「ああ違います違うんですごめんなさいぃ!!!」
拗ねてそっぽを向いた悧塢の隣に腰掛けた綱吉が彼女を腕の中に閉じ込めるも、余程身長のことを気にしているのか抵抗は一切ない。
「ほら悧塢、機嫌直せよ」
「そんなんで私の機嫌直るとでも……」
「じゃあこうする」
突然綱吉の顔が近付き頬に触れた柔らかい何か。だが、悧塢にはその感触に覚えがあった。
「なっ!?」
「……! い、今っ!!!」
「そ。覚えてる? 前と同じ「わーーっ!!」」
「! 悧塢さんに何してんのよ!! つーか何したのよ!?」
「ん? キス」
「わーーっ!! 何言ってるんですか!!??」
「アンタ見た目がいいからって調子に乗ってんじゃないわよ!!」
「見た目関係ないだろ」
「っ、綱吉さんっもう離れてください……!」
「ちょっとボンゴレ! 悧塢さんに近付かないで!!」
「関係ねーだろうが。とっとと帰れ」
という経緯で冒頭に至るのだ。
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