第12章
紅い鴉の夢主の名前
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「なんで私一人の任務なのにボスが一緒なんですか?」
「お前の闘いっぷりを見させてもらおうかと」
「……一人のほうが楽なのに」
綱吉から仕事がまわってきて目的地に赴く最中、悧塢は何故か隣を歩く自らのボスに視線を向けた。本来ヒットマンに任せる任務にボスが同行するなど非常識ではあるのだが、如何せんこのボスは思いつきで予想だにしないことを口走る。今のこの状況も前日に突然『明日の仕事、俺も一緒に行くから』と言い出したことが発端だ。いつもながら唐突で横暴だが、ヒットマンとしては依頼主に逆らうわけにはいかない。だが、それはそれとして。
「ボス、手を繋ぐ理由が分かりません」
「えー、いいじゃんデートみたいで」
「仕事しに来たんですよ?」
「……固い奴」
「どうとでも」
「前にもやったよ、このやりとり」
繋がれた手が離されることはなく言葉を交わしながら街中を歩く。今回の目的地はイタリアのほぼ中央に位置する屋敷のため、移動するには必ず人目につくことになる。勿論その中に敵が潜んでいる可能性も高い。だからこそ悧塢は一人で仕事をしたかったのだがそれは受け入れられなかった。戦い方に汎用性が出るため早く匣が欲しいとは思うが口には出さず、右手に綱吉の温もりを感じながら目的地へと向かった。
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