Sweet pea
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アジトは森の深い場所にあった。
空の移動が終わり、羽のような植物は種に戻ってしまった。
ううむ、興味深い……。
植物の事はとっても興味があるし、そのうち教えてもらえるくらいには親しくなれるといいなあ。
しかしどうしたものかな。
妖力が戻るまでは新しい毒を取り込むのも無理そうだし、感知能力や治癒能力でも役に立てなさそうだ。
身体もこんな状態じゃ働けないし……。
「どうした、体調でもわるいのか?」
蔵馬……さんに運ばれながら沈んでいると体調が悪いと勘違いされたようだ。
「あ、いえ……仲間にしてもらえたのは良かったのだけれど……こんな調子じゃ今は役に立てそうにないなって思って。」
「別に今すぐ役に立てとは言わん。……その状態じゃ役に立つとは到底思えんしな。」
う……。
心に刺さるお言葉……。
「とにかく妖力を元に戻せ、話はそれからだ。」
「は、はい……。」
良かった……。
一応本調子に戻るまで様子見てくれるみたいだ。
「部屋はここを使え。」
そう言って部屋の椅子の上に降ろされた。
木造の簡素なベッドと背もたれの無い長椅子、そして膝くらいの高さの机が置いてあった。
この机、両手広げたくらいの面積あるなぁ……。
調合とかするのに丁度よさそう。
今まで机とかなくて床に広げて調合とかしてたからなあ。
「あの、我儘言っていいですか?」
「……程度にもよるな。」
「ここで薬とかの研究したいんですけど……。」
「……ほう?」
「蔵馬さんの薬で大抵のものは治せると思うんですけど、これから盗賊を続けていく上で未知の毒などで私の力が必要になってくる日もあると思うんです。」
「そんなヘマはしない、と言いたいところだが不測の事態は起こりえることだからな。仲間の事もある。」
「妖力が戻ってきたら毒の取り込みもしていきたいし……。」
「……お前のその能力、リスクはないのか。」
「リスク……取り込むのに相応の妖気を使うので自分の妖力以上に強いものを取り込むと死ぬかな……?だから今の自分の妖気量を把握した上で毒の強さも把握しないと……。」
「なるほどな、万能ではないわけだ。」
「う……はい……。」
しまった……。
妖力が元に戻ってもなんでも治せるわけじゃないって事がバレてしまった!
いや、自爆したんだけど!!
「フッ……別に固有能力が万能ではないからといって売りに出したりはしない……。お前の感知能力や治癒能力とやらも便利そうだからな。」
よ、よかった……。
深いため息をつくと蔵馬さんはクツクツと笑っていた。
笑い事じゃないよ、こっちは命かかってるんだから!
「固有能力の方もお前が強くなれば使える毒も増えるんだろう?ま、これからに期待しておいてやる。」
「は、はい。」
「研究の件は好きにしろ。植物の事はあいたときに教えてやる。」
「!!……ありがとうございます!」
最初は本当にどうなることかと思ったけれど……。
仲間として置いてもらえることになった上に自分の能力強化の話も聞いてもらえた。
その上、蔵馬さん直々に教えてくれるなんて。
身内に対しては意外と優しい……?
魔界の植物については母の残した資料くらいの知識しかない。
分からないことばかりだから吸収できるものはどんどん取り込んでいきたい。
とそこでふと思った。
研究するって言っても道具全部置いてきてる。
いきなり躓いた!!
妖力を戻すのに休養は大事だ。
どうせまだ足は動かせない。
でも一日中この部屋に閉じこもってたらひますぎる。
だから動かなくてもできて、それでいて意味のある事として研究を提案したんだ。
あれ?
出来なくない?
……蔵馬さんにお願い?
いやいや、無理でしょ。
先行投資が大きくなるほど命の危険を感じる。
気が変わったら売ってしまえばいいんだもの。
それだけでお金が増える。
どうすればいいの。
「嬉しそうに笑ったと思ったら急に絶望したような顔をする。見ていて飽きないが……何をそんなに百面相をしている?」
ヒェッ……
い、いらっしゃったの忘れておりましたわ。
「あ、いや、その……研究を認めてもらったのは良かったんですけど……。」
「……察するに材料や道具か、お前が前いた場所にあるのか?あそこには薬草の類が多かったと記憶しているが……。」
「はい、一応あの森特有の植物なんかもありますね……。」
「……興味はある、見がてらいってくるか。」
……ありがたや。
あの森に住んでてよかった。
ありがとうお母様……。
「このオレを使うんだ、今後それ相応の働きを期待している。」
「うっ!……は、早く力を戻して精進します……!!」
口の端を少し上げると美しいきつね様は部屋を出て行かれました。
お母様、もう少し生きられそうです……。
空の移動が終わり、羽のような植物は種に戻ってしまった。
ううむ、興味深い……。
植物の事はとっても興味があるし、そのうち教えてもらえるくらいには親しくなれるといいなあ。
しかしどうしたものかな。
妖力が戻るまでは新しい毒を取り込むのも無理そうだし、感知能力や治癒能力でも役に立てなさそうだ。
身体もこんな状態じゃ働けないし……。
「どうした、体調でもわるいのか?」
蔵馬……さんに運ばれながら沈んでいると体調が悪いと勘違いされたようだ。
「あ、いえ……仲間にしてもらえたのは良かったのだけれど……こんな調子じゃ今は役に立てそうにないなって思って。」
「別に今すぐ役に立てとは言わん。……その状態じゃ役に立つとは到底思えんしな。」
う……。
心に刺さるお言葉……。
「とにかく妖力を元に戻せ、話はそれからだ。」
「は、はい……。」
良かった……。
一応本調子に戻るまで様子見てくれるみたいだ。
「部屋はここを使え。」
そう言って部屋の椅子の上に降ろされた。
木造の簡素なベッドと背もたれの無い長椅子、そして膝くらいの高さの机が置いてあった。
この机、両手広げたくらいの面積あるなぁ……。
調合とかするのに丁度よさそう。
今まで机とかなくて床に広げて調合とかしてたからなあ。
「あの、我儘言っていいですか?」
「……程度にもよるな。」
「ここで薬とかの研究したいんですけど……。」
「……ほう?」
「蔵馬さんの薬で大抵のものは治せると思うんですけど、これから盗賊を続けていく上で未知の毒などで私の力が必要になってくる日もあると思うんです。」
「そんなヘマはしない、と言いたいところだが不測の事態は起こりえることだからな。仲間の事もある。」
「妖力が戻ってきたら毒の取り込みもしていきたいし……。」
「……お前のその能力、リスクはないのか。」
「リスク……取り込むのに相応の妖気を使うので自分の妖力以上に強いものを取り込むと死ぬかな……?だから今の自分の妖気量を把握した上で毒の強さも把握しないと……。」
「なるほどな、万能ではないわけだ。」
「う……はい……。」
しまった……。
妖力が元に戻ってもなんでも治せるわけじゃないって事がバレてしまった!
いや、自爆したんだけど!!
「フッ……別に固有能力が万能ではないからといって売りに出したりはしない……。お前の感知能力や治癒能力とやらも便利そうだからな。」
よ、よかった……。
深いため息をつくと蔵馬さんはクツクツと笑っていた。
笑い事じゃないよ、こっちは命かかってるんだから!
「固有能力の方もお前が強くなれば使える毒も増えるんだろう?ま、これからに期待しておいてやる。」
「は、はい。」
「研究の件は好きにしろ。植物の事はあいたときに教えてやる。」
「!!……ありがとうございます!」
最初は本当にどうなることかと思ったけれど……。
仲間として置いてもらえることになった上に自分の能力強化の話も聞いてもらえた。
その上、蔵馬さん直々に教えてくれるなんて。
身内に対しては意外と優しい……?
魔界の植物については母の残した資料くらいの知識しかない。
分からないことばかりだから吸収できるものはどんどん取り込んでいきたい。
とそこでふと思った。
研究するって言っても道具全部置いてきてる。
いきなり躓いた!!
妖力を戻すのに休養は大事だ。
どうせまだ足は動かせない。
でも一日中この部屋に閉じこもってたらひますぎる。
だから動かなくてもできて、それでいて意味のある事として研究を提案したんだ。
あれ?
出来なくない?
……蔵馬さんにお願い?
いやいや、無理でしょ。
先行投資が大きくなるほど命の危険を感じる。
気が変わったら売ってしまえばいいんだもの。
それだけでお金が増える。
どうすればいいの。
「嬉しそうに笑ったと思ったら急に絶望したような顔をする。見ていて飽きないが……何をそんなに百面相をしている?」
ヒェッ……
い、いらっしゃったの忘れておりましたわ。
「あ、いや、その……研究を認めてもらったのは良かったんですけど……。」
「……察するに材料や道具か、お前が前いた場所にあるのか?あそこには薬草の類が多かったと記憶しているが……。」
「はい、一応あの森特有の植物なんかもありますね……。」
「……興味はある、見がてらいってくるか。」
……ありがたや。
あの森に住んでてよかった。
ありがとうお母様……。
「このオレを使うんだ、今後それ相応の働きを期待している。」
「うっ!……は、早く力を戻して精進します……!!」
口の端を少し上げると美しいきつね様は部屋を出て行かれました。
お母様、もう少し生きられそうです……。