Sweet pea
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あなたはここに隠れてなさい!!
絶対に出てきてはダメよ!!
地下室の戸棚の後に外へ通じる横穴があるからそこから逃げなさい!!
お母様!!
凛、いい子だからちゃんと聞いて!
いや!まって!!
ハッ……
嫌な夢
私は吸血鬼の妖怪
名は凛
吸血鬼のなかでも珍しく血を主食にしない
飲まなくてもやっていける……
まあ、栄養の吸収効率が1番良いのは血だけれど
姿が美しい個体が多く
自分の能力を使って薬も毒も使いこなす
コレクターからの人気は高く、人間界でも良い値段がつくらしい
お母様は黒髪のとても美しい女性だった
能力で薬を作り小さな店を開いて売っていた
私が生まれて100年くらい、何処からか嗅ぎつけたハンターがお母様を攫うまではとても平和に過ごしていたのだ
あの日のことは今でも夢に見る
店が燃える中で地下室から私を逃がし、自ら捕まりに行ったお母様
どうなったか私は知らない
それからずっと1人だ
誰も信用なんてできない
もし捕まったらどうなるかわからないのだから
……こんな辺境の地に来るやつなんて居ないだろうけど
魔界の森の中で自給自足をしながら300年ほど住んでいる
葉が生い茂り暗く、地面は腐った葉が重なり滑りやすい……そんな森
隠れ住むにはちょうどいい
ここに落ち着くまでは色々大変だった
知識がないまま毒を取り込もうとして死にかけたこともある
妖気が強くなければ毒も取り込めないなんて誰も教えてくれなかったし……
どの毒がどれくらい妖気を必要とするなんて、もちろん知らないし……
そういうのって代々受け継がれていくものだから、お母様が居なくなった私は私のみで乗り切るしかなくて
死ななかったのは運が良かったとしか思えないな
ふぅ、水やりも終わったし今日はどの辺まで探索しよう?
300年この森に住んでいるけれど最初の100年は生きるのに必死で探索なんてしていられなかった
次の100年は1度家に帰って地下室の書物を持ち帰ってひたすら勉強した
文字は読めるようになったし薬草の知識もそれなりについた
そしてこの100年は探索と戦闘修行
特殊なのか妖力はこの100年で随分伸びた
そのおかげで強い毒も錬れるようになってきたんだけど
はっきり言って戦闘経験が無さすぎてきっとものすごく弱い
この薄暗い森には食妖植物なども生息しているけれどそんなに強くない種類ばかりで相手としては微妙
かといってオジギソウや危険な吸血植物なんか生えてても困るけども
いつかもっと強くなったら隠れて住まなくてもよくなる
そうしたらお母様や仲間を探したい
1人はやっぱり寂しい
お母様と一緒に居た時間が恋しい
少し泣きそうになって涙をこらえたところで感知能力が発動した
……!!
誰か森に入ってきた
私では到底かなわない強さの妖怪
……何が目的だろう?
妖気を消してみたものの
まっすぐ私の方に歩いてきている
どうしよう、逃げる?
でも何処へ?
……どうしよう
どうしよう
どうしよう!
とりあえず妖気と気配を消したまま移動してみよう
今まで気付かれずにやってきたんだもの大丈夫……!!
焦りから激しい動悸と息切れがする
冷や汗もでて手足の感覚もなくなっていく
足がもつれて転びそうになるが何とかこらえながら走る
深呼吸をしてできる限り気配を消す
拠点から少し離れた所にある洞窟へ身を隠す
落ち着いて感知能力で探るとすぐ近くまで来ていた
バレてる……!
そしてその妖怪は洞窟のまで来ると言葉を発した
「おい、……大人しく捕まれば手荒な事はしない、出てこい」
「……」
出てこいって言われて大人しく出ていくわけないでしょ!
長い沈黙が続いたが先に相手が口を開いた
「3つ数える、その間に出てこなければ問答無用で捕まえる……1……2」
えっ?
周りに気配を感じた時には既に遅く……
「3……時間切れだ」
突然伸びてきた植物が身体に巻き付き、ゴツゴツとした岩に擦りつけられながら洞窟の外へと引きずり出される
「い、いや!!」
「ほう?情報通りだったな」
引きずり出された目の前には銀色の綺麗な髪の
……恐ろしく冷たい目をした妖怪が立っていた
引きずられた箇所から血が出ているのを見て咄嗟に能力を使う
植物はジュッという音と共に一瞬にして溶けた
痛みをこらえて素早く立ち上がると間合いをとる
その銀色の妖怪は刺すような視線をよこすだけで動かなかった
絶対に出てきてはダメよ!!
地下室の戸棚の後に外へ通じる横穴があるからそこから逃げなさい!!
お母様!!
凛、いい子だからちゃんと聞いて!
いや!まって!!
ハッ……
嫌な夢
私は吸血鬼の妖怪
名は凛
吸血鬼のなかでも珍しく血を主食にしない
飲まなくてもやっていける……
まあ、栄養の吸収効率が1番良いのは血だけれど
姿が美しい個体が多く
自分の能力を使って薬も毒も使いこなす
コレクターからの人気は高く、人間界でも良い値段がつくらしい
お母様は黒髪のとても美しい女性だった
能力で薬を作り小さな店を開いて売っていた
私が生まれて100年くらい、何処からか嗅ぎつけたハンターがお母様を攫うまではとても平和に過ごしていたのだ
あの日のことは今でも夢に見る
店が燃える中で地下室から私を逃がし、自ら捕まりに行ったお母様
どうなったか私は知らない
それからずっと1人だ
誰も信用なんてできない
もし捕まったらどうなるかわからないのだから
……こんな辺境の地に来るやつなんて居ないだろうけど
魔界の森の中で自給自足をしながら300年ほど住んでいる
葉が生い茂り暗く、地面は腐った葉が重なり滑りやすい……そんな森
隠れ住むにはちょうどいい
ここに落ち着くまでは色々大変だった
知識がないまま毒を取り込もうとして死にかけたこともある
妖気が強くなければ毒も取り込めないなんて誰も教えてくれなかったし……
どの毒がどれくらい妖気を必要とするなんて、もちろん知らないし……
そういうのって代々受け継がれていくものだから、お母様が居なくなった私は私のみで乗り切るしかなくて
死ななかったのは運が良かったとしか思えないな
ふぅ、水やりも終わったし今日はどの辺まで探索しよう?
300年この森に住んでいるけれど最初の100年は生きるのに必死で探索なんてしていられなかった
次の100年は1度家に帰って地下室の書物を持ち帰ってひたすら勉強した
文字は読めるようになったし薬草の知識もそれなりについた
そしてこの100年は探索と戦闘修行
特殊なのか妖力はこの100年で随分伸びた
そのおかげで強い毒も錬れるようになってきたんだけど
はっきり言って戦闘経験が無さすぎてきっとものすごく弱い
この薄暗い森には食妖植物なども生息しているけれどそんなに強くない種類ばかりで相手としては微妙
かといってオジギソウや危険な吸血植物なんか生えてても困るけども
いつかもっと強くなったら隠れて住まなくてもよくなる
そうしたらお母様や仲間を探したい
1人はやっぱり寂しい
お母様と一緒に居た時間が恋しい
少し泣きそうになって涙をこらえたところで感知能力が発動した
……!!
誰か森に入ってきた
私では到底かなわない強さの妖怪
……何が目的だろう?
妖気を消してみたものの
まっすぐ私の方に歩いてきている
どうしよう、逃げる?
でも何処へ?
……どうしよう
どうしよう
どうしよう!
とりあえず妖気と気配を消したまま移動してみよう
今まで気付かれずにやってきたんだもの大丈夫……!!
焦りから激しい動悸と息切れがする
冷や汗もでて手足の感覚もなくなっていく
足がもつれて転びそうになるが何とかこらえながら走る
深呼吸をしてできる限り気配を消す
拠点から少し離れた所にある洞窟へ身を隠す
落ち着いて感知能力で探るとすぐ近くまで来ていた
バレてる……!
そしてその妖怪は洞窟のまで来ると言葉を発した
「おい、……大人しく捕まれば手荒な事はしない、出てこい」
「……」
出てこいって言われて大人しく出ていくわけないでしょ!
長い沈黙が続いたが先に相手が口を開いた
「3つ数える、その間に出てこなければ問答無用で捕まえる……1……2」
えっ?
周りに気配を感じた時には既に遅く……
「3……時間切れだ」
突然伸びてきた植物が身体に巻き付き、ゴツゴツとした岩に擦りつけられながら洞窟の外へと引きずり出される
「い、いや!!」
「ほう?情報通りだったな」
引きずり出された目の前には銀色の綺麗な髪の
……恐ろしく冷たい目をした妖怪が立っていた
引きずられた箇所から血が出ているのを見て咄嗟に能力を使う
植物はジュッという音と共に一瞬にして溶けた
痛みをこらえて素早く立ち上がると間合いをとる
その銀色の妖怪は刺すような視線をよこすだけで動かなかった
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