短編
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高校生になって半年経った。
初日で仲良くなれたさやかちゃんと廊下で話す。
視界の端で赤をとらえた。
振り返ると長い綺麗な赤い髪を揺らして歩いている男子生徒が見えた。
南野秀一くん。
容姿端麗 頭脳明晰 自主自立。
なんかパーフェクトな人。
初日から噂され、今やこの学校内で知らない人はいないのではないかというほどの人気っぷりである。
上級生も先生も一目置いている存在。
さやかちゃんの話も聞きつつ、ふと入学当時の事を思い出した。
「ねえねえ、知ってる?隣のクラスに凄くかっこいい男子がいるんだって!」
「そうなんだ?」
「うんうん、見に行ってみない!?」
「え、うん……わかった。」
さやかちゃんは結構ミーハーな所があるらしい。
私ならジロジロ見られるのは嫌だし放っておいて欲しいからあまり見に行きたくはないのだけれど。
せっかく仲良くなった友達の誘いだ、無下にはできない。
「うわ、思ったより人いるね。」
廊下に出てすぐ異様な光景が目に入った。
さやかちゃんはすかさずその光景の仲間入りをしたが、身長が低いほうなので教室の前に集まった人達で見えないようだ。
ぴょんぴょん飛び跳ねている。
私は5歩くらい下がったところでその様子を見ていた。
これみんな例の彼を見に来たのかな……。
感心しながら悪いと思いつつ私も興味が無いわけじゃなかったので前へ出た。
こういう時少し身長あると便利よね……。
少し背伸びをして集まっている女の子たちの上から覗く。
赤い髪、キレイな顔
これは騒がれるはずだ。
うちの制服は少し派手な唐紅色をしているのだけど、その色に負けない髪の色をしていた。
この学校に入るくらいなのだからヤンキーではないんだよね……。
まさかあれ地毛!?
なんて思っていたらおもむろに本から目を離しこちらを見てにこっとわらった。
その時、時が止まったのかと思うくらい何も聞こえないし、彼しか見えなくなった。
あの時恋に落ちたのだ。
「……まーた南野くんのこと考えてるでしょ!」
「!!」
「もー……、凛ちゃんがそうなる時ってだいたい南野くんのことだもんなー!」
「えー……ソンナコトナイデスヨオ?」
さやかちゃんのジト目に冷や汗をかきながら誤魔化すが、半年一緒にいればバレてしまっている。
……南野くんの事は好きだ。
だけどどうこうなりたい訳でもないのだ。
最近、南野くんと凄く親しげにしている女の子がいる。
可愛くて、男子の中でも密かに人気がある子。
一時期すごくお互いにギスギスしていたようなのだけれど、今は打ち解けたのか話しているのをよく見かける。
「ま、近づく努力もしなかったのに羨ましいと思うのはダメよね。」
「凛ちゃん……。」
「いいの、好きにはなったけど何となくあの2人って特別な感じするから……。」
さやかちゃんが心配そうに見ている。
イイなって思うけど、なんだろう?
私を見て!って感じではないんだよね。
アイドルみたいなものなのかな。
彼が幸せになればいい。
隣にいるのが私じゃなくても。
「なんか凛ちゃん、大人っぽくなった?」
「え?急に何?」
「わかんない、なんかそう思った!」
「変なの!」
チャイムがなって教室へ入ろうともう一度南野くんの方を見ると例の女の子と教室へ入るところだった。
チクリと胸が痛んだ。
初日で仲良くなれたさやかちゃんと廊下で話す。
視界の端で赤をとらえた。
振り返ると長い綺麗な赤い髪を揺らして歩いている男子生徒が見えた。
南野秀一くん。
容姿端麗 頭脳明晰 自主自立。
なんかパーフェクトな人。
初日から噂され、今やこの学校内で知らない人はいないのではないかというほどの人気っぷりである。
上級生も先生も一目置いている存在。
さやかちゃんの話も聞きつつ、ふと入学当時の事を思い出した。
「ねえねえ、知ってる?隣のクラスに凄くかっこいい男子がいるんだって!」
「そうなんだ?」
「うんうん、見に行ってみない!?」
「え、うん……わかった。」
さやかちゃんは結構ミーハーな所があるらしい。
私ならジロジロ見られるのは嫌だし放っておいて欲しいからあまり見に行きたくはないのだけれど。
せっかく仲良くなった友達の誘いだ、無下にはできない。
「うわ、思ったより人いるね。」
廊下に出てすぐ異様な光景が目に入った。
さやかちゃんはすかさずその光景の仲間入りをしたが、身長が低いほうなので教室の前に集まった人達で見えないようだ。
ぴょんぴょん飛び跳ねている。
私は5歩くらい下がったところでその様子を見ていた。
これみんな例の彼を見に来たのかな……。
感心しながら悪いと思いつつ私も興味が無いわけじゃなかったので前へ出た。
こういう時少し身長あると便利よね……。
少し背伸びをして集まっている女の子たちの上から覗く。
赤い髪、キレイな顔
これは騒がれるはずだ。
うちの制服は少し派手な唐紅色をしているのだけど、その色に負けない髪の色をしていた。
この学校に入るくらいなのだからヤンキーではないんだよね……。
まさかあれ地毛!?
なんて思っていたらおもむろに本から目を離しこちらを見てにこっとわらった。
その時、時が止まったのかと思うくらい何も聞こえないし、彼しか見えなくなった。
あの時恋に落ちたのだ。
「……まーた南野くんのこと考えてるでしょ!」
「!!」
「もー……、凛ちゃんがそうなる時ってだいたい南野くんのことだもんなー!」
「えー……ソンナコトナイデスヨオ?」
さやかちゃんのジト目に冷や汗をかきながら誤魔化すが、半年一緒にいればバレてしまっている。
……南野くんの事は好きだ。
だけどどうこうなりたい訳でもないのだ。
最近、南野くんと凄く親しげにしている女の子がいる。
可愛くて、男子の中でも密かに人気がある子。
一時期すごくお互いにギスギスしていたようなのだけれど、今は打ち解けたのか話しているのをよく見かける。
「ま、近づく努力もしなかったのに羨ましいと思うのはダメよね。」
「凛ちゃん……。」
「いいの、好きにはなったけど何となくあの2人って特別な感じするから……。」
さやかちゃんが心配そうに見ている。
イイなって思うけど、なんだろう?
私を見て!って感じではないんだよね。
アイドルみたいなものなのかな。
彼が幸せになればいい。
隣にいるのが私じゃなくても。
「なんか凛ちゃん、大人っぽくなった?」
「え?急に何?」
「わかんない、なんかそう思った!」
「変なの!」
チャイムがなって教室へ入ろうともう一度南野くんの方を見ると例の女の子と教室へ入るところだった。
チクリと胸が痛んだ。
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