Sweet pea
お名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「なんだ、黄泉にでも聞いたか?……おしゃべりな奴め」
「私……誰かに売られるの?」
「……知る必要はない、今日からお前はここに住め」
そういうと治療が終わったのかさっさと出ていってしまった
お母様から聞いていた
売られてしまった後の仲間がどういう仕打ちを受けていたか
お母様もきっと……
数日たった、と思う
窓もない暗い部屋、明かりを感じるのは食事を出される時くらいだ
妖力が戻らない
ご飯は出されるけれどあまり食欲がわかず、半分以上は残している
食べたって……未来が奴隷じゃ……
なんだか生きる気力が無くなっていく
最初の日以来、あの蔵馬?という銀色の妖怪は来ていない
3食出されるのでそれを考えると1週間は経ったと思う
この部屋にまた黄泉という妖怪が来た
「なんだ?痩せちまって見る影もねーな」
「……」
顔を上げて声の主を見るがなんだかどうでも良くて顔を下げる
近づいてくる気配がした
もう一度黄泉の方を見ると座って動かない私を見ていた
「ちっ……」
私を見下ろしてあまり反応が無いことにイラついているように見える
「まあ、反応がないならないでこっちとしてはやりやすいからいいけどな?」
手が頬に伸びてくる
気持ち悪い
そうは感じるものの抵抗する気が起きない
どうなってしまうんだろう
売られる前に奪われてしまうんだろうか
どこか他人事のように思う
頬から顎、首へと黄泉の手に触れられる
後頭部に手が添えられ顔が近づいてきた
「様子を見てこいと言っただけのはずだが?」
ドアが開き突き刺さるような妖気を感じる
割れたガラスのような、鋭い針のような……
自分に向けられた訳じゃないのに怖くて体が震える
「……悪かった、ちょっとした出来心だ」
黄泉を見上げると流石に焦ったのか狼狽えている
声のした方へ視線を向けると銀色の妖怪が壁に背中を預け、立っていた
「そいつは俺の獲物だ……ただの部下なら殺していたところだ、副総長」
近くまで来るとそう言って黄泉の肩に手を乗せた
一見なんともないように見えるが妖気は完全に威嚇している
「あ、ああ……悪かった……蔵馬」
黄泉は青ざめた顔で謝罪を口にすると足早に部屋を出て行った
蔵馬と呼ばれた銀色の妖怪は私の前にしゃがむと黄泉と同じように頬を撫でた
今度は不思議と嫌な感じはしなかった
「いない間にずいぶんと痩せたな、食事は出せと言っていたはずだが」
「……どうせ売られて奴隷になるんだもの、食欲なんてあるはずないでしょう?」
そういうと蔵馬は眉を寄せて考える素振りを見せた
「うっ……!」
「どうした」
少しの沈黙の後、キーンという耳鳴りがして頭痛がした
咄嗟に痛んだ頭を両手で抱えると数秒して感知能力が働いた
この場所に5匹の妖怪が向かってきている……?
「……今、ココに5匹の妖怪が向かっているけどお仲間?見張らなくたって私は逃げないし、逃げられない……」
「……何?ココを知っているのはさっきの黄泉と給仕係のやつだけだが……嗅ぎつけられたか」
仲間じゃない……?
ちょっとした希望が湧いたが今もしこの蔵馬が負けたとしても私は逃げられない
少し妖力が戻って感知能力は働いたけど毒を錬れるほどではない
……今はここに閉じ込められているだけだけれど別の妖怪に捕まればもっと酷い仕打ちを受けてもおかしくない
それこそ、さっきみたいな……
蔵馬が来なかったら……、あのあと起こったであろう出来事を思うと体が震えた
さっきまでどうでもいいって思っていたのに……
今は心底何も無かったことに安堵している
考えているうちに蔵馬は立ち上がって部屋を出ていってしまった
「私……誰かに売られるの?」
「……知る必要はない、今日からお前はここに住め」
そういうと治療が終わったのかさっさと出ていってしまった
お母様から聞いていた
売られてしまった後の仲間がどういう仕打ちを受けていたか
お母様もきっと……
数日たった、と思う
窓もない暗い部屋、明かりを感じるのは食事を出される時くらいだ
妖力が戻らない
ご飯は出されるけれどあまり食欲がわかず、半分以上は残している
食べたって……未来が奴隷じゃ……
なんだか生きる気力が無くなっていく
最初の日以来、あの蔵馬?という銀色の妖怪は来ていない
3食出されるのでそれを考えると1週間は経ったと思う
この部屋にまた黄泉という妖怪が来た
「なんだ?痩せちまって見る影もねーな」
「……」
顔を上げて声の主を見るがなんだかどうでも良くて顔を下げる
近づいてくる気配がした
もう一度黄泉の方を見ると座って動かない私を見ていた
「ちっ……」
私を見下ろしてあまり反応が無いことにイラついているように見える
「まあ、反応がないならないでこっちとしてはやりやすいからいいけどな?」
手が頬に伸びてくる
気持ち悪い
そうは感じるものの抵抗する気が起きない
どうなってしまうんだろう
売られる前に奪われてしまうんだろうか
どこか他人事のように思う
頬から顎、首へと黄泉の手に触れられる
後頭部に手が添えられ顔が近づいてきた
「様子を見てこいと言っただけのはずだが?」
ドアが開き突き刺さるような妖気を感じる
割れたガラスのような、鋭い針のような……
自分に向けられた訳じゃないのに怖くて体が震える
「……悪かった、ちょっとした出来心だ」
黄泉を見上げると流石に焦ったのか狼狽えている
声のした方へ視線を向けると銀色の妖怪が壁に背中を預け、立っていた
「そいつは俺の獲物だ……ただの部下なら殺していたところだ、副総長」
近くまで来るとそう言って黄泉の肩に手を乗せた
一見なんともないように見えるが妖気は完全に威嚇している
「あ、ああ……悪かった……蔵馬」
黄泉は青ざめた顔で謝罪を口にすると足早に部屋を出て行った
蔵馬と呼ばれた銀色の妖怪は私の前にしゃがむと黄泉と同じように頬を撫でた
今度は不思議と嫌な感じはしなかった
「いない間にずいぶんと痩せたな、食事は出せと言っていたはずだが」
「……どうせ売られて奴隷になるんだもの、食欲なんてあるはずないでしょう?」
そういうと蔵馬は眉を寄せて考える素振りを見せた
「うっ……!」
「どうした」
少しの沈黙の後、キーンという耳鳴りがして頭痛がした
咄嗟に痛んだ頭を両手で抱えると数秒して感知能力が働いた
この場所に5匹の妖怪が向かってきている……?
「……今、ココに5匹の妖怪が向かっているけどお仲間?見張らなくたって私は逃げないし、逃げられない……」
「……何?ココを知っているのはさっきの黄泉と給仕係のやつだけだが……嗅ぎつけられたか」
仲間じゃない……?
ちょっとした希望が湧いたが今もしこの蔵馬が負けたとしても私は逃げられない
少し妖力が戻って感知能力は働いたけど毒を錬れるほどではない
……今はここに閉じ込められているだけだけれど別の妖怪に捕まればもっと酷い仕打ちを受けてもおかしくない
それこそ、さっきみたいな……
蔵馬が来なかったら……、あのあと起こったであろう出来事を思うと体が震えた
さっきまでどうでもいいって思っていたのに……
今は心底何も無かったことに安堵している
考えているうちに蔵馬は立ち上がって部屋を出ていってしまった