再会編
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信じられない事に蔵馬と再会した。
死ぬか生きるかの瀬戸際だったのに嬉しい誤算だ。
まさかクラスメイトの南野くんが蔵馬だったなんて。
まだ少し夢なのではと思ってしまう。
自分の現状を話す中で一族の中では特殊だった事も打ち明けた。
特殊と言っても他の仲間にはない、少しの治癒能力と仲間の中でも妖力が高いというだけなのだけど。
でも彼は特殊だと薄々気づいていたようで特に驚きはしなかった。
調べた中では傷を塞いだりする治癒能力があるだなんてありませんでしたから、彼らの中でも特殊なんだろうとは思っていましたよ。
なんて言われてしまった。
元は妖怪だとか。
妖気をコントロールできなくなってきたとか。
そんなこと誰にも相談できない。
どうしようもできないから諦めてた。
いろいろと押し込んで溜めてたみたい。
解決はしていないけれど少しすっきりしている。
こんなにも心が軽いし景色も綺麗に見える。
学校に近づくと緋色の綺麗な髪が見えた。
蔵馬だ……。
つい考えてた人が見えて嬉しくなって駆け寄り挨拶をした。
「おはよう、南野くん。」
「おはようございます、藍田さん。」
学校ではあまり目立ちたくないので今まで通りという事にした。
蔵馬なんて呼んだらおかしいものね。
3限目が終わったところで秋にしてはぽかぽかした陽気にうとうとしていると蔵馬が目の前にいた。
「とても眠たそうですね?」
「昨日の出来事が嬉しすぎてあまり寝られなかったの。」
昨日は本当に興奮して眠りにつくのが遅くなってしまった。
それに加えてこの陽気。
しかたないよね。
一瞬きょとんとした顔をしたけれど意味がわかったのか目を細めて笑った。
くっ……美人の笑顔の破壊力……!!
「そういう事にしておきましょうか。」
「本当の事なのに。」
口を尖らせ眉間に皺を寄せてアピールしたが華麗にスルーされた。
「昨日の話の仮説と対処についてお話があるので昼休みに生物部が使っている教室まで来てください。」
断る理由もなく自分自身も知りたい事なので、ふたつ返事で了承すると自分の席へ戻った。
昼休みになりお弁当を持ち、蔵馬が教室を出たのを見計らって生物部へ向かう。
一緒に行って女の子に目を付けられるのは嫌だものね。
学校でも平和に過ごしたい。
確かこの辺の教室だったような……?
あった、ここが噂の生物部。
ノックして両手でドアを開け覗き込むと蔵馬しかいなかった。
「いらっしゃい。」
「お邪魔します。」
「こちらへどうぞ。」
指定された場所に座ると蔵馬向かい側に座り話が始まった。
蔵馬の仮説……。
吸血鬼の中では特殊だった私の身体。
人間の受精体と憑依合体したけれど完全に融合できていないのではないか。
そのせいで元々人間には無いはずの妖気が上手くコントロールできていないのではないか。
元々の妖気量が多い関係で余計にコントロールが難しくなっているのではないか。
「一応こんなところかな。」
ひと通り話して蔵馬は私を見た。
綺麗なエメラルド色の瞳に吸い込まれそうだ。
私はたてられた仮説を目を閉じて頭に浮かべる。
「なるほど……。蔵馬と違って上手くこの体と融合出来てないかもしれないんだね。」
「ええ。」
「えっと、危なかったりするかな。」
「そうですね……考えたくはないですけど、このまま妖気が強くなって漏れたままでは霊界が出てきて処分される可能性があります。」
霊界に処分される……?
衝撃的な内容にゴクリとのどが鳴った。
蔵馬と対峙した時の様に緊張で手先が冷たくなるのを感じ、足が震える。
座っているため崩れることはないけれど。
不安になり蔵馬を見つめると彼はハッとして話し出した。
「すみません、不安にさせてしまいましたね……。そうならないようにするために鍛えて妖気と身体を馴染ませられれば回避できるとオレはそう思っています。」
もちろんその為の協力はおしまないつもりですよ。
蔵馬はそう付け足した。
死ぬか生きるかの瀬戸際だったのに嬉しい誤算だ。
まさかクラスメイトの南野くんが蔵馬だったなんて。
まだ少し夢なのではと思ってしまう。
自分の現状を話す中で一族の中では特殊だった事も打ち明けた。
特殊と言っても他の仲間にはない、少しの治癒能力と仲間の中でも妖力が高いというだけなのだけど。
でも彼は特殊だと薄々気づいていたようで特に驚きはしなかった。
調べた中では傷を塞いだりする治癒能力があるだなんてありませんでしたから、彼らの中でも特殊なんだろうとは思っていましたよ。
なんて言われてしまった。
元は妖怪だとか。
妖気をコントロールできなくなってきたとか。
そんなこと誰にも相談できない。
どうしようもできないから諦めてた。
いろいろと押し込んで溜めてたみたい。
解決はしていないけれど少しすっきりしている。
こんなにも心が軽いし景色も綺麗に見える。
学校に近づくと緋色の綺麗な髪が見えた。
蔵馬だ……。
つい考えてた人が見えて嬉しくなって駆け寄り挨拶をした。
「おはよう、南野くん。」
「おはようございます、藍田さん。」
学校ではあまり目立ちたくないので今まで通りという事にした。
蔵馬なんて呼んだらおかしいものね。
3限目が終わったところで秋にしてはぽかぽかした陽気にうとうとしていると蔵馬が目の前にいた。
「とても眠たそうですね?」
「昨日の出来事が嬉しすぎてあまり寝られなかったの。」
昨日は本当に興奮して眠りにつくのが遅くなってしまった。
それに加えてこの陽気。
しかたないよね。
一瞬きょとんとした顔をしたけれど意味がわかったのか目を細めて笑った。
くっ……美人の笑顔の破壊力……!!
「そういう事にしておきましょうか。」
「本当の事なのに。」
口を尖らせ眉間に皺を寄せてアピールしたが華麗にスルーされた。
「昨日の話の仮説と対処についてお話があるので昼休みに生物部が使っている教室まで来てください。」
断る理由もなく自分自身も知りたい事なので、ふたつ返事で了承すると自分の席へ戻った。
昼休みになりお弁当を持ち、蔵馬が教室を出たのを見計らって生物部へ向かう。
一緒に行って女の子に目を付けられるのは嫌だものね。
学校でも平和に過ごしたい。
確かこの辺の教室だったような……?
あった、ここが噂の生物部。
ノックして両手でドアを開け覗き込むと蔵馬しかいなかった。
「いらっしゃい。」
「お邪魔します。」
「こちらへどうぞ。」
指定された場所に座ると蔵馬向かい側に座り話が始まった。
蔵馬の仮説……。
吸血鬼の中では特殊だった私の身体。
人間の受精体と憑依合体したけれど完全に融合できていないのではないか。
そのせいで元々人間には無いはずの妖気が上手くコントロールできていないのではないか。
元々の妖気量が多い関係で余計にコントロールが難しくなっているのではないか。
「一応こんなところかな。」
ひと通り話して蔵馬は私を見た。
綺麗なエメラルド色の瞳に吸い込まれそうだ。
私はたてられた仮説を目を閉じて頭に浮かべる。
「なるほど……。蔵馬と違って上手くこの体と融合出来てないかもしれないんだね。」
「ええ。」
「えっと、危なかったりするかな。」
「そうですね……考えたくはないですけど、このまま妖気が強くなって漏れたままでは霊界が出てきて処分される可能性があります。」
霊界に処分される……?
衝撃的な内容にゴクリとのどが鳴った。
蔵馬と対峙した時の様に緊張で手先が冷たくなるのを感じ、足が震える。
座っているため崩れることはないけれど。
不安になり蔵馬を見つめると彼はハッとして話し出した。
「すみません、不安にさせてしまいましたね……。そうならないようにするために鍛えて妖気と身体を馴染ませられれば回避できるとオレはそう思っています。」
もちろんその為の協力はおしまないつもりですよ。
蔵馬はそう付け足した。