再会編
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彼女と別れたあと真っ直ぐ家に帰り、自室で思い返す。
すごく驚いたが同時にとても嬉しいと感じた。
「私は……元吸血鬼の妖怪凛、妖狐蔵馬の専属医だった。」
まさか彼女が魔界においてきた友人だとは思ってもみなかった。
人間と憑依合体したせいか妖気の質が変わって彼女だと認識できなかった。
彼女もオレ自身が蔵馬だという事はわかっていないようだった。
魔界での唯一の心残り。
凛という妖怪を置いてきた事。
守ってやらねばと初めて思った存在。
吸血鬼はとても珍しく非常に価値があった。
その為、裏ではとても高値で取引されている。
当時のオレは気になってあらゆる情報を集めて探した。
そして1人で隠れ住んでいた彼女を見つけた。
さっさと自分のアジトへ連れて帰る為に捕まえようとしたのだが、思った以上に強い毒を使って攻撃してきた。
体術は相手にならなかったが魔界の酸にも引けを取らない毒を纏っていたため拘束が難しく長期戦になった。
持久戦ではオレに分があったため徐々に出血で弱り捕まえることができた。
妖気で毒を練るため意識がなくなると普通の血に戻るらしいこともその時分かった。
名をあげるために盗賊をしていたのだからすぐに売り飛ばす気でいたのだが、手当しつつ彼女と話すうちに手放すのが惜しくなり結果医者としてそばに置く事にした。
大抵の傷であれば自分で治せるのだが、やはり毒や病となると話は別だ
魔界には人間界では想像出来ないような毒や病が沢山ある。
それを治癒出来るのは彼女のような特殊な種族でないと無理なのだ。
そして凛は種族の中でも特殊だったようで治療に関しては優れていた。
今の凛にどれだけの力があるか分からないが、抑えが効かなくなっているところを見ると人間の器ではかなり無理があるところまできているのだろう。
特殊な能力を扱うにはそれなりの妖力と器がいる。
しかし凛は器の方が付いてきていないようだ。
このままでは身体に負担がかかりすぎる……。
早いところなんとかしなければならない。
一難去ってまた一難、か。
凛が計画を邪魔するような存在でないことが分かったのはよかったが、凛の身体のことをどうするかという問題が出てきた。
彼女が凛だという事が分かった時、母さんに力を使ってもらうことを考えた。
しかし今の身体で力を使えば力が暴走する可能性もある。
とてもじゃないが使える状態ではないだろう。
ならばやはり鏡を使うしかない。
オレが鏡を盗んで実行するまでにどうにかして力をコントロールする術を身につけさせなければならない。
また凛を置いて行くのは心苦しいがコントロールさえできればここは人間界、あの時より安全ではある。
凛、すまない。
オレはあの人を助けたい。
しかしあまりにも時間がなさすぎる。
平和とはいえ霊界の管轄。
このまま力が強くなれば当然黙っていないだろう。
もしかしたらオレの時のように特防隊が出てくるかもしれない。
……力のコントロールさえ何とかなれば。
気の扱いに長けていた凛がどうしていいかわからない状態なのはまずい。
そこまで考えてため息をつく。
いつからこんなに人の事を考えるようになったのか。
人間として生きた時間は妖怪だったころに比べたらほんの少しの時間のはずなのに。
思わず苦笑が漏れた。
今回も最後まで一緒にいることは叶わない。
だからどこまでやれるか分からないが凛にしてやれることはやっていこう。
計画実行まで……。
暗い部屋のベッドに腰かけ大きなため息をついた。
すごく驚いたが同時にとても嬉しいと感じた。
「私は……元吸血鬼の妖怪凛、妖狐蔵馬の専属医だった。」
まさか彼女が魔界においてきた友人だとは思ってもみなかった。
人間と憑依合体したせいか妖気の質が変わって彼女だと認識できなかった。
彼女もオレ自身が蔵馬だという事はわかっていないようだった。
魔界での唯一の心残り。
凛という妖怪を置いてきた事。
守ってやらねばと初めて思った存在。
吸血鬼はとても珍しく非常に価値があった。
その為、裏ではとても高値で取引されている。
当時のオレは気になってあらゆる情報を集めて探した。
そして1人で隠れ住んでいた彼女を見つけた。
さっさと自分のアジトへ連れて帰る為に捕まえようとしたのだが、思った以上に強い毒を使って攻撃してきた。
体術は相手にならなかったが魔界の酸にも引けを取らない毒を纏っていたため拘束が難しく長期戦になった。
持久戦ではオレに分があったため徐々に出血で弱り捕まえることができた。
妖気で毒を練るため意識がなくなると普通の血に戻るらしいこともその時分かった。
名をあげるために盗賊をしていたのだからすぐに売り飛ばす気でいたのだが、手当しつつ彼女と話すうちに手放すのが惜しくなり結果医者としてそばに置く事にした。
大抵の傷であれば自分で治せるのだが、やはり毒や病となると話は別だ
魔界には人間界では想像出来ないような毒や病が沢山ある。
それを治癒出来るのは彼女のような特殊な種族でないと無理なのだ。
そして凛は種族の中でも特殊だったようで治療に関しては優れていた。
今の凛にどれだけの力があるか分からないが、抑えが効かなくなっているところを見ると人間の器ではかなり無理があるところまできているのだろう。
特殊な能力を扱うにはそれなりの妖力と器がいる。
しかし凛は器の方が付いてきていないようだ。
このままでは身体に負担がかかりすぎる……。
早いところなんとかしなければならない。
一難去ってまた一難、か。
凛が計画を邪魔するような存在でないことが分かったのはよかったが、凛の身体のことをどうするかという問題が出てきた。
彼女が凛だという事が分かった時、母さんに力を使ってもらうことを考えた。
しかし今の身体で力を使えば力が暴走する可能性もある。
とてもじゃないが使える状態ではないだろう。
ならばやはり鏡を使うしかない。
オレが鏡を盗んで実行するまでにどうにかして力をコントロールする術を身につけさせなければならない。
また凛を置いて行くのは心苦しいがコントロールさえできればここは人間界、あの時より安全ではある。
凛、すまない。
オレはあの人を助けたい。
しかしあまりにも時間がなさすぎる。
平和とはいえ霊界の管轄。
このまま力が強くなれば当然黙っていないだろう。
もしかしたらオレの時のように特防隊が出てくるかもしれない。
……力のコントロールさえ何とかなれば。
気の扱いに長けていた凛がどうしていいかわからない状態なのはまずい。
そこまで考えてため息をつく。
いつからこんなに人の事を考えるようになったのか。
人間として生きた時間は妖怪だったころに比べたらほんの少しの時間のはずなのに。
思わず苦笑が漏れた。
今回も最後まで一緒にいることは叶わない。
だからどこまでやれるか分からないが凛にしてやれることはやっていこう。
計画実行まで……。
暗い部屋のベッドに腰かけ大きなため息をついた。