再会編
お名前
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凛、名前は同じなんですね。
彼はそう言った。
そして自分も霊界の追っ手に深手を負わされ人間界に来たのだと話した。
今は母親のもとで暮らしているらしいことも話してくれた。
なんだか信じられない気分だ。
あの蔵馬が人間界にいて人と暮らしているなんて。
「えっと、私の事は信じてくれたの?」
「……そうですね、信じられないほどびっくりする話ですが魔界での事はオレたちしか知らないはずですからね。」
警戒を解いたらしい蔵馬は昔より柔らかい雰囲気で笑った。
人間界にきて変わったんだな……。
笑うことはあったけれどこんな風に柔らかく笑わなかった。
今の家族のおかげなんだろうか。
極度の緊張状態から解き放たれたからか足に力が入らなくなり、ストンと座り込む。
「大丈夫ですか!?」
「うん、なんかここで死ぬんじゃないかって緊張してたから……。大丈夫そうで安心して力抜けちゃったみたい。」
へらりと笑って驚いている蔵馬に言葉を返すと少し申し訳なさそうな顔で立てますか?と問われた。
その問いに首を横に振ると、彼は一瞬考えたそぶりをして私を持ち上げた。
「え、ちょっと蔵馬!?」
「すみません、そこのベンチまで失礼しますね。」
突然のお姫様抱っこにわたわたと慌てていると近くのベンチに降ろされた。
今絶対顔、赤い。
魔界では怪我をして運ばれる時はそうされていたから慣れているはずなのに。
見た目が違うからなのか、今まで南野秀一として接していたからなのか恥ずかしくてしょうがない。
「その、信じてくれてありがとう……。」
「話を聞いたうえでもまだ信じられない思いではありますが、聞く限りあなたはあの凛で間違いなさそうですから。」
「そっか……。でも本当に驚いたよ?蔵馬は魔界にいるもんだと思ってたから。」
「オレだってこれでも心配していたんですよ?能力は別としてキミはあまり強くなかったんです。心残りではありました。」
そう、毒や病を使って戦えるものの身のこなしはいいとは言えなかった。
戦う力は欲しかったけれど蔵馬に稽古を頼めるはずもなく……。
「心配してくれてたの?かなり驚きなのだけれど。」
「やだな、友人くらいには思っていたつもりなんですけどね?キミはそうじゃなかったみたいだ。」
少し不機嫌そうにいうと隣に座った。
え、ええ?
今更ながら凄く嬉しい言葉をもらったのでは?
彼の支えになりたい。
対等になりたい。
そういう想いはずっとあったのだ。
「蔵馬にとって、気の置ける友人になりたいってずっと思ってたよ。」
そういうと彼は私を見て眉を下げて言った。
「オレはそのつもりだったんですけどね。」
「……!そっか、嬉しいな!その、汲み取れなくてごめんなさい……。えっと、……改めてこっちでももう一度よろしくお願いします!」
「……。」
「だ、だめ?」
間があり不安になっていると彼はふっと面白そうに笑った。
「あなたさえ良ければ。そうですね、あの頃のように凛と呼んでも?」
「もちろん!なんだか夢みたい、蔵馬に会えた事も友人としていられることも!もう会えないんだって思ってたから。」
蔵馬ははしゃぐ私を見てクスクスと笑っていた。
「なんだか、変わりましたね?魔界で出会った時は全てを諦めた顔をしていたのに。」
「む、否定はできないけど、でも変わったのは蔵馬もじゃないかな?凄く柔らかくなったみたい。」
「そうですか?……そうかもしれませんね、ここに、人間界にきてたった15年ですがいろいろありましたからね。」
「そのうち教えてね?私は魔界で過ごしていた時間の大半を蔵馬のアジトで過ごしたから蔵馬の事を少し知った気でいたけど……。考えてみたらなんか知らないことばかりで少し悔しいな。」
少し拗ねた私を見て彼はまた笑った。
南野秀一の肉体が美人さんだからコレは眼福ですね。
元の蔵馬もとってもかっこ良かったけれど。
「若いとは思っていましたけど凛は魔界で生まれたばかりだったんです?」
思考を飛ばしていると蔵馬に質問された。
危ない、最近考える事増えてすぐにどっか飛ばしてしまうな。
「魔界の中では産まれたばかりの部類にはいるんじゃないかな?蔵馬に会うまで散々な人生だったとは思うけど。」
あった後もだいぶいろんな目には合ったけどあれは自分が悪かったのもあるからな……。
「話したいことはたくさんありますが、とりあえず今日のところは帰りましょう。暗くなってきたことですしね。立てそうですか?」
空はうっすら暗くなり、ピンクとネイビーのグラデーションに星がちらほら見え始めていて綺麗だった。
足に力を入れると普通に立ち上がれた。
「うん。大丈夫そう。」
「送りますよ。」
「ありがとう。」
そうして私の話をしながら近くまで送ってもらった。
「では。」
「うん、また明日。」
話した後でもまだ信じられない気持ちで彼の背が見えなくなるまで見送った。
彼はそう言った。
そして自分も霊界の追っ手に深手を負わされ人間界に来たのだと話した。
今は母親のもとで暮らしているらしいことも話してくれた。
なんだか信じられない気分だ。
あの蔵馬が人間界にいて人と暮らしているなんて。
「えっと、私の事は信じてくれたの?」
「……そうですね、信じられないほどびっくりする話ですが魔界での事はオレたちしか知らないはずですからね。」
警戒を解いたらしい蔵馬は昔より柔らかい雰囲気で笑った。
人間界にきて変わったんだな……。
笑うことはあったけれどこんな風に柔らかく笑わなかった。
今の家族のおかげなんだろうか。
極度の緊張状態から解き放たれたからか足に力が入らなくなり、ストンと座り込む。
「大丈夫ですか!?」
「うん、なんかここで死ぬんじゃないかって緊張してたから……。大丈夫そうで安心して力抜けちゃったみたい。」
へらりと笑って驚いている蔵馬に言葉を返すと少し申し訳なさそうな顔で立てますか?と問われた。
その問いに首を横に振ると、彼は一瞬考えたそぶりをして私を持ち上げた。
「え、ちょっと蔵馬!?」
「すみません、そこのベンチまで失礼しますね。」
突然のお姫様抱っこにわたわたと慌てていると近くのベンチに降ろされた。
今絶対顔、赤い。
魔界では怪我をして運ばれる時はそうされていたから慣れているはずなのに。
見た目が違うからなのか、今まで南野秀一として接していたからなのか恥ずかしくてしょうがない。
「その、信じてくれてありがとう……。」
「話を聞いたうえでもまだ信じられない思いではありますが、聞く限りあなたはあの凛で間違いなさそうですから。」
「そっか……。でも本当に驚いたよ?蔵馬は魔界にいるもんだと思ってたから。」
「オレだってこれでも心配していたんですよ?能力は別としてキミはあまり強くなかったんです。心残りではありました。」
そう、毒や病を使って戦えるものの身のこなしはいいとは言えなかった。
戦う力は欲しかったけれど蔵馬に稽古を頼めるはずもなく……。
「心配してくれてたの?かなり驚きなのだけれど。」
「やだな、友人くらいには思っていたつもりなんですけどね?キミはそうじゃなかったみたいだ。」
少し不機嫌そうにいうと隣に座った。
え、ええ?
今更ながら凄く嬉しい言葉をもらったのでは?
彼の支えになりたい。
対等になりたい。
そういう想いはずっとあったのだ。
「蔵馬にとって、気の置ける友人になりたいってずっと思ってたよ。」
そういうと彼は私を見て眉を下げて言った。
「オレはそのつもりだったんですけどね。」
「……!そっか、嬉しいな!その、汲み取れなくてごめんなさい……。えっと、……改めてこっちでももう一度よろしくお願いします!」
「……。」
「だ、だめ?」
間があり不安になっていると彼はふっと面白そうに笑った。
「あなたさえ良ければ。そうですね、あの頃のように凛と呼んでも?」
「もちろん!なんだか夢みたい、蔵馬に会えた事も友人としていられることも!もう会えないんだって思ってたから。」
蔵馬ははしゃぐ私を見てクスクスと笑っていた。
「なんだか、変わりましたね?魔界で出会った時は全てを諦めた顔をしていたのに。」
「む、否定はできないけど、でも変わったのは蔵馬もじゃないかな?凄く柔らかくなったみたい。」
「そうですか?……そうかもしれませんね、ここに、人間界にきてたった15年ですがいろいろありましたからね。」
「そのうち教えてね?私は魔界で過ごしていた時間の大半を蔵馬のアジトで過ごしたから蔵馬の事を少し知った気でいたけど……。考えてみたらなんか知らないことばかりで少し悔しいな。」
少し拗ねた私を見て彼はまた笑った。
南野秀一の肉体が美人さんだからコレは眼福ですね。
元の蔵馬もとってもかっこ良かったけれど。
「若いとは思っていましたけど凛は魔界で生まれたばかりだったんです?」
思考を飛ばしていると蔵馬に質問された。
危ない、最近考える事増えてすぐにどっか飛ばしてしまうな。
「魔界の中では産まれたばかりの部類にはいるんじゃないかな?蔵馬に会うまで散々な人生だったとは思うけど。」
あった後もだいぶいろんな目には合ったけどあれは自分が悪かったのもあるからな……。
「話したいことはたくさんありますが、とりあえず今日のところは帰りましょう。暗くなってきたことですしね。立てそうですか?」
空はうっすら暗くなり、ピンクとネイビーのグラデーションに星がちらほら見え始めていて綺麗だった。
足に力を入れると普通に立ち上がれた。
「うん。大丈夫そう。」
「送りますよ。」
「ありがとう。」
そうして私の話をしながら近くまで送ってもらった。
「では。」
「うん、また明日。」
話した後でもまだ信じられない気持ちで彼の背が見えなくなるまで見送った。