暗黒武術会編
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外には出られずベッドの上で過ごしはじめて何日経っただろう。
最近は凄く体が怠くてあまり起きていられなくなってきている。
妖力が足りなくて修行のためにつけてる術が体を縛る。
解除したところで妖力が戻ることはないからそのままにしているけど足も手も自由に動かせないのはさすがにきつい。
調子が悪い。
……妖力が回復できなくて体を維持するためなのか人間の姿に戻れなくなってしまった。
最初は凄く不安定で妖怪の姿だったり、人間の姿だったりしていたのに。
戻ってしまった黒髪をいじりながら部屋を見渡す。
変わらない質のいい部屋にため息が出る。
元々、魂の定着が不安定だったから余計に負担がかかっているのかもしれない。
数日前のことも原因だろう。
ーーーーー
3日前
「やあ、お嬢さん。そういえばキミは毒を取り込める妖怪だったね?」
「だったらなんなんですか。毒に耐性があるだけで他には何もないですよ。」
「……ココに人間界の毒蛇の毒がある。」
男、左京というらしいが……彼の手には小さな小瓶が握られていた。
人差し指と親指で私に見えるように摘むとにっこりと笑って注射器にうつした。
透明な液体は注射器の半分くらいでとまった。
「これは人間の致死量の10倍だ。さて、君はどうなるかな?初日に言ったように私は君の容姿を気に入っている。死なせたくはないのでね、何かあるなら早めに言ってもらいのだが。」
あの毒、本物……?
人間の致死量の10倍……。
人間界のものでもこんな状態では厳しい。
「……そんなものを私に使って何を試そうっていうんです?」
「以前あるうわさを聞いてね。裏では結構有名な話なのだが……。美しい吸血鬼の姿をした大変珍しい種族がいると。」
「……。」
「その種族はあらゆる毒をあやつり、薬を作れるという。……毒を操り本当の姿は美しい吸血鬼の姿をしている。可能性はあるだろう?」
「……なるほど。」
……私たちの事を知ってる。
でもそれを確かめる術はないのよ。
「流石裏の人間ですね、でもだったらどうだっていうんです?私がその妖怪だったとしても、協力しない。それに私、彼らが出る大会の優勝商品でもあるのでしょう?」
「くっく……。何を警戒しているのかはわかる。ただの興味だ、他の連中みたいに暴力をふるって楽しむ趣味はない。それに言っただろう?私は君の容姿を気に入っている。……だが商品の価値を調べるためにもこれは必要なことでね。」
何この人……?
垂金のような人間じゃない。
全然何が目的なのか読めない。
瞳に宿るのは底知れない闇。
ぞっとするような深い深い純粋な闇。
「この目で見たくてね。本当にこの量の毒に耐えられるのかどうか。」
「……好きにすれば。」
左京はベッドに近づいてきて縁に座る。
ふかふかの布団に彼が少し沈む。
彼を殺せば逃げられるだろうか。
彼が普通に歩いているということは床の電気も切ってある?
この距離なら、人間である彼なら……。
「変な気はおこさない方がいい、この距離なら何かする前に対処できる。それにその術式、呪霊錠に似ている……動きたくても動けないだろう?」
「!?」
すぐ後ろから戸愚呂の声が聞こえた。
いつの間にかベッドの横まで来ていたみたいだ。
覚悟を、するしかないのか。
「……私は毒に対して妖力で対抗する。もし本当に試したいだけなら……。私も死にたくない、危なそうならこの部屋から出してほしいのだけど。妖力を霧散させるようなこの部屋では耐えられるかどうか。」
「約束しよう、殺す気はない。」
そう言って彼は針を私に刺した。
本当に殺す気はないのか毒の量は半分で止まった。
「……くっ!!」
注射した場所から激痛がはしる。
ほぼ空っぽの妖気を手に集めると血が固まっていく感覚がする。
凝固型……!
蛇の毒には血が固まるタイプと血がかたまらなくなるタイプがある……。
この蛇は前者ね……。
毒のタイプを分析して妖気で体全体に解毒剤を作っていく。
まずい、妖気が……、たりない……!
グラグラと眩暈がして悪寒がする。
「うっ……はぁ……。」
「左京さん、ダメですねェ。部屋の外に連れて行かないとこのままじゃ死にますよ。」
「ふむ、そうか。では隣の部屋に連れて行ってくれ。」
「りょーかい。」
全身に力が入らない。
持ち上げられた感覚がしたが意識が朦朧としてくる。
……?
部屋から、出た?
妖力が強制的に抜けていくような感覚がなくなった。
何とか、なりそうかも……。
血の巡りを意識してもう一度妖力を巡らせる。
これ、全部入れられてたら死んでたかも……。
血液内が正常に戻ったことを確認して安堵する。
正常に戻る前に気を失ってしまえばそのままあの世行き、だもの。
ちらりと腕を見ると少々解毒が遅くなって注射したあたりがうっ血してしまったようだけれどすぐ元に戻るだろう。
ーーーーー
「ん……。」
安堵して気を失っていたようで起きたらまたあの部屋に戻されていた。
余計に体に負担がかかった所為かギリギリ生きているようなそんな感じだ。
起きたばかりなのにすごく眠い。
寝たきりの生活で体力も落ちていく一方なんだろう。
ああ、ねむい……。
落ち行く意識に逆らえない。
……魔界にいた時の夢を見た。
私が仲間を庇って大けがを負って解毒や外傷で大変だった時に蔵馬が珍しく優しい顔で頭を撫でてくれた時の夢だ。
彼がここにいるはずはないのだからこれは……夢。
……夢なら今は素直にに甘えたい。
「……凛。」
頭をなでられているような気がする。
ふわふわと気持ちがいい。
頬を撫でられた感覚にそのまますり寄る。
「誰と間違えているのやら。」
微かな笑い声が聞こえた後、また頭を撫でられた。
離れていく気配を残念に思いながら、また意識を深く沈ませた。
ーーーーー
そんなことが3日前にあって体はいつもギリギリだ。
結構経ったけれどあと何日あるかわからない。
大会まで体もつのかな。
枷の影響で手足が縛られているような状況で寝ているから体中が痛い。
でもそれ以上に眠気が勝ってる。
コンコン
ノックの音が響き意識が少し浮上する。
ここにノックをして入ってくるのは右京さんかお世話してくれている人だけだ。
「……はい。」
「こんにちは、具合はどうだい。」
「こんにちは……いいとは言えないですね。ずっと体はだるいし意識が朦朧としてることも多いです。」
「悪いね、私も自分の計画がある。キミを自由にすることはできない。」
「この部屋移動させても戸愚呂が居れば私は逃げられませんけど。」
「四六時中彼をキミのそばに置くことはできない。護衛の仕事もあるからね。なにより……私以外の他の男をずっとキミの近くに置くというのもいやだからね。……。」
……にっこりと返す彼に大きなため息を返す。
気に入られてるのかわからないけれどこんな調子で言うのだ。
まぁ、本気で言っているのかもわからないのだけど。
髪を触るのも好きなのかよく私の髪を触る。
片手で一束すくってはさらさらと落としていく。
5分ほど触って満足したのかベッドから腰を上げた彼を、体を起こせない私は目だけで彼を追って出ていくのを見た。
……彼に対して警戒することはなくなったけど慣れることはない。
今のだけでなんか疲れたな。
目を閉じるとそのまま意識を沈ませていった。
最近は凄く体が怠くてあまり起きていられなくなってきている。
妖力が足りなくて修行のためにつけてる術が体を縛る。
解除したところで妖力が戻ることはないからそのままにしているけど足も手も自由に動かせないのはさすがにきつい。
調子が悪い。
……妖力が回復できなくて体を維持するためなのか人間の姿に戻れなくなってしまった。
最初は凄く不安定で妖怪の姿だったり、人間の姿だったりしていたのに。
戻ってしまった黒髪をいじりながら部屋を見渡す。
変わらない質のいい部屋にため息が出る。
元々、魂の定着が不安定だったから余計に負担がかかっているのかもしれない。
数日前のことも原因だろう。
ーーーーー
3日前
「やあ、お嬢さん。そういえばキミは毒を取り込める妖怪だったね?」
「だったらなんなんですか。毒に耐性があるだけで他には何もないですよ。」
「……ココに人間界の毒蛇の毒がある。」
男、左京というらしいが……彼の手には小さな小瓶が握られていた。
人差し指と親指で私に見えるように摘むとにっこりと笑って注射器にうつした。
透明な液体は注射器の半分くらいでとまった。
「これは人間の致死量の10倍だ。さて、君はどうなるかな?初日に言ったように私は君の容姿を気に入っている。死なせたくはないのでね、何かあるなら早めに言ってもらいのだが。」
あの毒、本物……?
人間の致死量の10倍……。
人間界のものでもこんな状態では厳しい。
「……そんなものを私に使って何を試そうっていうんです?」
「以前あるうわさを聞いてね。裏では結構有名な話なのだが……。美しい吸血鬼の姿をした大変珍しい種族がいると。」
「……。」
「その種族はあらゆる毒をあやつり、薬を作れるという。……毒を操り本当の姿は美しい吸血鬼の姿をしている。可能性はあるだろう?」
「……なるほど。」
……私たちの事を知ってる。
でもそれを確かめる術はないのよ。
「流石裏の人間ですね、でもだったらどうだっていうんです?私がその妖怪だったとしても、協力しない。それに私、彼らが出る大会の優勝商品でもあるのでしょう?」
「くっく……。何を警戒しているのかはわかる。ただの興味だ、他の連中みたいに暴力をふるって楽しむ趣味はない。それに言っただろう?私は君の容姿を気に入っている。……だが商品の価値を調べるためにもこれは必要なことでね。」
何この人……?
垂金のような人間じゃない。
全然何が目的なのか読めない。
瞳に宿るのは底知れない闇。
ぞっとするような深い深い純粋な闇。
「この目で見たくてね。本当にこの量の毒に耐えられるのかどうか。」
「……好きにすれば。」
左京はベッドに近づいてきて縁に座る。
ふかふかの布団に彼が少し沈む。
彼を殺せば逃げられるだろうか。
彼が普通に歩いているということは床の電気も切ってある?
この距離なら、人間である彼なら……。
「変な気はおこさない方がいい、この距離なら何かする前に対処できる。それにその術式、呪霊錠に似ている……動きたくても動けないだろう?」
「!?」
すぐ後ろから戸愚呂の声が聞こえた。
いつの間にかベッドの横まで来ていたみたいだ。
覚悟を、するしかないのか。
「……私は毒に対して妖力で対抗する。もし本当に試したいだけなら……。私も死にたくない、危なそうならこの部屋から出してほしいのだけど。妖力を霧散させるようなこの部屋では耐えられるかどうか。」
「約束しよう、殺す気はない。」
そう言って彼は針を私に刺した。
本当に殺す気はないのか毒の量は半分で止まった。
「……くっ!!」
注射した場所から激痛がはしる。
ほぼ空っぽの妖気を手に集めると血が固まっていく感覚がする。
凝固型……!
蛇の毒には血が固まるタイプと血がかたまらなくなるタイプがある……。
この蛇は前者ね……。
毒のタイプを分析して妖気で体全体に解毒剤を作っていく。
まずい、妖気が……、たりない……!
グラグラと眩暈がして悪寒がする。
「うっ……はぁ……。」
「左京さん、ダメですねェ。部屋の外に連れて行かないとこのままじゃ死にますよ。」
「ふむ、そうか。では隣の部屋に連れて行ってくれ。」
「りょーかい。」
全身に力が入らない。
持ち上げられた感覚がしたが意識が朦朧としてくる。
……?
部屋から、出た?
妖力が強制的に抜けていくような感覚がなくなった。
何とか、なりそうかも……。
血の巡りを意識してもう一度妖力を巡らせる。
これ、全部入れられてたら死んでたかも……。
血液内が正常に戻ったことを確認して安堵する。
正常に戻る前に気を失ってしまえばそのままあの世行き、だもの。
ちらりと腕を見ると少々解毒が遅くなって注射したあたりがうっ血してしまったようだけれどすぐ元に戻るだろう。
ーーーーー
「ん……。」
安堵して気を失っていたようで起きたらまたあの部屋に戻されていた。
余計に体に負担がかかった所為かギリギリ生きているようなそんな感じだ。
起きたばかりなのにすごく眠い。
寝たきりの生活で体力も落ちていく一方なんだろう。
ああ、ねむい……。
落ち行く意識に逆らえない。
……魔界にいた時の夢を見た。
私が仲間を庇って大けがを負って解毒や外傷で大変だった時に蔵馬が珍しく優しい顔で頭を撫でてくれた時の夢だ。
彼がここにいるはずはないのだからこれは……夢。
……夢なら今は素直にに甘えたい。
「……凛。」
頭をなでられているような気がする。
ふわふわと気持ちがいい。
頬を撫でられた感覚にそのまますり寄る。
「誰と間違えているのやら。」
微かな笑い声が聞こえた後、また頭を撫でられた。
離れていく気配を残念に思いながら、また意識を深く沈ませた。
ーーーーー
そんなことが3日前にあって体はいつもギリギリだ。
結構経ったけれどあと何日あるかわからない。
大会まで体もつのかな。
枷の影響で手足が縛られているような状況で寝ているから体中が痛い。
でもそれ以上に眠気が勝ってる。
コンコン
ノックの音が響き意識が少し浮上する。
ここにノックをして入ってくるのは右京さんかお世話してくれている人だけだ。
「……はい。」
「こんにちは、具合はどうだい。」
「こんにちは……いいとは言えないですね。ずっと体はだるいし意識が朦朧としてることも多いです。」
「悪いね、私も自分の計画がある。キミを自由にすることはできない。」
「この部屋移動させても戸愚呂が居れば私は逃げられませんけど。」
「四六時中彼をキミのそばに置くことはできない。護衛の仕事もあるからね。なにより……私以外の他の男をずっとキミの近くに置くというのもいやだからね。……。」
……にっこりと返す彼に大きなため息を返す。
気に入られてるのかわからないけれどこんな調子で言うのだ。
まぁ、本気で言っているのかもわからないのだけど。
髪を触るのも好きなのかよく私の髪を触る。
片手で一束すくってはさらさらと落としていく。
5分ほど触って満足したのかベッドから腰を上げた彼を、体を起こせない私は目だけで彼を追って出ていくのを見た。
……彼に対して警戒することはなくなったけど慣れることはない。
今のだけでなんか疲れたな。
目を閉じるとそのまま意識を沈ませていった。
