霊界探偵編
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冬が近付いてきて夜は少し冷えるようになったな……。
木の間から朝日が闇を払うようにさしこんでいる。
早朝の森ってお昼より空気が澄んでいて、心が洗われるようなそんな清々しさがあってとっても好き……。
目を閉じて深呼吸。
ゆっくり目を開けると起きていた彼らに顔を向ける。
「おはよう、それじゃ行きますか。」
「雪娘さん救出隊出ェ撃!!」
「……朝から燃えてやがるな。」
桑原くんは朝からテンションマックス。
そんな桑原くんをみて浦飯くんは呆れ顔だ。
今日中に終わらせる勢いで走りながら進むと妖気の気配が6つ近づいてきた。
相変わらず一つ一つは全く強くない。
対峙して一斉に飛びかかってきたものの最初の妖怪の時と同じく浦飯くんと桑原くんがあっさり片付けてしまった。
いつの間に作ったのか桑原くんの額には
«♡雪 女命»
と書かれたハチマキが巻かれていた。
また少し走ってその後も6人の妖怪が出てきたのだけど……。
「おのれ、調子に乗りおって!!妖怪の意地にかけてここは通さんっっっ!!」
「ざってーー奴らだぜぇ!オレの恋路を邪魔する奴ァあああ!!オレに切られて死んじまえーー!!」
とまあ、あっさり計12人の妖怪を倒してしまった。
範囲を広げて探ってみたものの、後は垂金の屋敷の中に居るであろう者しか感知しなかった。
……!?
何?今の気配……。
背筋が凍るようなそんな感じがした……。
ホントに一瞬だけで今はもう感じないけど……。
……もしかしたらとんでもないのが居るかもしれない。
そんなことを考えていたらついに奴の別荘と思わしき場所にたどり着いた。
「ここにあのコがとらわれてるんだな……。待っててくれよ〜〜〜!!オレが助けるぜ、雪娘さん!!」
うーん、彼女が飛影の妹だって知ったらどんな顔するんだろう……。
桑原くんのことを見ていたらさっきの悪寒は気のせいのような気もしてくる。
「桑原……得意の霊感でなにか感じるか?」
「実はそれらしい妖気ってのが全然感じられねーんだ。きっと映像で見たあの呪符が気配すら断ち切るんだろーな。そのかわり、ぶっ倒してきた12人とは比べもんにならねーほど強い妖気が三つ……。」
「……私の能力でも調べてみたけど感知できないな。」
やっぱり桑原くんでも感じないんだから気の所為?
「凛が非戦闘員と考えると3対2か……まぁ今なら相手が100匹いよーが負ける気がしねー。霊丸も力を調節してなん発か打てるよーになったしな。」
「なんだおめーもか俺も全身の痛みが回復したとたんすげー力がみなぎってきやがった。まさにレベルアップってやつだ!!」
サイ〇人みたい……。
死にかけて回復したらパワーアップって……。
しかし2人とも大物よね、今から敵の本拠地に入るっていうのにこの余裕……。
「よし!!行くぜ!」
浦飯くんの掛け声で屋敷に突入した途端、銃で激しく歓迎された。
銃声が響く中、2人は余裕で1人1人気絶させていく。
「くそっ撃て!!」
「なんてすばやい奴等だ!」
素早いとかそういう次元?
妖怪と戦ってた時点で人間業じゃないけど……。
鉄砲玉避けるって、どんどん人間離れしていくなあ。
「下手な鉄砲はいくら打ってもあたらねーんだよ。」
「銃口の向きから撃つ時の指の動きまではっきりわかるぜ。」
「に、人間じゃねェ……!!」
「銃向けても平気なツラしてやがる。」
普通の人間の感想をありがとう。
「あなた達じゃ無理よ、どいてなさい。」
……っと、黒服の後ろから道中の雑魚妖怪よりは妖力の高いのが出てきた……。
って
え、可愛い!
「か、可愛い……お、お名前は?」
「三鬼衆一 の角 ・魅由鬼 お相手します。煽てても手加減はしないわよ……はっ!!!」
「うお!!」
彼女は名乗ると2人がいた場所目掛けて飛び蹴りをした。
床がえぐれるほどの蹴りを彼等はとんで避けた。
「女ァ!?冗談じゃねー女相手にケンカできっかよ。」
「優しいのね、でもそれは差別だわ。そっちがこなくても死ぬまで容赦しないわよ。」
桑原くんって優しいよねぇ……。
お姉さんいるからなのかしら。
「オレが相手だ。向かってくるヤツァ老若男女区別しねー。」
浦飯くんも優しいけど喧嘩マニアだからなぁ。
人類みな喧嘩相手。
みたいな。
「その前に確かめねえとな。」
ん?確かめる?
「は!!」
2人は構えると同時に走り出した。
浦飯くんは魅由鬼ちゃんが攻撃を仕掛けたと同時に信じられないことをした。
「お、おのれ不埒な!!」
魅由鬼ちゃんは真っ赤だ。
胸を抑えてしゃがんでしまった。
桑原くんは頭にハテナを浮かべているようだ。
……見えてなかったのね。
「見切ったぜ!!」
片手を顔の前にかかげながらキリッとした表情で魅由鬼ちゃんの方を見る。
「ムダな抵抗はやめとけ、オメーも今ので勝ち目がねーのはわかっただろーが。」
「チィ!黙れ!!」
すかさず彼女は浦飯くんへパンチを繰り出すが、その拳が届く前に浦飯くんの拳が顔にクリーンヒットした。
なんとも容赦がない……。
「オ、オメー本当に女だろーが容赦しねーな。」
桑原くんは目を丸くして驚いている。
なんという極悪非道。
「いや一応女だったら手加減しよーと思ってな。確認してみた……!そいつはオカマだ!」
「な?なにィ!?」
浦飯くんはにぎにぎと右手を開閉しながら平然と言ってのけた。
あ、あれ確認行為だったの……。
「敵の攻撃をかわす間に調べてみたら上はパットか注射かわかんねーが、下にはちゃんとついていやがった。」
「さ……差別だわ!オカマだからって手加減しないなんて!体は男でも心は女よ!!」
「なにィ?ふざけんじゃねェ!!てめーも今男ならハンパなマネすんじゃねー!心がそうならきっちり女になっちまえ!!」
……浦飯くんの言葉にとてつもない衝撃をうけたのか倒れたまま塞ぎ込んでしまった。
「ま……負けたわ……。」
魅由鬼ちゃん……。
「見てっかァ垂金ェ!!あと2匹倒したらそっち行くぜ。」
2人は監視カメラへピースしながら叫んだ。
魅由鬼ちゃんを残し、私たちはまた屋敷の中を進む。
「……それにしても、とんでもねー奴だな。本当の女だったらどうすんだよ。」
「バカ、それだったらうれしーだけじゃねーか。」
「こらこら!」
攻撃をかわして、胸触る。
そのあとまた攻撃いなして下半身を触るという……。
格闘技的実力差があってこその技だけど……。
なんというか、ね。
感心していいのか呆れていいのか。
「雪村にいってやろ。」
桑原くんがボソッという。
……うん、それが一番効くわね。
「っだよてめー関係ねーだろ。」
「あっすげー欲しいCDあったんだよなぁ。」
やっぱりというか、今日一番の反応を見せた浦飯くんは桑原くんの胸ぐらを掴む。
桑原くんは気にせず口止め料の欲しいものを要求している。
「ったく、2人とも!もうちょっと危機感を……!っ危ない!!」
かなりはやい動きで2人に近づく妖気を感じて、咄嗟に2人を突き飛ばす。
切れ味のいい何かで腕を切られていた。
「っ……!」
「凛!」
「凛さん!」
「大丈夫、大したことないよ。」
振り向くとマントで身体を覆った小柄な妖怪がいた。
鋭く長い鉤爪を付けている……。
アレでやられたのか。
「二 の角 隠魔鬼 参上!!」
そういうと上からマントを被りスっと見えなくなった。
「くくく。」
「なにィ!?マントをかぶったとたん完全に消えやがった!!」
隠魔鬼は消えたまま私たち3人の周りをグルグルまわる。
背中合わせでどこから来てもいいように構える。
「桑原!!どこかわかるか!?」
「だめだ!!動きが速くて妖気の方向がしぼれねェ!!」
私の技ってソロ用なのよね。
近くに味方がいたら危なくて使えやしない。
「浦飯くん後ろ……!」
「……!ぅぁっ!!」
「くそ!!逃げろ!!」
3人で廊下脇の少し細い道へ移動する。
すると浦飯くんはすぐ後ろを向いて追ってくるであろう方へ拳を構えた。
「くくく、姿が見えなければどうすることもできまい。どこへ逃げようとムダだぁ。」
「今だ浦飯!!」
「!」
桑原くんの合図で壁のような密度のパンチを繰り出し、隠魔鬼に打ちこんだ。
威力は素晴らしく、廊下の壁には脇道とおなじ幅だけパンチのあとがついていた。
隠魔鬼は壁に打ちつけられていた。
「前言撤回、数打ちゃ当たるわ。」
「な……ぜ…………。」
「そのマントじゃ妖気までは隠せなかったんだよ。くる方向とタイミングさえわかりゃテメーは敵じゃねー。」
「桑原の合図でオレが逃げ場のねーほどパンチうちこみゃ、いやでも命中するってことよ。」
師範に会う前とは雲泥の差だなあ。
霊力だけじゃなくて動きもすごく良くなってる。
体術じゃもう勝てないかな。
浦飯くんたちはにいっと笑ってまたカメラの方を見て人差し指をたてていた。
さっきのはピースじゃなくて妖怪の数だったのね……。
「あと1匹!!」
そして最後の1匹は名乗るヒマもなく2人からの顔面ドロップキックにより倒れた。
2メートル以上あったにもかかわらず躊躇いもなく息ピッタリの攻撃だった。
ま、見た目も妖気も白虎や玄武の方が上よね。
「っしゃあーーー!!」
「首洗って待ってろ垂金ー!!」
コレで妖気を感じた数だけ討伐は終わった。
でも何だかイヤな感じが消えない。
確認してみても何も感じないのに凄くザワザワする。
「もう妖気は感じねェ!あとは彼女の居場所を探して垂金ぶっとばすだけだ!……待て!!」
「桑原くん感じた!?部屋から出たみたいね、移動してる!!」
「ああ、妖気だ!!邪悪なもんじゃねー、きっと彼女だ!!やれるかどうか念信 してみる!!……えっとああそういや名前も知らねェ。」
「雪菜だ。」
「てめーはなんで知ってんだ!?」
「指令のビデオ途中ですっぽかしただろがお前。」
相変わらず緊張感がない。
なにやら彼女と念信していた桑原くんがずっこけた。
浦飯くんと目を合わせ2人で疑問符を頭に浮かべていると、急に桑原くんが走り出した。
慌てて追いかけるが、どうやら彼女の居場所へ向かっているみたいだ。
「こっちだ!」
「地下か!!」
道中、大きな動物のような死体が見えた。
部屋中血塗れで酷い有り様だった。
廊下をひたすら進むと奥に扉が見え、今にも閉まる所だった。
「ドアが閉まる!!」
「きっとそこだ!!」
2人は間に合って中へ入ったが、私は間に合わず目の前で扉が閉まった。
「はぁ、はぁ……ごめん、ふ、たりとも!間に合わなかった!」
「大丈夫です、凛さん!最後の敵はここに居ます。雪菜さんも目の前にいます!」
間に合わなかった事に動揺して気付かなかったが、確かに雪菜ちゃんと思わしき妖気を近くに感じる。
向こうで会話が行われているみたいだが、よく聞こえない……。
毒で穴開けて進もうかなと考えていた所に凄い妖気を感じた。
扉を挟んでいるのに威圧感で足が震える。
私が感じていたのはこれか……!!
ずっとザワザワしていた正体がわかった。
ドガァ!!
中ですごい音がする。
桑原くんの生命力が一気に低下した。
浦飯くんも霊丸を撃ったようだが敵には全くきいていなかった。
「行かなきゃ……!」
隠魔鬼に付けられたキズから毒を練る。
血で毒の剣を作り出し扉を切った。
中へ入ると浦飯くんと桑原くんは血を吐きながら倒れていた。
「おやおや、期待はずれだねェ。もっと楽しませてもらえると思ったんだが……。」
サングラスをかけた筋骨隆々の男が目に映る。
コイツが最後の敵……!
扉越しではなく、直接感じる凄まじい妖気……。
ふと視線をずらすと髪の長い右目の上から頬にかけてキズのある男と目があった。
彼は一瞬驚いた顔をしたがすぐにニッコリと笑った。
なんなの……?
そう思ったがまずはこの目の前の妖怪をどうにかしないと……!
「私がお相手します。」
「ほう?お嬢ちゃん、妖怪だねェ。全力で来ないと死ぬかもねェ。」
木の間から朝日が闇を払うようにさしこんでいる。
早朝の森ってお昼より空気が澄んでいて、心が洗われるようなそんな清々しさがあってとっても好き……。
目を閉じて深呼吸。
ゆっくり目を開けると起きていた彼らに顔を向ける。
「おはよう、それじゃ行きますか。」
「雪娘さん救出隊出ェ撃!!」
「……朝から燃えてやがるな。」
桑原くんは朝からテンションマックス。
そんな桑原くんをみて浦飯くんは呆れ顔だ。
今日中に終わらせる勢いで走りながら進むと妖気の気配が6つ近づいてきた。
相変わらず一つ一つは全く強くない。
対峙して一斉に飛びかかってきたものの最初の妖怪の時と同じく浦飯くんと桑原くんがあっさり片付けてしまった。
いつの間に作ったのか桑原くんの額には
«♡雪 女命»
と書かれたハチマキが巻かれていた。
また少し走ってその後も6人の妖怪が出てきたのだけど……。
「おのれ、調子に乗りおって!!妖怪の意地にかけてここは通さんっっっ!!」
「ざってーー奴らだぜぇ!オレの恋路を邪魔する奴ァあああ!!オレに切られて死んじまえーー!!」
とまあ、あっさり計12人の妖怪を倒してしまった。
範囲を広げて探ってみたものの、後は垂金の屋敷の中に居るであろう者しか感知しなかった。
……!?
何?今の気配……。
背筋が凍るようなそんな感じがした……。
ホントに一瞬だけで今はもう感じないけど……。
……もしかしたらとんでもないのが居るかもしれない。
そんなことを考えていたらついに奴の別荘と思わしき場所にたどり着いた。
「ここにあのコがとらわれてるんだな……。待っててくれよ〜〜〜!!オレが助けるぜ、雪娘さん!!」
うーん、彼女が飛影の妹だって知ったらどんな顔するんだろう……。
桑原くんのことを見ていたらさっきの悪寒は気のせいのような気もしてくる。
「桑原……得意の霊感でなにか感じるか?」
「実はそれらしい妖気ってのが全然感じられねーんだ。きっと映像で見たあの呪符が気配すら断ち切るんだろーな。そのかわり、ぶっ倒してきた12人とは比べもんにならねーほど強い妖気が三つ……。」
「……私の能力でも調べてみたけど感知できないな。」
やっぱり桑原くんでも感じないんだから気の所為?
「凛が非戦闘員と考えると3対2か……まぁ今なら相手が100匹いよーが負ける気がしねー。霊丸も力を調節してなん発か打てるよーになったしな。」
「なんだおめーもか俺も全身の痛みが回復したとたんすげー力がみなぎってきやがった。まさにレベルアップってやつだ!!」
サイ〇人みたい……。
死にかけて回復したらパワーアップって……。
しかし2人とも大物よね、今から敵の本拠地に入るっていうのにこの余裕……。
「よし!!行くぜ!」
浦飯くんの掛け声で屋敷に突入した途端、銃で激しく歓迎された。
銃声が響く中、2人は余裕で1人1人気絶させていく。
「くそっ撃て!!」
「なんてすばやい奴等だ!」
素早いとかそういう次元?
妖怪と戦ってた時点で人間業じゃないけど……。
鉄砲玉避けるって、どんどん人間離れしていくなあ。
「下手な鉄砲はいくら打ってもあたらねーんだよ。」
「銃口の向きから撃つ時の指の動きまではっきりわかるぜ。」
「に、人間じゃねェ……!!」
「銃向けても平気なツラしてやがる。」
普通の人間の感想をありがとう。
「あなた達じゃ無理よ、どいてなさい。」
……っと、黒服の後ろから道中の雑魚妖怪よりは妖力の高いのが出てきた……。
って
え、可愛い!
「か、可愛い……お、お名前は?」
「三鬼衆
「うお!!」
彼女は名乗ると2人がいた場所目掛けて飛び蹴りをした。
床がえぐれるほどの蹴りを彼等はとんで避けた。
「女ァ!?冗談じゃねー女相手にケンカできっかよ。」
「優しいのね、でもそれは差別だわ。そっちがこなくても死ぬまで容赦しないわよ。」
桑原くんって優しいよねぇ……。
お姉さんいるからなのかしら。
「オレが相手だ。向かってくるヤツァ老若男女区別しねー。」
浦飯くんも優しいけど喧嘩マニアだからなぁ。
人類みな喧嘩相手。
みたいな。
「その前に確かめねえとな。」
ん?確かめる?
「は!!」
2人は構えると同時に走り出した。
浦飯くんは魅由鬼ちゃんが攻撃を仕掛けたと同時に信じられないことをした。
「お、おのれ不埒な!!」
魅由鬼ちゃんは真っ赤だ。
胸を抑えてしゃがんでしまった。
桑原くんは頭にハテナを浮かべているようだ。
……見えてなかったのね。
「見切ったぜ!!」
片手を顔の前にかかげながらキリッとした表情で魅由鬼ちゃんの方を見る。
「ムダな抵抗はやめとけ、オメーも今ので勝ち目がねーのはわかっただろーが。」
「チィ!黙れ!!」
すかさず彼女は浦飯くんへパンチを繰り出すが、その拳が届く前に浦飯くんの拳が顔にクリーンヒットした。
なんとも容赦がない……。
「オ、オメー本当に女だろーが容赦しねーな。」
桑原くんは目を丸くして驚いている。
なんという極悪非道。
「いや一応女だったら手加減しよーと思ってな。確認してみた……!そいつはオカマだ!」
「な?なにィ!?」
浦飯くんはにぎにぎと右手を開閉しながら平然と言ってのけた。
あ、あれ確認行為だったの……。
「敵の攻撃をかわす間に調べてみたら上はパットか注射かわかんねーが、下にはちゃんとついていやがった。」
「さ……差別だわ!オカマだからって手加減しないなんて!体は男でも心は女よ!!」
「なにィ?ふざけんじゃねェ!!てめーも今男ならハンパなマネすんじゃねー!心がそうならきっちり女になっちまえ!!」
……浦飯くんの言葉にとてつもない衝撃をうけたのか倒れたまま塞ぎ込んでしまった。
「ま……負けたわ……。」
魅由鬼ちゃん……。
「見てっかァ垂金ェ!!あと2匹倒したらそっち行くぜ。」
2人は監視カメラへピースしながら叫んだ。
魅由鬼ちゃんを残し、私たちはまた屋敷の中を進む。
「……それにしても、とんでもねー奴だな。本当の女だったらどうすんだよ。」
「バカ、それだったらうれしーだけじゃねーか。」
「こらこら!」
攻撃をかわして、胸触る。
そのあとまた攻撃いなして下半身を触るという……。
格闘技的実力差があってこその技だけど……。
なんというか、ね。
感心していいのか呆れていいのか。
「雪村にいってやろ。」
桑原くんがボソッという。
……うん、それが一番効くわね。
「っだよてめー関係ねーだろ。」
「あっすげー欲しいCDあったんだよなぁ。」
やっぱりというか、今日一番の反応を見せた浦飯くんは桑原くんの胸ぐらを掴む。
桑原くんは気にせず口止め料の欲しいものを要求している。
「ったく、2人とも!もうちょっと危機感を……!っ危ない!!」
かなりはやい動きで2人に近づく妖気を感じて、咄嗟に2人を突き飛ばす。
切れ味のいい何かで腕を切られていた。
「っ……!」
「凛!」
「凛さん!」
「大丈夫、大したことないよ。」
振り向くとマントで身体を覆った小柄な妖怪がいた。
鋭く長い鉤爪を付けている……。
アレでやられたのか。
「
そういうと上からマントを被りスっと見えなくなった。
「くくく。」
「なにィ!?マントをかぶったとたん完全に消えやがった!!」
隠魔鬼は消えたまま私たち3人の周りをグルグルまわる。
背中合わせでどこから来てもいいように構える。
「桑原!!どこかわかるか!?」
「だめだ!!動きが速くて妖気の方向がしぼれねェ!!」
私の技ってソロ用なのよね。
近くに味方がいたら危なくて使えやしない。
「浦飯くん後ろ……!」
「……!ぅぁっ!!」
「くそ!!逃げろ!!」
3人で廊下脇の少し細い道へ移動する。
すると浦飯くんはすぐ後ろを向いて追ってくるであろう方へ拳を構えた。
「くくく、姿が見えなければどうすることもできまい。どこへ逃げようとムダだぁ。」
「今だ浦飯!!」
「!」
桑原くんの合図で壁のような密度のパンチを繰り出し、隠魔鬼に打ちこんだ。
威力は素晴らしく、廊下の壁には脇道とおなじ幅だけパンチのあとがついていた。
隠魔鬼は壁に打ちつけられていた。
「前言撤回、数打ちゃ当たるわ。」
「な……ぜ…………。」
「そのマントじゃ妖気までは隠せなかったんだよ。くる方向とタイミングさえわかりゃテメーは敵じゃねー。」
「桑原の合図でオレが逃げ場のねーほどパンチうちこみゃ、いやでも命中するってことよ。」
師範に会う前とは雲泥の差だなあ。
霊力だけじゃなくて動きもすごく良くなってる。
体術じゃもう勝てないかな。
浦飯くんたちはにいっと笑ってまたカメラの方を見て人差し指をたてていた。
さっきのはピースじゃなくて妖怪の数だったのね……。
「あと1匹!!」
そして最後の1匹は名乗るヒマもなく2人からの顔面ドロップキックにより倒れた。
2メートル以上あったにもかかわらず躊躇いもなく息ピッタリの攻撃だった。
ま、見た目も妖気も白虎や玄武の方が上よね。
「っしゃあーーー!!」
「首洗って待ってろ垂金ー!!」
コレで妖気を感じた数だけ討伐は終わった。
でも何だかイヤな感じが消えない。
確認してみても何も感じないのに凄くザワザワする。
「もう妖気は感じねェ!あとは彼女の居場所を探して垂金ぶっとばすだけだ!……待て!!」
「桑原くん感じた!?部屋から出たみたいね、移動してる!!」
「ああ、妖気だ!!邪悪なもんじゃねー、きっと彼女だ!!やれるかどうか
「雪菜だ。」
「てめーはなんで知ってんだ!?」
「指令のビデオ途中ですっぽかしただろがお前。」
相変わらず緊張感がない。
なにやら彼女と念信していた桑原くんがずっこけた。
浦飯くんと目を合わせ2人で疑問符を頭に浮かべていると、急に桑原くんが走り出した。
慌てて追いかけるが、どうやら彼女の居場所へ向かっているみたいだ。
「こっちだ!」
「地下か!!」
道中、大きな動物のような死体が見えた。
部屋中血塗れで酷い有り様だった。
廊下をひたすら進むと奥に扉が見え、今にも閉まる所だった。
「ドアが閉まる!!」
「きっとそこだ!!」
2人は間に合って中へ入ったが、私は間に合わず目の前で扉が閉まった。
「はぁ、はぁ……ごめん、ふ、たりとも!間に合わなかった!」
「大丈夫です、凛さん!最後の敵はここに居ます。雪菜さんも目の前にいます!」
間に合わなかった事に動揺して気付かなかったが、確かに雪菜ちゃんと思わしき妖気を近くに感じる。
向こうで会話が行われているみたいだが、よく聞こえない……。
毒で穴開けて進もうかなと考えていた所に凄い妖気を感じた。
扉を挟んでいるのに威圧感で足が震える。
私が感じていたのはこれか……!!
ずっとザワザワしていた正体がわかった。
ドガァ!!
中ですごい音がする。
桑原くんの生命力が一気に低下した。
浦飯くんも霊丸を撃ったようだが敵には全くきいていなかった。
「行かなきゃ……!」
隠魔鬼に付けられたキズから毒を練る。
血で毒の剣を作り出し扉を切った。
中へ入ると浦飯くんと桑原くんは血を吐きながら倒れていた。
「おやおや、期待はずれだねェ。もっと楽しませてもらえると思ったんだが……。」
サングラスをかけた筋骨隆々の男が目に映る。
コイツが最後の敵……!
扉越しではなく、直接感じる凄まじい妖気……。
ふと視線をずらすと髪の長い右目の上から頬にかけてキズのある男と目があった。
彼は一瞬驚いた顔をしたがすぐにニッコリと笑った。
なんなの……?
そう思ったがまずはこの目の前の妖怪をどうにかしないと……!
「私がお相手します。」
「ほう?お嬢ちゃん、妖怪だねェ。全力で来ないと死ぬかもねェ。」
