霊界探偵編
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「そりゃっ」
飛び降りてすぐハプニングが起こった。
桑原くんが着地するとみし!!っという音と共に足元の岩が一部崩れたのだ。
「おお!?」
「桑原くん!?」
驚いて下の足場をのぞき込むと崩れた場所がドボンという音を立てて濃獄酸の中へ消えていった。
桑原くんは足場にしがみついていたのでほっとした。
「や、やべェやべェ。戦う前に死ぬとこだったぜ。」
「桑原くんかわろうかーー?」
「うるせー演出だ演出!!」
浦飯くんの少しバカにしたような声に私たちの方を向いて叫んだ。
少し顔が赤い。
「それにしてもアチーなここは。さあ勝負開始だ。今度こそカタつけてやんぜ!!」
そういうと上の学ランを脱ぎ捨てて上半身はさらしだけになった。
その声と当時に白虎が息を吸いながら喉の前に両手を持っていく。
「こおおおお……。」
遠吠えみたいな声だけど……。
なんだろう、ヤな感じがする。
皆も感じ取ったのか雰囲気が変わる。
「見せてやろう!!貴様に。オレ様の最大奥義を……!!」
かぁ!!!という声と共に桑原くんに向かって口からエネルギー弾が出た。
ブウウウン
「けっなんでェこんな玉。帝京高校サヨナラツーラン剣で打ち返してやんぜ!!」
「はっ!だめだその球に触るな!!そこから逃げろ!!とび移るんだーー!!」
「!?」
蔵馬の焦った声に打つ構えをといて隣の足場に移るとさっきまでいた足場にエネルギー弾が着弾した。
すると一瞬にして岩が塵と化した。
「なっ!?」
「みたか、これぞ
「体内で分子破壊をも生じさせる振動球を作り出せる妖怪がいることは聞いていたがそれが白虎か!!」
「霊気の剣でもダメなの?」
「あぁ、触れたら最後。あの技からは逃げるしか術がない!!」
霊気の剣でもダメなのか……。
飛影の声に青ざめる。
蔵馬も知っていたからあんなに焦っていたのね。
白虎がまた喉に手を当てて撃つ構えを見せる。
「かっ!かっ!!」
「うおお!」
次々と撃たれる鳴虎衝壊破に桑原くんはなすすべもなくどんどん違う足場に飛び移っていく。
「ははは。逃げろ逃げろ。どんどん足場がなくなくなるぞ!!」
「くっ」
桑原くんの足が止まる。
「くくく、どうした?もう逃げないのか。こっち側にはまだ足場があるぞ!!ほんの10mちょっとだ。カール・ルイスより2m長く跳べばいいぞ。助走なしでな!!ひゃはははは。」
「ぐっ!!」
「桑原が孤立しちまったぞ!!あの距離じゃほかの足場にはとうてい届かねェ!!」
「死を前に恐怖で声も出ないのか!?」
自分の髪を毟ると武器化して桑原くんの方へ投げる。
「泣き叫べ命乞いをしろ!!慈悲深いオレ様の気が変わるかもしれんぞ!!ク〇ション〇ンもらしてみせろ!!」
「うぁ!!」
桑原くん……!!
逃げる術がない彼に鋭い針のような毛が体に傷を作る。
「ぐっ。」
「さて、後がつかえている。一発であの世に送ってやる。死ねェ!」
「うおおおおっ!!」
「跳ぶ気だ。」
「桑原ーー!!」
跳んだ瞬間後ろの足場は鳴虎衝壊破によって消滅した。
あれじゃとどかない……!
見たくなくてぎゅっと目をつむる。
「桑原ァーー!!」
「わははわずかにおしィィイあと5m!!いいか貴様ら三匹もすぐ奴と同じ場所に送りこんで……や!?」
生体反応がまだある……?
目を開けると岩に刺さった霊気の剣と桑原くんが白虎に殴りかかる場面だった。
「なに!?霊気の剣を棒代わりにして!!!」
「オレと一緒に地獄に落ちろ!!返事するヒマはねェぜ!!死ねェイ!」
勢いを利用してそのまま白虎の頬を殴った。
落ちた音と共にぎゃああと白虎の声が響く。
「桑原ァーーーッ!く……わばら……。ちっ……くしょおお。」
浦飯くんの声が響く。
桑原くんの生体反応が消えない?
まだ生きてるけど……いた!!
思わず残っている足場へ跳び移る。
「凛!?」
後ろで蔵馬の驚いた声が聞こえたけどそれどころじゃない。
早く助けに行かなきゃ!
「いや、待て、あそこを見ろ!!」
「えっ!?サラシが引っかかってやがった!!凛はそれが見えたのか!オレも行くぜ!!」
後ろでそんなやり取りが聞こえた。
私が着くのと同時にみんなが同じ足場に立つ。
すぐに浦飯くんが引き上げて桑原くんは縁に座る。
「おどかしやがってこのヤロー。死んだと思っただろーがボケ!!なんですぐ答えないんだテメーはこのーッ。」
「いててててバカおちるおちるおちるやめろって!!喜んでんのか殺す気かどっちだてめーは!!」
ぽかぽかと殴りながら嬉しそうにする浦飯くん。
いや、あぶないよ!
「桑原くん、手!もっとこっちに来た方がいいよ。」
「凛さん!!」
ぐっと力を入れてこっちへ引っ張る。
が、体格と力の差で負けて桑原くんの方へ倒れこむ。
「う、わわ……!?」
「うお!?」
「凛!!」
蔵馬の声が聞こえたと同時に落ちる時の独特な浮遊感。
う、うそ!?
とっさに変身して羽を使い、近くの足場に降り立つ。
座り込んだのと同時に後ろから衝撃を受けた。
「く……蔵馬……?」
後ろから抱きしめられているようで顔が見えない。
ぎゅっと力を入れられた。
ど、どうしよう表情が見えない……。
「あ、あの……ごめん変身しちゃった。」
「……。」
黙ったままの蔵馬に不安が募る。
少し経つと向こうの方から浦飯くんの声が聞こえてきた。
「凛ーー!!大丈夫かーー!?」
「浦飯くん……あの、蔵馬?」
動かない蔵馬にもう一度声をかけてみる。
「……はぁ……貴方にはいつもびっくりさせられる。変身の件は仕方ないですね……敵にバレてなければいいですが。」
「ご、ごめんなさい。」
長く息をついたところで蔵馬は立つと浦飯くんたちの方へ手を振った。
変身をといてヨロヨロと立つ。
浦飯くん達の方を見ると頭に大きなたんこぶを作った桑原くんの姿が目に映った。
え、何?
何があったの……?
みんなと合流するとすごい勢いで桑原くんに土下座された。
「凛さん!!すんませんでした!オ、オレあと少しで凛さん殺しちまうところでした……。疲れてたとはいえ手を離しちまうなんて……!」
「いやいや、こちらこそ何も考えずに引っ張ったりしてごめんね。どう考えても私の方が負けちゃうよね……。私もビックリして手を離しちゃったし。心配かけちゃって申し訳ないです。」
「凛は本当に気をつけてください。心臓に悪い……。」
「おっしゃる通りで……。申し訳ない……。」
修行のおかげで飛べたから助かったものの、ヘタしたら死んでたんだもんね……。
修行して少しはマシになったと思ったのにこんなに心配かけて……はあ、落ち込むなあ。
「まあ、とりあえず大事なくてよかったぜ。」
「うん……。ハッ!ごめんね桑原くん、立って!土下座なんてしなくていいんだから!」
そういうと渋々といった感じで立った。
無言だった飛影の方を見ると桑原くんの方を見た。
「ま、これで一度は死んだ身だ。次も同じ手で戦えばもう一匹倒せるな。」
「あんな怖いマネ二度とできるかーーっ!」
間髪いれず桑原くんが反応する。
仲いいんだか悪いんだか……。
でも白虎との戦いで桑原くんの事、少しは認めたのかも。
そう思うと笑いがこぼれた。
「よっしゃあ、とにかくこれで残りは二匹だ!!」
浦飯くんは大きな声を上げると先に進んでいった。
それに続いてしばらく歩いて行くといくつも扉のある場所についた。
「……これも迷宮城って呼ばれる所以だよね。」
「そうですね、間違った扉を選べば生きては出られない。そう聞いたことがあります。」
蔵馬の解説を聞いて浦飯くん、桑原くんと共に青ざめる。
罠回避のエキスパートと言えば……チラリと桑原くんを見る。
「桑原、どの道行きゃいいと思う?」
「うーーむ。」
浦飯くんもそう思っていたようだ。
聞かれた桑原くんはたくさんの扉をひとつずつみていく。
すると何か見つけたのかひとつの扉をじっと見つめた。
「右から2番目だな!」
「よっしゃ、じゃ行こーぜ。」
疑いも無く浦飯くんと共にその扉へ向かう。
「本当に大丈夫なんだろーな。」
飛影の疑いの声に後ろを向くと蔵馬も止まっていた。
「へ!こー見えても迷路や罠の回避はオレの十八番だぜ。」
「桑原くん凄いんだよ。」
笑って言うと二人は1度顔を見合わせてこちらへ歩いてきた。
浦飯くんは扉を開けるとスタスタと進んで行く。
大丈夫だとは思うけど、さっきみたいな事は許されないので感知能力を使って慎重に歩く。
……感知能力も生体には反応するけど罠なんかは無理なのよね。
修行続けていれば桑原くんみたいな事もできるのかしら……。
しばらく歩いていると大きい2体の竜の銅像が置いてある扉の前に出た。
流石桑原くん……罠ひとつもなかったし、最短ルートだったみたいに早く出られた。
「随分と物々しい扉ね……。」
「……多分ここが青龍の部屋だろう、今まで以上の強い気が流れ出てきている……!」
「オレもぞくそきてやがるぜ。」
蔵馬も桑原くんも感じているみたいだ……。
この扉の奥に青龍がいる。
「ん!?」
急にゴゴゴゴと音をたてながら扉が開く。
中を見ると龍で装飾してある少し中国風な服を着た大男が部屋の中央に立っていた。
「青龍……。」
「お前達の悪あがきに朱雀様はいたくご立腹だ。だが、調子に乗るのもここまでだ。五体満足で死ねると思うなよ。ククク。」
「なにィ〜〜えっらそうにこのヤロォ。」
「それとそこの女、希少な吸血鬼の一族だな?朱雀様がきにいられたようだ。こちらへこい。」
「!」
動揺するな、落ち着け……。
大丈夫、みんながいる……。
深呼吸をひとつして目だけで蔵馬を見る。
彼も目線だけをこちらによこしていた。
それだけで動揺していた心が落ち着いて口の端が上がる。
「そんな貴重な種族と間違えていただけるなんて光栄ですね。でも残念ながら違います。それに仲間に入ってもらいたいならそちらから頼みに来るべきでは?」
「……失礼な小娘め……!違うかどうかはこやつらを血祭りにあげてから連れて行って確かめればいいこと……!……チッ、その前に招かざる客がきた。」
ズル……
ズルズル……
「な、なんだこのひきずるような音は。」
「オレ達がきた方向からだ。」
この妖気は……!
後ろの大きな扉が開くと、出てきたのは全身黒く焼けた白虎だった。
「白虎!?」
「た、助けてくれ……。せ、青龍ゥ〜〜。た、たのむ妖気を少しだけでいい、わけてくれ……。き、きっとこの借りはキズが回復したら必ず……。」
ハァハァと息も絶え絶えに青龍に懇願する白虎。
立っているのもやっとという感じだ……。
「い、生きてやがったのか。」
「信じられねータフさだな。」
桑原くんと浦飯くんは目をまるくしながら白虎を見ていた。
「……バカが。わざわざ生き恥をさらしにきおって。」
「青龍!」
「もう貴様などあてにはしてない、いや……むしろ目ざわりだ。」
「そ……そのかまえは……ま、まさか
……たのむ!!やめ……。」
「くらえィ
「なにィ!!」
味方だったハズの白虎を青龍が攻撃した……!?
白虎はあっという間にピキピキと音を立てて凍った。
「はぁ!!」
「……!!」
青龍が飛び蹴りを入れると白虎は凍ったまま粉々になってしまった。
仲間になんて事を……。
「てめーの味方をあっさり殺しやがった……!!」
ゴロゴロと白虎の首が転がった。
