霊界探偵編
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「ぬうううう!!……くくくおとなしく妖獣どもに殺されればよかったものを。」
「オラデカ物!!どーしたァ。次こそてめェの番だおりてこい!」
「このオレ様を……オレ様を本当に怒らせよったわ!!」
縛られている妖獣たちをバックに最初と同じように白虎に指をさしておりてこいという桑原くんに、白虎の怒りは頂点に達したのか妖気が膨れ上がっていく。
ついに白虎と桑原くんの戦いね……。
「ザマーミロ、てめーの妖獣は霊気でしばられてこのザマだぜ!!次はテメーの番だ!!」
チラリと妖獣を見ると塔に霊気で縛られた妖獣たちはじたばたしながらこちらを威嚇していた。
「おのれ調子にのりおって!!オレ様が自らの手で直々に殺してくれるわ!!」
「のーがきはいいっつんだよ、さっさと降りてきて勝負しやがれ!」
桑原くんは自分たちが立っている場所を指さして言う。
白虎は再び挑発されかなり怒っているようだ。
足元にある石でできた柵を殴りつけて粉々にすると高台から降りてきて桑原くんの前へと降り立つ。
ズズンと重量感のある音が響いた。
桑原くんも高身長なのに白虎はその倍はある……。
「先に言っておく、キサマのそのなまくら刀ではオレは倒せん!!霊気の剣がキサマの唯一最大の武器なら百に一つもお前は勝てない!!」
白虎は大きな声で桑原くんがしたように指をさすと、はっきりと宣言した。
霊気の剣が……?
霊気だとだめな理由でもあるの……?
「んだとコラ、効くか効かねェかてめェの体でたしかめやがれ!!」
そう言うやいなや霊気の剣を出して白虎へ斬りかかる。
そして白虎のお腹へとクリーンヒット。
「むっ。」
「どーだ!!」
「うおおおお!!」
「そりゃあ!」
次々に攻撃を当てていくが白虎は効いていませんとばかりに反撃を繰り出してくる。
その反撃もよけながら桑原くんは確実に白虎を切っている。
でもどうして……?
攻撃は当たっているのになぜ白虎に攻撃が効いているように見えないの?
「おっしゃ、完全に桑原のペースだぜ。まともなタイマンならあんなデカブツに負けやしねーぜ!」
「そらもういっちょ!!」
浦飯くんは嬉しそうに声を上げるけど、私は嫌な予感がしてならない。
「……おかしいな。」
「うむ。」
蔵馬も飛影も気づいていたみたいだ。
浦飯くんは驚いて二人の方を見る。
「闘っているふたりを見てみろ、確かに
そう、飛影の言う通り、桑原くんの方がどう見ても疲れてる。
一方、斬られ続けている白虎の方は全くと言っていいほど疲労していない。
「くそっ……、一体どーゆーことだ!?いくら攻撃しても奴はちっともこたえてねェみてェだ。いやそれどころがオレの方が……。」
桑原くんは白虎から一度距離をとってハァーハァーと荒い息づかいをしながら考えているようだ。
彼もこのおかしさに気づいてる……。
「……!?それだけじゃねーぞ、あれはまさか……白虎が一回り大きになっている!?」
「は!!わかったぞ、見ろ桑原君の剣を。」
桑原くんの叫びに蔵馬がハッとして何かに気づいた。
皆で桑原くんの霊気の剣を見ると、明らかに短剣クラスまで小さくなっていた。
「白虎は吸っているんだ!!桑原くんの霊気を、そして自分のエネルギーにしている!!」
……!!
「霊気の剣がキサマの唯一最大の武器なら百に一つもお前は勝てない、ってそういう事!?」
「わはは、気づいたようだな。だがどうする?剣をすてて素手で戦うか!?」
「ざけんじゃねェ!!!」
霊気の剣をさらに大きくした!?
霊気を一気に放出したせいか体がふらついている。
きかないのにどうするつもり!?
「よせ桑原ァ!!いくら攻撃しても相手をでかくするだけだ!!」
「うおおおっ!」
あ、だめ!!そのまま白虎につっこんだ……!!
「バカめ。」
「うわあああ、ああああ……」
霊気の剣と白虎が接触すると激しく光った後フッと剣が消えた。
そのまま桑原くんは倒れた。
「ゲップ……!」
「桑原くん!!」
白虎はゴフォと大きな息をつきながら倒れた桑原くんを見る。
よろよろと立ち上がる彼を見てニヤッと笑った。
「ああ!!霊気の剣がもう短刀ぐれーしか残ってねェ!!」
「くくくもう立っているのもやっとだな。だがこれからが貴様の恐怖の時間だぞ……うおらぁっ!!」
桑原くん……!!
大きな拳に殴られて端まで吹っ飛ばされた彼を見て乱童戦が頭をよぎる。
もしあの時のように骨を粉々にされたら私じゃ修復できない……!!
「なぶり殺しにしてくれるわははっ!」
「あっ……ぐっ。」
「くくく、食後のいい運動になるぜ。腹ごなしが終わったら貴様の体も食ってやるからな。」
歩くたびにズンと最初より重そうな音が響く。
一歩、また一歩と近づいていく……手を出したいけどそれは彼が許さないだろう。
死んでしまったら元も子もないのに!
「……!!霊気を吸われて桑原はズタボロだ。あれじゃ本当にぶっ殺されるしかねェぞ!!」
「……いや!まだ手はあります!白虎の体があの状態から大きくなっていない。そのことに桑原くんが気づいていれば……。だが残された方法はまさに自殺行為とも言える最後の手段!失敗すれば桑原くんの命はないっ!!」
ドガッっと音を立ててまた桑原くんが攻撃される。
……?
たたきつけられた石の柵にそのまま体を預けつつぼそぼそと何か言っている。
「何をぶつぶつ言っている。あきらめて辞世の句でも読み出したか。ならば望み通り殺してやるわ!!死ね!!!」
「おおお!!!」
白虎が腕を振りかぶった瞬間、桑原くんは特大の霊気の剣を作り出し始めた。
ありったけの霊気を使うつもり……!?
蔵馬の言ってた自殺行為ってまさか……!!
「むっ。」
「てめェにくれてやるーーー!!」
そう言いながら桑原くんは霊気の剣を白虎の膨れたお腹に突き刺した。
バチバチとすさまじい音を立てながら激しい光と共に霊気が吸収されていくのが見える。
眩しくて直視出来ないほどだ。
「狂ったか桑原!!自分から敵に力を与えてどうする!!」
「うおおお!!」
シュウゥゥゥという音とともに光が弱くなっていく。
「お……あ……。」
光が消えた。
桑原くんを見ると手からは完全に霊剣が消えて、ばたりと膝から崩れ落ちる。
バクバクと自分の心臓の音が聞こえる。
ど、どうしよう……桑原くんが……!
「くくく……最後の霊気までオレにくれてくたばるとは。」
「桑原ー!?」
浦飯くんが叫ぶがピクリともしない。
ハッとして生体反応を探る。
反応はある、死んではいないけど……。
ホッとして彼をもう一度見るが危機は脱していない。
「さーて、喰いやすい様に肉をグズグズにするか。」
「だ、だめ……!」
「まずは頭だ!!」
大きいお腹のままゆっくりと足を上げた。
「やめろォ!てめーぶっ殺すぞ!!」
「やめて!!」
「待って!!」
浦飯くんと同時に桑原くんの元へ行こうとするが蔵馬に止められた。
「見ろ、白虎の様子がおかしい!!」
「え?」
止められたことにびっくりして蔵馬を見たが、彼の言葉で再び白虎を視界に入れた。
巨体は桑原くんの頭を砕かんと片足を上げた状態から動かなくなっていた。
「ぐっ……。」
白虎自身も何が起こっているのかわからないようだ。
激しく体が揺れ始めた。
次第にビシビシとお腹にひびが入り始め、白虎が声をあげた。
「お!?」
「へ、へへ……思った通りだぜ。」
「桑原!!ヤロォ気ィ失ってただけか。」
白虎の前で倒れていた桑原くんがヨロヨロと立ち上がった。
「よォ、食い過ぎは体にワリィんだぜ。オレみてーにひねた人間の霊気は特にな。」
桑原くんがそう言った次の瞬間、白虎のお腹から霊気が一気に抜けた。
ブシューという音とともに穴の空いた風船のように飛び上がった。
「桑原君の霊気の量が白虎の体の許容量をわずかに超えたんだ。」
なるほど、蔵馬が気付いていた攻略法ってコレだったのね。
確かに失敗すれば命はなかった。
「ギャハハハ!史上最低の食あたりだぜバーカ!!」
「笑い事じゃねェ死ぬ寸前だったんだぜ。ヤツからもれた霊気を少しでも吸収しねーと。」
ドカ!!
打ち上がっていた白虎は声を上げながら目の前の塔へとぶつかった。
「たまやーーとくらぁザマーみやがれ!!桑原大丈夫か!?」
「ああなんとかな、やつがたれ流した霊気を少し取り戻した。少し休めばなんとか……。」
「桑原くん、傷見せて!治すくらいならできる……よ……。」
「!!あ、あれは……!!」
「!?」
傷を治そうと近寄ろうとしたところで白虎がぶつかった塔の瓦礫から巨大な影が動くのが見えた。
そしてゆっくりと出てきた。
「……不死身かヤロォ。」
浦飯くんが小さくつぶやく。
「正直言って感心したぞ。捨て身の戦法おそれいったわ。敬意を評してオレ様の部屋に案内しよう。地獄の部屋にな!!」
そう言って白虎は後ろの塔の中に入って行った。
私たちは顔を見合わせて頷くとその後を追って塔の中に入った。
「地獄の部屋に招待するだとあのデカネコ。」
「とにかくこっちに行ったぞ!!」
中は洞窟のようになっていて岩でできた一本道が続く。
浦飯くんを先頭に追いかけるとボコボコと音が聞こえてくる。
「う!?」
「ここは!?」
崖の先は人1人が立てるくらいの石で作られた円形の足場がたくさんあり、その下には溶岩のようにボコボコといっている液体が溜まっていた。
その足場のひとつに白虎はいた。
これは……酸……。
人間が落ちれば一瞬にしてとける魔界の酸。
妖怪だってひとたまりもないはず。
少量ならまだ中和することが出来たかもしれないけれど……この量では……。
「ゲ……マジでこりゃ地獄の釜だぜ。」
「落ちたらひとたまりもねーぜ。」
「くくく、ここがオレ様の遊戯室だ。いいながめだろう?下は見ての通り落ちれば骨になるまでとかされる
白虎の言葉に反応して浦飯くんが腕を回す。
「ヤロオ、死にぞこないがふざけた部屋に案内しやがって!オレがとどめさしてやんぜ!!」
しかし行こうとした浦飯くんを桑原くんが肩を掴んで止めた。
「ヤツの相手はオレだろーが。」
「桑原。」
「もういい、貴様はよく戦った。あとは幽助に任せて体力を回復すればまた戦力になる。」
飛影……。
なんだかんだ桑原くんの事認めてる……?
「あとは任せて?ざけんじゃねー。タイマンは野球じゃねーんだぞ。リリーフ・エースにゲタあずけてベンチで麦茶なんてワケにゃいかねーんだよ。てめーのケツぐれーてめーでふくぜ!」
「ちっ、不合理な生き物だ……!」
「ああ言いだしたらてこでもきかねー。」
「ガンコさは君といい勝負だ。」
飛影と浦飯くんは呆れ顔。
蔵馬だけは笑っていた。
桑原くん……。
ぎゅっと強く手を握りしめる。
それに気付いたのか蔵馬が私のこぶしを握った。
「また傷を作る気ですか?本人がやる気なんです。見守るしかありませんよ。」
「う、うん……。」
蔵馬に言われフッと力を抜いた。
かなり体に力が入っていたみたいだ。
本当によく見てるよなぁ……。
「どうしたおじけついたか!」
「うるせーな、今行くから待ってろボケ!」
そう返事をすると桑原くんは崖から飛び降りて行った。
