霊界探偵編
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指定された場所は人気のない場所で、工事現場の近くの倉庫の中だった。
扉を開けて中をのぞくと3人はいた。
「ぼたんさん、桑原くん、浦飯くん!ごめんお待たせしました。」
「凛さん!?あと1人って凛さんの事だったんですね!」
「おう、待ってたぜ。」
「ごめんね、あぶない依頼だけど頼んだよ。」
桑原くんは両手を広げ、浦飯くんは片手と上げた。
ぼたんさんは申し訳なさそうに言うと急に這いつくばって床をたたき始めた。
なにしてるんだろう。
「おかしいな、確かこの辺に……、あった。」
一部音の違う場所をたたくと隠し扉のようになっていた床が開いた。
ぼたんさんはそのままそこを全開にする。
床には緑色の靄が立ち込めた薄気味悪い穴が開いていた。
中からは微かに妖気を感じた。
「ここへ飛び込めばたどり着けるんだけど。怖かったら帰っていいのよ、ここからは霊界探偵の仕事だから。」
「あ、ほんと!じゃ!」
「ちょっと待った!!」
桑原くんの方を見て言ったぼたんさんに浦飯くんが言葉を発しながら踵を返すが、ぼたんさんがすばやく足をかけた。
浦飯くんはポケットに手を入れていたため顎から倒れた……いたそう。
「あんたに言ってるんじゃないでしょ!!桑原くんよ!」
桑原くんは即帰ることを否定して心は霊界探偵だといった。
そして、今更後には引けねーんだよ!と言いながら穴のなかへと飛び込んだ。
「え、ちょっと!?桑原くん!?」
私もあわてて穴の中へと追う。
少しの浮遊感のあと、光がさしたと思ったら空中に出たため桑原くんは顔から落ち、私はおしりから落ちた。
「あたた……。」
「痛い……。」
出てきた場所は薄暗く雷鳴がとどろく懐かしい感じのする魔界だった。
小高い丘になっていて目の前には
ちょっと遅れて浦飯くんが降ってきて、桑原くんと同様に顔から落ちた。
「……!……何かくる。」
「「え?」」
能力が働き生態を感知する。
一つ一つは弱いが結構数が多い。
「ケケケケ、くせーくせーぞ。」
「人間だ、ひひひひ人間のにおいだ。」
土がボコボコと盛り上がりそこから全身を布で覆った妖怪がぞろぞろと出てきた。
「
奴らは妖魔街の最下層の住人で腐肉を主食にしているけど好物は人間……。
現れたのが敵だと認識した私はいつ来てもいいように構えた。
「喰える、喰えるぞごちそうだ!」
「ケケケ喰うぞ喰うぞ。」
そういうと腐餓鬼は一斉にとびかかってきた。
「やろうくそ!次から次へと!!」
「任せて!」
私はそう言いながら、自分の手を拾った石で傷つける。
2人は驚いていて止めようとするが腐餓鬼の相手をしているのでこちらに来れない。
魔界の蛇毒を練って大量にいる腐餓鬼の方へ放つ。
「
「ギャァアアア!!」
放った血は刃となって腐餓鬼たちを傷つけた。
ジュウと音を立て次々とかかった場所から妖怪がとけていく。
しかし何せ量が多い。
範囲技を使おうと構えるとまた能力が働いた。
蔵馬ともう一つ前回感じた気配がする。
来るとは聞いていたけれど、もうここにいる……?
一体どこに?
能力で場所を特定しようとすると少し遠くの方から声が聞こえた。
「おい!!こんな奴らにてこずっている様じゃ城に侵入することすらできないぞ!!」
「!?」
「ぎゃ!!」
「ぐえ!」
そして一瞬にして大量の腐餓鬼が倒される。
腐餓鬼たちと同じような恰好をした者が2名飛び出てきた。
「2人じゃ大変だろう?手を貸そうか。」
バッと巻いていた布を脱ぐと蔵馬と飛影の2人だった。
「!!オメーらなんで!?」
「……誰?」
浦飯くんは知り合いの、しかも霊界裁判にかけられているはずの2人の登場に驚き、桑原くんはそもそも誰か知らないので唖然としていた。
私は聞いていたので特に驚かず成り行きを見ることにした。
「く、蔵馬と飛影じゃねーか!!なんでおめーら!?」
「フッ……ま、いわゆる社会復帰のための奉仕活動ってとこかな。君達に協力することで免罪も可能ということになっている。」
「そっか、コエンマもイキな事してくれるじゃねーか!桑原、紹介すんぜ飛影と蔵馬。」
蔵馬の説明に浦飯くんは納得すると桑原くんに2人を紹介した。
蔵馬はよろしくと返し、桑原くんもおうと返すが……。
「蔵馬はどうか知らんがオレが興味あるのは四聖獣に先取りされた宝や妖具だ。貴様らに協力する気なんか全くないからな!」
蔵馬はフっと笑い、私は苦笑いをこぼす。
まあ、よろしくなんて言われてもこっちがびっくりするだけだけれど。
「なんだコイツは?ああ!?背たけの割りにゃやけに態度でけーんじゃねーかコラ。」
「なんだ貴様は死にたいのか?」
「なにおォオコラてめーやんのかオイ!?」
「ちょ、ちょっと2人とも……。」
「やめろ飛影、もめごとはこの仕事が終わった後だ。」
2人に声をかけようとしたところで蔵馬が飛影を咎めた。
「いいか幽助!貴様への報復はきっちり行うぞ。せいぜい用心しておくんだな。」
「シカトしてんじゃねーぞコラ!」
桑原くんは気に入らないようでまだ飛影に突っかかっていた。
「まぁいいや、今は味方は多けりゃ多い方がいいしな。」
「ケッ。」
「フン。」
浦飯くんが言うと桑原くんは気に入らないながらも空気を読んでか、突っかかるのをやめたようだ。
桑原くんって不良だけどいい人だよね。
「ひ、飛影と蔵馬だやばいぜ……。第1級犯罪リストの妖怪である奴らがなぜ人間と……。」
腐餓鬼たちは飛影と蔵馬を見てざわざわしながらも、みんなが歩き出した途端にササっと道をあけた。
「にしてもよー。」
浦飯くんが振り返って私の方を見る。
なんだろう……。
首をかしげていると浦飯くんがいきなり肩を組んできた。
「おめェ結構強いんだな!救護班みてーなもんだと思ってたからさっきの戦い見てびっくりしたわ。……そーいや手は大丈夫なのか?」
近さに戸惑いつつも自分の手を見せた。
傷はできているものの血は止まっている。
「彼女の血は毒ですからね……幽助、触ると危ないですよ?」
「えっ!?」
「ちょっと、蔵馬!」
しれっと嘘をつく蔵馬にむっとして声を荒げてしまった。
浦飯くんはサッと私から離れるとすごく焦って自分の体を確かめていた。
「嘘ですよ。」
離れた浦飯くんに向かってにっこりと笑った。
蔵馬はそのまま近づいてきて右手で私の手を取り、傷を親指でなぞった。
血は自分で止められるとはいえ、傷はそのままだ。
顔をしかめて蔵馬に無言で抗議すると傷を押された。
「いっ……!!」
「無防備すぎますよ。」
「なにそれ。」
なんで怒ってるの、意味が分からない。
理不尽だ。
「……凛さんも蔵馬と知り合いなんですか?」
「あ、うん。昔からの知り合いなの。私も妖怪側だからね。」
後ろから質問してきた桑原くんの方を向いて質問に答えた。
「「ええ!?」」
「あれ、浦飯くんも知らなかったの?」
桑原くんが驚くのはわかるが浦飯くんもだとは。
てっきり全部聞いているのかと思ったのだけれど……。
ぼたんさん、浦飯くんになんて言って紹介したんだろう。
「でもまあ、確かにサポート側かな。さっきみたいな格下なら戦えるけどそんなに強くないから戦闘はあまり期待しないでね?」
味方とはいえ誰が聞いているかわからない現状、私の能力を明かすわけにはいかない。
能力を話してしまえば私の種族までばれてしまう。
私の為でもあるしこれ以上蔵馬を怒らせないようにするためでもある。
チラッと蔵馬の方を見るが目が合うことはなかった。
それからもう少し歩くと前方に入り口のようなものが見えてきた。
大きなどくろのようなものが上についていてとても悪趣味だ。
「ここが入り口か、やけに長いトンネル見てーな門だな。」
入口の目の前についた。
浦飯くんがそういうと皆、1度足を止めて門を見た。
うーん、罠とかありそうだけど壁も高いしココから入るしかなさそうだ。
「虎穴に入らずんば虎子をえーず!前進あるのみぁーーー!!」
「行くしかなさそうね……。」
浦飯くんを先頭に桑原くん、飛影、私、蔵馬の順でトンネルに入った。
出口の近くに来たところでトンネルの外に目玉に蝙蝠のような羽が付いた小妖怪が現れる。
「ようこそ迷宮城へ。この城に入らんとする者たちは裏切りの門の審判を受けなければなりません。」
「「審判だぁー!?」」
桑原くんと浦飯くんの声が被る。
目玉の妖怪はふわっと飛んで少し離れたレバーの前へ行くとそのレバーを下げた。
するとゴゴゴゴと音を立てながらトンネルの天井がおりてきた。
「なにィ!?天井が降りてきた!!」
「くっ!!」
「うおお!!」
皆は一斉に両手で天井を支えるが一瞬でも力を抜いたらぺしゃんこになりそうなほど負荷がかかった。
う、重い……!
みんなの力をもってしても持ち上がらないの!?
「その門は大変敏感で頭がいいのです。性格は悪いですが……。支えている者の力を読み取りギリギリで耐え得る重さで重圧をかけます。ひとりでも力を抜けばペシャンといきますよ。ペシャンとね。」
「ううっ、くそっ……。」
「ひとりが裏切って逃げようとすれば残りの者は全てつぶされますし、お互いを信頼しあいながら力尽きて全員つぶれて死ぬのもいいでしょう。裏切者だけがこの城に入る資格があるのです。選択はあなた方の自由です。」
「く、くそったれが……!!ふざけやがって。」
あのレバーさえ何とかなれば……!!
この中で一番早いのは飛影だけど、聞いてくれるかな……。
「ひ、飛影!!やつのそばにあるあのレバーを上げてくれ!この中で一番すばやいのは飛影、おめーだ!!」
「……!!」
浦飯くん……!
「バカヤロ浦飯!!血迷ったのか!?オマエが行け!!浦飯。どーもオレはそいついけ好かん!!」
「……そこのつぶれた顔の言うとおりだぜ。」
「つぶ……だれがだコラァ!!」
「オレなんかを信用していいのか?」
「飛影、私からもお願い!今はあなたしかいないの!!」
「オレが全霊気を放出すれば短い時間ならオメーの分もささえられる、行ってくれ飛影!!まかせたぜ!!」
浦飯くんの声に押され、飛影が一瞬にしてレバーの前へ行く。
すると抜けた飛影の分の負荷が私たちにかかる。
「うおおおお!」
飛影の分の穴を埋めるように浦飯くんは一気に全霊力を解放した。
しかし飛影はレバーを上げない。
「ど、どうした早くレバーを上げろォオ!!」
桑原くんは叫ぶが飛影は動かない。
飛影、お願い……!
目をつぶりながら歯を食いしばって天井を支え続ける。
「なにも迷う必要はありませんよ飛影殿。あなたは私に案内されるまま彼等を置いて朱雀様にあわれればよろしいのです。あなたほどの犯罪者なら四聖獣の方々も喜んで仲間に入れてくださるはずです。」
「て、てめェこらチビ!!浦飯と凛さんが信頼してまかせたのにそれを裏切る気かコラ!!」
「……くっ、くくく……ほとほと甘いヤツラだぜ。」
「!!」
「オレをなめるな!!」
飛影は叫ぶと目玉の妖怪を浅く切り、レバーを上げた。
と、とまった……。
「ヤツらに言っておけ!!お前らこそオレの子分になるなら命だけは許してやる。命乞いをするなら今のうちだとな!!」
よかった……飛影がなかなか上げてくれないから本当に死ぬかと思った。
目玉が飛んで去っていくのを見て安心して座り込んでしまった。
