霊界探偵編
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目が覚めると昼過ぎだった。
うわー、完っ全に寝坊した……。
……どうしよう。
一応修行途中だし幻海師範の所へ戻らないといけないんだろうけど
蔵馬にまた心配かけるのもな。
っていうか蔵馬どうしているんだろう。
治療術使ったとはいえ完全に塞いだわけじゃないし、大人しくしているとは思うんだけど。
んー、連絡先を知らない。
……交換しておけばよかった。
学校行けば会えるから失念してたや。
ピンポーン
考えているとチャイムが鳴った。
誰だろ……。
重い体でインターホン前に行くと驚くことに蔵馬だった。
「こんにちは、すみません……。心配だったのと話も聞きたかったので来ちゃいました。」
「え、く……南野くん!ごめんなさい、今起きたところなの!!着替えるからちょっと待ってね!!」
「慌てなくていいですよ、待ってますから。」
ケガ人待たすわけにはいかないでしょ!!
くすくすと笑う声を聴きながらドタドタと走り回って着替えて髪をとかす。
まさか直接来てくれるとは思って無かった。
嬉しいやら申し訳ないやらで妙な顔になる。
とりあえず外で待たせるわけにもいかず玄関へ蔵馬を迎えに行く。
「お待たせしました……!どうぞ、入って。」
「お邪魔します。」
私服ってすごく見慣れないな。
ていうか制服しか見たことなかったし。
上がってからちゃんと靴を揃えるところとか流石だな、浦飯くんはやらなさそうだし。
昨日会っただけの感想だけど。
彼を思い出して少し笑みがこぼれた。
「寝ていなくて平気なの?……ここに座ってて、紅茶入れてくる!マルコポーロでいい?最近ハマってるの。」
「ええ、いただきます……。ケガは激しく動かなければ大丈夫ですよ。」
「できれば安静にしててよ……?治すって言ってるのに受け入れてくれないんだから。」
「もちろんです。」
にっこり笑うと蔵馬にため息をつく。
紅茶を出し2人で一息ついたところで話をする。
「えっと、私から話をするね……。あの日、霊界特防隊が来たの。それでまあ抵抗出来るはずもなく問答無用で霊界に連れていかれました……。」
「霊界特防隊……。オレが妖狐の時ですらあの組織に苦しめられたんだ、凛では反応すら出来なかったのでは?」
「う、仰る通り。能力を警戒して特防隊を寄越したみたいなんだけど残念ながら身体能力は並以下だから。……それでコエンマ様と話をして師匠を紹介するかわりに霊界探偵補佐をして欲しいって言われたの。」
霊界特防隊の話を出した時に険しくなった顔が話が進むたびにもっと険しくなってきてる……。
「その、蔵馬と確かに約束した事は考えたんだよ……?ただ、時間がない、このままだと処分対象だとか言われて怖くなっちゃって……。その……こんな言い方は卑怯だと思うけれど、前から蔵馬がなにか考えてる事も気づいてて負担になりたくないなって思って……。」
チラリと蔵馬の様子を伺うと……。
少し驚いた表情をした後、紅茶を一口飲んでいた。
そして小さな溜息をついて困ったような顔をして少し笑いながら話し出した。
「すみません、そんなに申し訳なさそうな顔をしないで。怒っているわけじゃないんです。」
「本当に?」
「ええ……正直に言うと凛に気付かれていたようにオレも自分の事に精一杯な感じではありましたから、その選択についてはベストだったと思いますよ。いきなり自分の命が危ないって言われて動揺する気持ちも今は理解しています。」
そこで話を止めて私をじっと見る。
机の上にあった手に蔵馬の手が重なる。
ハッとして蔵馬の顔を見ると親指で手を撫でられながらぎゅっと握られた。
「今回は連絡のしようがなかったし、俺も大切な人を助けるために霊界の宝を盗んでいた。だから責めるようなことは言えない。昨日はすみませんでした。冷静さを欠いてしまって。連絡先を渡しておくので次回からは絶対連絡をくださいね、本当に心配したんです。」
「は、はい……善処します……。」
返事を聞くと満足したのか私の手を離し微笑んだ。
その後おかわりの紅茶とクッキーを出して明日からまた修行に入る事や浦飯くんの事、蔵馬のお母さんの事や霊界裁判の話をした。
たくさん話をしていつの間にか外が薄暗くなっていたので今日はここでお開きとなった。
蔵馬と話せてよかった。
蔵馬とだけは喧嘩したり気まずくなったりしたくないから。