霊界探偵編
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「あなたが藍田凛さんですね?」
蔵馬と今後の事について話し合った帰り道、霊力を感じた瞬間に背後から話しかけられた。
振り向くと2人組の男性が立っていた。
1人は茶色の髪をした壮年の男性。
もう1人は青い髪の若そうな男性だ。
若い方は目つきを鋭くして私を睨んでいる。
なに、この人達。
この隙のなさ、かなり強い。
警戒していると壮年の男性がもう一度繰り返した。
「藍田凛さんですね?」
「そう……ですけど。」
「私は霊界特防隊隊長の大竹、こちらが舜潤……さっそくだが本題にはいらせてもらう。」
目配せしたのが見えた瞬間背後から拘束された。
「動かない方が身のためだ。」
耳元で舜潤と言われた人の声がした。
「手荒い真似をしてすまないが、このまま霊界まで来てもらう。」
大竹がそう言った瞬間、私の意識はとぎれた。
圧倒的な実力差と戸惑いで体は動かず能力を使う事すらできなかった。
気がつくと6畳ほどの部屋に放置されていた。
打たれたであろう首がひどく痛む。
クラクラする頭で何とか扉に向かうがバチッという音とともに弾かれた。
結界……?
手の皮膚が裂け血が出る。
妖気を練って鉄をも溶解できるような毒を作り上げノブに触わろうとしたが強い光と共に音がしてまたはじかれた。
「っ!!痛い……どこよここ。」
ぽたりと床に血が垂れるとシューと反応を示すものの溶ける様子はない。
材質の関係なのかな。
力が強くなったとはいえ叩き壊すことはできないし……。
さっきの人達は霊界特防隊と名乗った。
ということはここは霊界……?
霊界が出てきて処分される可能性があります。
蔵馬の言った言葉が頭をよぎった。
こんなのばっかり……。
珍しい種族だってのは理解してる。
便利だっていうことも。
だけど別に悪いことした訳でもないのにずっと追いかけられて殺される恐怖がついてまわる。
人間界に来たってそれは変わらない。
でも霊界に狙われる理由って何?
知り得るうちの最高の毒を持ってしても適わないならもう諦めるしかないのかしら。
血の方が強く反応するってことは妖気が通ってるからはじかれるんだろうな。
諦め、か。
なんだか久々な感じがする。
蔵馬に捕まった時もこんな感じだったかも。
半分諦めて扉があくまで待っていようとした時、コツコツと音が聞こえてきた。
靴音だろうか……数人いそうだ。
そして私の部屋の前で止まり扉が開いた。
緊張の中、ドアが半分まで開いたところで光の玉が飛んできた。
咄嗟に避けられずそれに当たると。
その光はそのまま風船のように膨らみ、大きな玉となって私を閉じ込めた。
ぷかぷかと1mほど浮遊している。
ガラスのような見た目だけれど、叩いてもびくともしない。
「では私はこれで。」
「ご苦労。」
ドアの外から女性の声がするとさっきの大竹と舜潤が入ってくる。
「残念だがお前はここから出られない、我々特防隊がいる限りな。」
舜潤がそういうと大竹が話し出す。
「察しているとおりここは霊界だ、今からあなたにはコエンマ様にあってもらう。無駄な抵抗はしない方がいいぞ。」
コエンマ……様?
あの閻魔大王の息子の?
なぜ彼が私なんかに。
「コエンマ様がどうしてもお前と話したいと言っておられるのだ。」
そう言うと間髪をいれず玉ごと私を連れ出した。
玉を壊そうと頑張ってみたもののやはり無理だった。
「ふん、お前程度に壊せるものか。」
と舜潤に鼻で笑われた。
こいつ腹立つ……いつか絶対泣かせてやる。
生きて帰ることができれば……だけど。
誰と会うこともなく同じような廊下をしばらく進むと大きな扉の前で止まった。
大竹が扉をノックすると中から男性の声がかえってきた。
「霊界特防隊隊長の大竹です、例の娘を連れてまいりました。」
「入れ。」
ゆっくり運ばれていくと中が見える。
大きいソファーの横に白い着物?を着た水色のポニーテールの女の子と青い一本角の鬼がたっていて、おしゃぶりをくわえた青年が一人で中央に座っていた。