第4章 謎のプリンス
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第9話 疑念と雪の門出
ハーマイオニーの肩に顔を埋めたまま、イリスはしばらく泣き続けていた。
自分でも理由がわからない涙だった。
胸の奥が混乱していて、悲しいのか、怖いのか、それとも何か別の感情なのか、言葉にならなかった。
ようやく落ち着いた頃、近くで気まずそうにしていたロンとハリーが顔を見合わせる。
その沈黙を破ったのはハーマイオニーだった。
「……あのね、驚かないで聞いてほしいんだけど」
彼女は小さく息を吸い、真剣な顔で二人を見た。
「イリスとスネイプ先生は……その、恋仲なのよ」
「……は?」
ロンの口がぽかんと開いた。
ハリーは息を飲み、信じられないというようにイリスを見つめた。
「マジかよ……あのスネイプと? オエッ、信じらんねぇ……!」
「ちょ、ロン!」
とハーマイオニーが慌ててたしなめたが、
ハリーの顔にはそれ以上に複雑な感情が浮かんでいた。
「イリス、本当なのか?スネイプと…そういう関係?」
イリスは少し考えてから、ゆっくり頷いた。
「隠していたわけじゃないの。聞かれなかったから、言わなかっただけ」
その素直な答えに、ハリーはさらに眉をひそめる。
「じゃあ……恋人なら、何か知ってるんじゃないのか?
あいつが何をしてるのか、どんな誓いを立てたのか……」
イリスは首を横に振った。
「何も知らない。先生はそんな話を私にはしない。でも、死喰い人だなんて……信じられない。信じたくない」
「もしスネイプが本当にヴォルデモート側だとしたら、イリスみたいに狙われている立場の子を守りたいなんて言うかしら?」
ハーマイオニーのその言葉に、ハリーは一瞬言葉を失う。
ハリーは頭の中でスネイプの姿を想像してみる。
あの嫌味な顔で「守りたい」なんて言葉を口にするところを想像して──思わず顔をしかめた。
「……うへぇ、気持ち悪……」
「ハリー!」
ハーマイオニーが呆れたように眉を上げる。
「…確かにそれを聞くと、簡単に“死喰い人だ”って決めつけるのも早いのかもしれない」
そう言いながらも、ハリーは首を振った。
「でも、あいつは怪しすぎる。前からずっとそうだ。信じられない。俺には、あいつが裏切り者にしか見えない」
その言葉に、イリスの胸が再び締めつけられた。
ハリーの気持ちは理解できる。
けれど、自分にとってのスネイプはどんなに冷たく、厳しくても、誰よりも不器用ながらも真っ直ぐに守ってくれた人だった。
「……私は、信じたい」
イリスの小さな声が、静かな大広間に落ちる。
ハリーもロンも、それ以上何も言えなかった。
───
やがて、朝の光が差し込み始める。
雪の舞う窓の外では、生徒たちが荷物を抱えて駅へ向かっていた。
ハリーたちもそれぞれ帰省の準備を終え、イリスのもとに戻ってくる。
「じゃあな、イリス。スネイプに……その、気をつけろよ」
「休暇が終わったら、また会いましょう」
ハーマイオニーは微笑んで言い、そっと手を握ってくれた。
イリスはその温もりにうなずく。
「ありがとう、ハーマイオニー。ハリーもロンも、気をつけて」
三人の背中が扉の向こうへ消える。
その瞬間、広い大広間はしんと静まり返った。
暖炉の火がぱちぱちと鳴り、外では雪が音もなく降り続けている。
イリスはその場に立ち尽くし、胸の奥に広がるぽっかりとした空虚を抱きしめるように両腕を交差させた。
──信じたい。でも、怖い。
その想いだけが、凍てつくような冬の空気の中でゆっくりと溶けていった。
ハーマイオニーの肩に顔を埋めたまま、イリスはしばらく泣き続けていた。
自分でも理由がわからない涙だった。
胸の奥が混乱していて、悲しいのか、怖いのか、それとも何か別の感情なのか、言葉にならなかった。
ようやく落ち着いた頃、近くで気まずそうにしていたロンとハリーが顔を見合わせる。
その沈黙を破ったのはハーマイオニーだった。
「……あのね、驚かないで聞いてほしいんだけど」
彼女は小さく息を吸い、真剣な顔で二人を見た。
「イリスとスネイプ先生は……その、恋仲なのよ」
「……は?」
ロンの口がぽかんと開いた。
ハリーは息を飲み、信じられないというようにイリスを見つめた。
「マジかよ……あのスネイプと? オエッ、信じらんねぇ……!」
「ちょ、ロン!」
とハーマイオニーが慌ててたしなめたが、
ハリーの顔にはそれ以上に複雑な感情が浮かんでいた。
「イリス、本当なのか?スネイプと…そういう関係?」
イリスは少し考えてから、ゆっくり頷いた。
「隠していたわけじゃないの。聞かれなかったから、言わなかっただけ」
その素直な答えに、ハリーはさらに眉をひそめる。
「じゃあ……恋人なら、何か知ってるんじゃないのか?
あいつが何をしてるのか、どんな誓いを立てたのか……」
イリスは首を横に振った。
「何も知らない。先生はそんな話を私にはしない。でも、死喰い人だなんて……信じられない。信じたくない」
「もしスネイプが本当にヴォルデモート側だとしたら、イリスみたいに狙われている立場の子を守りたいなんて言うかしら?」
ハーマイオニーのその言葉に、ハリーは一瞬言葉を失う。
ハリーは頭の中でスネイプの姿を想像してみる。
あの嫌味な顔で「守りたい」なんて言葉を口にするところを想像して──思わず顔をしかめた。
「……うへぇ、気持ち悪……」
「ハリー!」
ハーマイオニーが呆れたように眉を上げる。
「…確かにそれを聞くと、簡単に“死喰い人だ”って決めつけるのも早いのかもしれない」
そう言いながらも、ハリーは首を振った。
「でも、あいつは怪しすぎる。前からずっとそうだ。信じられない。俺には、あいつが裏切り者にしか見えない」
その言葉に、イリスの胸が再び締めつけられた。
ハリーの気持ちは理解できる。
けれど、自分にとってのスネイプはどんなに冷たく、厳しくても、誰よりも不器用ながらも真っ直ぐに守ってくれた人だった。
「……私は、信じたい」
イリスの小さな声が、静かな大広間に落ちる。
ハリーもロンも、それ以上何も言えなかった。
───
やがて、朝の光が差し込み始める。
雪の舞う窓の外では、生徒たちが荷物を抱えて駅へ向かっていた。
ハリーたちもそれぞれ帰省の準備を終え、イリスのもとに戻ってくる。
「じゃあな、イリス。スネイプに……その、気をつけろよ」
「休暇が終わったら、また会いましょう」
ハーマイオニーは微笑んで言い、そっと手を握ってくれた。
イリスはその温もりにうなずく。
「ありがとう、ハーマイオニー。ハリーもロンも、気をつけて」
三人の背中が扉の向こうへ消える。
その瞬間、広い大広間はしんと静まり返った。
暖炉の火がぱちぱちと鳴り、外では雪が音もなく降り続けている。
イリスはその場に立ち尽くし、胸の奥に広がるぽっかりとした空虚を抱きしめるように両腕を交差させた。
──信じたい。でも、怖い。
その想いだけが、凍てつくような冬の空気の中でゆっくりと溶けていった。
