第3章 不死鳥の騎士団
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第15話 神秘部の罠
神秘部の回廊は、息を呑むほど不気味だった。
果ての見えぬ廊下に黒い扉が並び、空気そのものが冷たく重い。
一行は夢を頼りに進むハリーの背に従い、やがて膨大な数のガラス玉が並ぶ「予言の間」へと辿り着いた。
無数の棚。並ぶ玉はひとつひとつがかすかな光を帯びて揺らいでいる。
ハリーは必死にシリウスを探した。しかしそこに人影はなく、代わりに彼の名が刻まれた予言が見つかった。
震える指でそれを手に取ったその時、闇が揺らいだ。
仮面をつけた黒衣の集団が、音もなく姿を現した。空気が一変する。皆は背中を合わせるように固まり、杖を構える。
「シリウスはどこだ!」
ハリーの叫びに、低い笑い声が返る。
「夢と現実の区別もつかぬか。お前は“あの方”に幻を見せられていただけだ」
先頭の仮面が外され、現れたのは金髪の男。ロンが小声で告げた。
「……ドラコの父、ルシウスだ」
ハリーは近寄るルシウスへ言った
「近づくとこの予言を壊す!」
その時ルシウスの隣から、不気味な笑い声が響いた。
黒髪を乱し、瞳を狂気に光らせる女
――ベラトリックス。
「あはははは!なかなか言うじゃないの、ちっちゃな、ちっちゃなベイビー・ポッター」
その女の名を呼んだのは、ネビルだった。
「ベラトリックス・レストレンジ……!」
彼の顔には憤怒が燃え上がっている。杖を構え、叫んだ。
「今ここで仇を討ってやる!」
ベラトリックスはにやりと笑い、愉悦を滲ませる。
「両親は元気かしら? ……あぁ、もう元気なんて残ってないんだったわねぇ」
ネビルが踏み出そうとした瞬間、ルシウスが女の腕を掴み、制した。
「やめろ。穏便に済ませる。予言を渡せ」
イリスはそのやり取りを見ながら、女がただの狂気ではないことを理解した。 ベラトリックスはほかの死喰い人よりも深くヴォルデモートに傾倒している。
その盲信こそが彼女を危険たらしめているのだと。
ルシウスが冷静に語る。
「予言を取り出せるのは、それに関わる者だけだ。……お前が必要なのだ、ポッター」
甘い声が空気を絡め取る。
「なぜお前が“生き残ったのか”。なぜその傷が残ったのか。知りたいだろう? ……ならば渡せ」
ハリーは答えない。その沈黙が皆を不安にさせた。だがそれは杞憂だった。
「僕は十四年も待った。もう少しぐらい待てる!」
ハリーの声が張り裂け、仲間たちの胸を打った。
次の瞬間、彼の瞳が合図を送る。
――光が奔った。
全員が一斉に呪文を放つ。 赤や青の閃光が交錯し、死喰い人たちが一瞬ひるむ。 その隙に走り出した。
「散開しろ!」
ハリーの声。
イリスは最後尾につき、周囲に走る魔力の粒を鋭敏に察知した。四方八方から迫る攻撃に対し瞬時に杖を振り、無言で防御を張り巡らす。透明な障壁が弾ける音と共に、火花や黒煙が霧散した。
「今のうちに!」
彼女が防いでいる間、皆がそれぞれダンブルドア軍団で身につけた魔法を放ちながら死喰い人を抑え込み、扉の方向へと向かう。
そして後方に固まった死喰い人へ向けジニーが粉砕呪文を叩き込む。
轟音と共に棚が揺れ、死喰い人が足を止めた。
だが、その衝撃が連鎖を生んだ。 予言の玉が次々と倒れ、崩壊が広がっていく。 無数のガラスが砕け、囁き声が空気に満ちた。異様な気配に全員の背筋が凍り付く。
どんどんこちらへ向かって崩壊が拡がってきていた。
「逃げるよ!」
イリスの声が響く。
仲間が次々と扉へ飛び込む。イリスは最後まで防御を張り、落ちてくる破片を弾きながら走った。扉を抜けた瞬間――足元が消えた。
数メートル下の地面へ落下。 イリスは咄嗟に大地を操り、土を柔らかくし盛り上げて衝撃を吸収する。仲間は無事に着地し、土はすぐに元へと戻った。
安堵の息が重なり合う。
顔を上げると、そこは円形の広間。
中央に石造りのアーチがあり、薄い幕が風もないのに揺れていた。
そこから、かすかな囁きが流れ込んでくる。 ルーナも目を見開き、ハリーが吸い寄せられるように立ち尽くす。
イリスもまた、不思議な気配を感じた。生と死の境目を震わせるような声。 しかし、他の者たちには何も聞こえていないようだった。
その時――背後に黒い影が揺らめいた。 気配を察知し、イリスとハリーが同時に杖を構える。
「後ろに付け!」
ハリーが叫んだ。
闇の中から迫る新たな気配に、戦いの緊張が再び走るのだった。
神秘部の回廊は、息を呑むほど不気味だった。
果ての見えぬ廊下に黒い扉が並び、空気そのものが冷たく重い。
一行は夢を頼りに進むハリーの背に従い、やがて膨大な数のガラス玉が並ぶ「予言の間」へと辿り着いた。
無数の棚。並ぶ玉はひとつひとつがかすかな光を帯びて揺らいでいる。
ハリーは必死にシリウスを探した。しかしそこに人影はなく、代わりに彼の名が刻まれた予言が見つかった。
震える指でそれを手に取ったその時、闇が揺らいだ。
仮面をつけた黒衣の集団が、音もなく姿を現した。空気が一変する。皆は背中を合わせるように固まり、杖を構える。
「シリウスはどこだ!」
ハリーの叫びに、低い笑い声が返る。
「夢と現実の区別もつかぬか。お前は“あの方”に幻を見せられていただけだ」
先頭の仮面が外され、現れたのは金髪の男。ロンが小声で告げた。
「……ドラコの父、ルシウスだ」
ハリーは近寄るルシウスへ言った
「近づくとこの予言を壊す!」
その時ルシウスの隣から、不気味な笑い声が響いた。
黒髪を乱し、瞳を狂気に光らせる女
――ベラトリックス。
「あはははは!なかなか言うじゃないの、ちっちゃな、ちっちゃなベイビー・ポッター」
その女の名を呼んだのは、ネビルだった。
「ベラトリックス・レストレンジ……!」
彼の顔には憤怒が燃え上がっている。杖を構え、叫んだ。
「今ここで仇を討ってやる!」
ベラトリックスはにやりと笑い、愉悦を滲ませる。
「両親は元気かしら? ……あぁ、もう元気なんて残ってないんだったわねぇ」
ネビルが踏み出そうとした瞬間、ルシウスが女の腕を掴み、制した。
「やめろ。穏便に済ませる。予言を渡せ」
イリスはそのやり取りを見ながら、女がただの狂気ではないことを理解した。 ベラトリックスはほかの死喰い人よりも深くヴォルデモートに傾倒している。
その盲信こそが彼女を危険たらしめているのだと。
ルシウスが冷静に語る。
「予言を取り出せるのは、それに関わる者だけだ。……お前が必要なのだ、ポッター」
甘い声が空気を絡め取る。
「なぜお前が“生き残ったのか”。なぜその傷が残ったのか。知りたいだろう? ……ならば渡せ」
ハリーは答えない。その沈黙が皆を不安にさせた。だがそれは杞憂だった。
「僕は十四年も待った。もう少しぐらい待てる!」
ハリーの声が張り裂け、仲間たちの胸を打った。
次の瞬間、彼の瞳が合図を送る。
――光が奔った。
全員が一斉に呪文を放つ。 赤や青の閃光が交錯し、死喰い人たちが一瞬ひるむ。 その隙に走り出した。
「散開しろ!」
ハリーの声。
イリスは最後尾につき、周囲に走る魔力の粒を鋭敏に察知した。四方八方から迫る攻撃に対し瞬時に杖を振り、無言で防御を張り巡らす。透明な障壁が弾ける音と共に、火花や黒煙が霧散した。
「今のうちに!」
彼女が防いでいる間、皆がそれぞれダンブルドア軍団で身につけた魔法を放ちながら死喰い人を抑え込み、扉の方向へと向かう。
そして後方に固まった死喰い人へ向けジニーが粉砕呪文を叩き込む。
轟音と共に棚が揺れ、死喰い人が足を止めた。
だが、その衝撃が連鎖を生んだ。 予言の玉が次々と倒れ、崩壊が広がっていく。 無数のガラスが砕け、囁き声が空気に満ちた。異様な気配に全員の背筋が凍り付く。
どんどんこちらへ向かって崩壊が拡がってきていた。
「逃げるよ!」
イリスの声が響く。
仲間が次々と扉へ飛び込む。イリスは最後まで防御を張り、落ちてくる破片を弾きながら走った。扉を抜けた瞬間――足元が消えた。
数メートル下の地面へ落下。 イリスは咄嗟に大地を操り、土を柔らかくし盛り上げて衝撃を吸収する。仲間は無事に着地し、土はすぐに元へと戻った。
安堵の息が重なり合う。
顔を上げると、そこは円形の広間。
中央に石造りのアーチがあり、薄い幕が風もないのに揺れていた。
そこから、かすかな囁きが流れ込んでくる。 ルーナも目を見開き、ハリーが吸い寄せられるように立ち尽くす。
イリスもまた、不思議な気配を感じた。生と死の境目を震わせるような声。 しかし、他の者たちには何も聞こえていないようだった。
その時――背後に黒い影が揺らめいた。 気配を察知し、イリスとハリーが同時に杖を構える。
「後ろに付け!」
ハリーが叫んだ。
闇の中から迫る新たな気配に、戦いの緊張が再び走るのだった。
