第3章 不死鳥の騎士団
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第6話 新たな居場所
必要の部屋は、その日も不思議なほど生徒たちの願いに応じて姿を変えていた。 壁はさらに広がり、床には障害物や仕切りが自然に並び、走り回りながらの練習に適した空間になっていた。
「今日は――インペディメンタだ」
ハリーが前に立ち、皆を見渡す。
「相手の動きを鈍らせる呪文。簡単そうに見えるけど、実戦ではかなり有効なんだ」
フレッドとジョージが顔を見合わせ、同時に杖を構える。
「せーの!」
「インペディメンタ!」
二人同時に光を放ち、次の瞬間、そろって転倒。 大爆笑が広がり、空気が一気に和らぐ。
別の所ではチョウが一歩前に出て呪文を成功させる。 ハリーが思わず笑みを浮かべた。 その微笑みを見て、ロンはわざとらしく咳払いし、ハーマイオニーが目を細める。
──イリスも杖を構えた。確実に当たる場所を見極め呪文を放つ。 光が相手を直撃し、相手の動きが緩やかになる。
(……本当に遅くなった)
彼女は鈍った相手の動きをじっと見つめ、目を細めた。 その観察はあまりにも静かで冷静すぎて、周囲の生徒たちには「不気味」なほどに見えた。
「やっぱりイリスって……ちょっと怖いくらい冷静だよな」
ロンが小声で呟き、隣のディーンが肩をすくめる。
「でも精度はすげぇ」
イリス自身はただ当然のように、遅くなった世界を観察していただけだった。
───
数日後。必要の部屋に入ると、今度は広々とした決闘場のように変化していた。 床は石畳に近く、壁際にはクッションが積まれ、呪文がぶつかっても安全に受け止められるようになっている。
「今日はプロテゴをやろう」
ハリーが声を張る。
「相手の呪文を防ぐ盾の魔法だ。これが出来ればぐっと生き残りやすくなる」
「試合でも役立ちそう!」
ジニーが意気込んで杖を構えた。
練習が始まると、光の呪文が次々に飛び交った。
「ステューピファイ!」
「プロテゴ!」
赤の光と青の壁がぶつかり合い、部屋の空気が震える。
イリスの番になると、皆の視線が自然と集まった。
イリスは静かに相手の杖先を見ていた。そこに集まる魔力の粒子――
「ステューピファイ!」
相手の呪文が飛び出す流れに合わせ、冷静に杖を振る。 青みがかった透明な光の壁が瞬時に展開し、相手の呪文を完璧に弾いた。
ハリーは目を見開いた。
(やっぱり……彼女には魔力の流れが“見えている”んだ)
完璧なタイミングで魔法を展開する姿は、実戦経験がないとは思えない落ち着きだった。
「どうやったの?」
ロンが駆け寄る。
「見てただけ。魔力の流れが……当たり前のように見えるから」
イリスは首をかしげ、説明に困ったように答える。
「言葉にできないの。当たり前だから」
ハーマイオニーはしばらく黙ってから、やわらかく笑った。
「やっぱりエルフは人間と違うのね。でも……あなたが一緒にいてくれると、とても心強いわ」
その言葉に、周囲の生徒たちも同意する。
「そうだよな」
「イリスがいると安心する」
イリスの胸に、静かに温かいものが広がった。 自分がこの場に“仲間”として受け入れられている。初めて確かな実感として得られた瞬間だった。
───
日々の訓練は進み、部屋は実戦さながらの決闘場に姿を変える。
守る、間合いを取る、攻撃する
その流れを繰り返し鍛え、模擬戦も行われるようになった。
イリスは敢えて声を出して呪文を唱えるようになった。
「皆と同じ動作を踏むことで、相手も防御しやすい」
――そう気づいたからだ。
そして防御の際は魔法の粒子を読む“感応”に切り替え、静かに相手の呪文を見極めて防ぐ。 人間の練習に合わせる柔らかさと、エルフとしての本能。二つを併せ持つ姿は、生徒たちにとってますます神秘的に映った。
練習の合間、ルーナがふと口を開いた。
「ねぇ、ハリー。守護霊を呼び出す呪文って本当にあるの?」
部屋の空気が変わる。 ハリーがゆっくりと頷いた。
「本当さ。そうだな、次の練習からやってみよう」
生徒たちの顔が一斉に輝き、ざわめきが広がる。
イリスは楽しそうな皆を見つめた。 ほんの少し前まで、自分は異質として見られていた。 だが今は違う――共に学び、笑い合う仲間の中に自分がいる。
胸の奥で確かに感じた。
(……私は、ホグワーツの一員なんだ)
紅い瞳が穏やかに揺れ、彼女は小さく微笑んだ。
必要の部屋は、その日も不思議なほど生徒たちの願いに応じて姿を変えていた。 壁はさらに広がり、床には障害物や仕切りが自然に並び、走り回りながらの練習に適した空間になっていた。
「今日は――インペディメンタだ」
ハリーが前に立ち、皆を見渡す。
「相手の動きを鈍らせる呪文。簡単そうに見えるけど、実戦ではかなり有効なんだ」
フレッドとジョージが顔を見合わせ、同時に杖を構える。
「せーの!」
「インペディメンタ!」
二人同時に光を放ち、次の瞬間、そろって転倒。 大爆笑が広がり、空気が一気に和らぐ。
別の所ではチョウが一歩前に出て呪文を成功させる。 ハリーが思わず笑みを浮かべた。 その微笑みを見て、ロンはわざとらしく咳払いし、ハーマイオニーが目を細める。
──イリスも杖を構えた。確実に当たる場所を見極め呪文を放つ。 光が相手を直撃し、相手の動きが緩やかになる。
(……本当に遅くなった)
彼女は鈍った相手の動きをじっと見つめ、目を細めた。 その観察はあまりにも静かで冷静すぎて、周囲の生徒たちには「不気味」なほどに見えた。
「やっぱりイリスって……ちょっと怖いくらい冷静だよな」
ロンが小声で呟き、隣のディーンが肩をすくめる。
「でも精度はすげぇ」
イリス自身はただ当然のように、遅くなった世界を観察していただけだった。
───
数日後。必要の部屋に入ると、今度は広々とした決闘場のように変化していた。 床は石畳に近く、壁際にはクッションが積まれ、呪文がぶつかっても安全に受け止められるようになっている。
「今日はプロテゴをやろう」
ハリーが声を張る。
「相手の呪文を防ぐ盾の魔法だ。これが出来ればぐっと生き残りやすくなる」
「試合でも役立ちそう!」
ジニーが意気込んで杖を構えた。
練習が始まると、光の呪文が次々に飛び交った。
「ステューピファイ!」
「プロテゴ!」
赤の光と青の壁がぶつかり合い、部屋の空気が震える。
イリスの番になると、皆の視線が自然と集まった。
イリスは静かに相手の杖先を見ていた。そこに集まる魔力の粒子――
「ステューピファイ!」
相手の呪文が飛び出す流れに合わせ、冷静に杖を振る。 青みがかった透明な光の壁が瞬時に展開し、相手の呪文を完璧に弾いた。
ハリーは目を見開いた。
(やっぱり……彼女には魔力の流れが“見えている”んだ)
完璧なタイミングで魔法を展開する姿は、実戦経験がないとは思えない落ち着きだった。
「どうやったの?」
ロンが駆け寄る。
「見てただけ。魔力の流れが……当たり前のように見えるから」
イリスは首をかしげ、説明に困ったように答える。
「言葉にできないの。当たり前だから」
ハーマイオニーはしばらく黙ってから、やわらかく笑った。
「やっぱりエルフは人間と違うのね。でも……あなたが一緒にいてくれると、とても心強いわ」
その言葉に、周囲の生徒たちも同意する。
「そうだよな」
「イリスがいると安心する」
イリスの胸に、静かに温かいものが広がった。 自分がこの場に“仲間”として受け入れられている。初めて確かな実感として得られた瞬間だった。
───
日々の訓練は進み、部屋は実戦さながらの決闘場に姿を変える。
守る、間合いを取る、攻撃する
その流れを繰り返し鍛え、模擬戦も行われるようになった。
イリスは敢えて声を出して呪文を唱えるようになった。
「皆と同じ動作を踏むことで、相手も防御しやすい」
――そう気づいたからだ。
そして防御の際は魔法の粒子を読む“感応”に切り替え、静かに相手の呪文を見極めて防ぐ。 人間の練習に合わせる柔らかさと、エルフとしての本能。二つを併せ持つ姿は、生徒たちにとってますます神秘的に映った。
練習の合間、ルーナがふと口を開いた。
「ねぇ、ハリー。守護霊を呼び出す呪文って本当にあるの?」
部屋の空気が変わる。 ハリーがゆっくりと頷いた。
「本当さ。そうだな、次の練習からやってみよう」
生徒たちの顔が一斉に輝き、ざわめきが広がる。
イリスは楽しそうな皆を見つめた。 ほんの少し前まで、自分は異質として見られていた。 だが今は違う――共に学び、笑い合う仲間の中に自分がいる。
胸の奥で確かに感じた。
(……私は、ホグワーツの一員なんだ)
紅い瞳が穏やかに揺れ、彼女は小さく微笑んだ。
