第3章 不死鳥の騎士団
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第5話 学びと仲間
扉を押し開けた瞬間、イリスは思わず足を止めた。
そこは普通の教室ではなかった。 壁一面に並んだ柔らかなクッション。部屋の中央には練習用のダミー人形。棚には呪文書や練習道具まで整然と並んでいる。天井からは明るい光が降り注ぎ、暖かな空気に満ちていた。
(……本当に“必要なもの”を揃えてくれるのね)
心の奥で小さく安堵し、そして歓喜を覚える。 自分が心から欲していた「魔法を学ぶ場」をこの部屋は与えてくれたのだ。
振り返ったハーマイオニーが微笑む。
「来てくれたのね!」
ロンも手を振り、ジニーが笑顔で隣を空けてくれた。 いつの間にかこんなにも自分を受け取れてくれる存在がいたことを実感し、胸の奥でじんわりと温かさが広がる。
───
「今日はまず、エクスペリアームスからだ」
前に立ったハリーが皆に呼びかける。
「相手の杖を弾き飛ばす、基本の防衛呪文だな」
「いつもスネイプ先生にやられるやつだろ?」
ディーンが冗談を飛ばし、笑いが起こる。すぐにペア練習が始まった。
ロンは調子に乗ってハーマイオニーを派手に吹っ飛ばし、逆に睨まれる。 ネビルは何度やっても弱々しい光しか出せず、眉を寄せて必死に繰り返す。
──そしてイリスの番が来た。
彼女は静かに杖を構える。 息を吸い、吐き出すように、声を乗せずに魔力を流し込む。
「……!」
小さな光の筋が走り、相手の杖を正確に弾き飛ばした。 力強さはないが、狙いは異様なまでに正確だ。
「無言呪文?そんな高度な魔法を……」
「でもそういえば、トライウィザードトーナメントでも…」
周囲のざわめきに、イリスはただ首を傾げる。
(声に頼らずとも、魔力の流れが見えているのだから当然のこと……なのに)
それは彼女にとって自然な行為だったが、他の生徒には驚愕すべき技術に映っていた。
───
その後も練習は続き、ある程度皆がコツを掴んできた辺りでハリーは声をかけた。
「次はステューピファイだ」
赤い光が部屋を飛び交い、緊張感が一気に増す。 ジニーは力強く放ち、ロンは焦って失敗する。 ネビルは吹き飛ばされ続けても立ち上がり、諦めなかった。
イリスも杖を構える。 紅い瞳が相手を射抜き、相手の魔力の揺らぎを読む。
(……今だ)
口を開かず、わずかな息遣いと共に赤い光が走る。 相手の魔法が放たれる直前、その軌道を読み取ったかのように迎え撃ち、確実に命中させた。
「……なんで必ず成功するんだ?」
「まるで予知してるみたいだ」
ざわめく声。だがイリスはただ静かに瞬きをした。
(見えているものを避けただけ……説明しろと言われても難しい)
彼女にとっては当然の感覚。 だが周囲には、神秘的で底知れぬ才能として映っていた。
───
練習が終わり、生徒たちが笑い合いながら片づけを始める。 ネビルが小さな成功を喜び、ロンとジニーが軽口を叩き合う。
その輪の中に、イリスも自然に立っていた。 紅い瞳が柔らかく揺れ、胸の奥がじんわりと温かくなる。
(……魔法を学ぶのは、こんなに楽しいことだったのね)
彼女は初めて、自分が人間たちと肩を並べて学んでいると実感していた。
───
数日後、アンブリッジが新たな教育令を貼り出した。
「学生団体の結成を禁止します」
これだけの人数が集まると、誰かしらの目に留まりアンブリッジに伝わるのは時間の問題ではあったが、予想以上に早く彼女に伝わったようだ。
廊下中にざわめきが広がる。 だが必要の部屋は決して見つからず、集会は続いた。
イリスは謹慎を言い渡されていたはずなのに、ここでだけは生き生きとし、訓練に励む日々を過ごしていた。
その裏で、スネイプが何度も監視の目を逸らし、時にはあえて誤魔化していたことを、彼女は知らない。
だが、それでいい。 ――それが、彼なりの支え方なのだから。
扉を押し開けた瞬間、イリスは思わず足を止めた。
そこは普通の教室ではなかった。 壁一面に並んだ柔らかなクッション。部屋の中央には練習用のダミー人形。棚には呪文書や練習道具まで整然と並んでいる。天井からは明るい光が降り注ぎ、暖かな空気に満ちていた。
(……本当に“必要なもの”を揃えてくれるのね)
心の奥で小さく安堵し、そして歓喜を覚える。 自分が心から欲していた「魔法を学ぶ場」をこの部屋は与えてくれたのだ。
振り返ったハーマイオニーが微笑む。
「来てくれたのね!」
ロンも手を振り、ジニーが笑顔で隣を空けてくれた。 いつの間にかこんなにも自分を受け取れてくれる存在がいたことを実感し、胸の奥でじんわりと温かさが広がる。
───
「今日はまず、エクスペリアームスからだ」
前に立ったハリーが皆に呼びかける。
「相手の杖を弾き飛ばす、基本の防衛呪文だな」
「いつもスネイプ先生にやられるやつだろ?」
ディーンが冗談を飛ばし、笑いが起こる。すぐにペア練習が始まった。
ロンは調子に乗ってハーマイオニーを派手に吹っ飛ばし、逆に睨まれる。 ネビルは何度やっても弱々しい光しか出せず、眉を寄せて必死に繰り返す。
──そしてイリスの番が来た。
彼女は静かに杖を構える。 息を吸い、吐き出すように、声を乗せずに魔力を流し込む。
「……!」
小さな光の筋が走り、相手の杖を正確に弾き飛ばした。 力強さはないが、狙いは異様なまでに正確だ。
「無言呪文?そんな高度な魔法を……」
「でもそういえば、トライウィザードトーナメントでも…」
周囲のざわめきに、イリスはただ首を傾げる。
(声に頼らずとも、魔力の流れが見えているのだから当然のこと……なのに)
それは彼女にとって自然な行為だったが、他の生徒には驚愕すべき技術に映っていた。
───
その後も練習は続き、ある程度皆がコツを掴んできた辺りでハリーは声をかけた。
「次はステューピファイだ」
赤い光が部屋を飛び交い、緊張感が一気に増す。 ジニーは力強く放ち、ロンは焦って失敗する。 ネビルは吹き飛ばされ続けても立ち上がり、諦めなかった。
イリスも杖を構える。 紅い瞳が相手を射抜き、相手の魔力の揺らぎを読む。
(……今だ)
口を開かず、わずかな息遣いと共に赤い光が走る。 相手の魔法が放たれる直前、その軌道を読み取ったかのように迎え撃ち、確実に命中させた。
「……なんで必ず成功するんだ?」
「まるで予知してるみたいだ」
ざわめく声。だがイリスはただ静かに瞬きをした。
(見えているものを避けただけ……説明しろと言われても難しい)
彼女にとっては当然の感覚。 だが周囲には、神秘的で底知れぬ才能として映っていた。
───
練習が終わり、生徒たちが笑い合いながら片づけを始める。 ネビルが小さな成功を喜び、ロンとジニーが軽口を叩き合う。
その輪の中に、イリスも自然に立っていた。 紅い瞳が柔らかく揺れ、胸の奥がじんわりと温かくなる。
(……魔法を学ぶのは、こんなに楽しいことだったのね)
彼女は初めて、自分が人間たちと肩を並べて学んでいると実感していた。
───
数日後、アンブリッジが新たな教育令を貼り出した。
「学生団体の結成を禁止します」
これだけの人数が集まると、誰かしらの目に留まりアンブリッジに伝わるのは時間の問題ではあったが、予想以上に早く彼女に伝わったようだ。
廊下中にざわめきが広がる。 だが必要の部屋は決して見つからず、集会は続いた。
イリスは謹慎を言い渡されていたはずなのに、ここでだけは生き生きとし、訓練に励む日々を過ごしていた。
その裏で、スネイプが何度も監視の目を逸らし、時にはあえて誤魔化していたことを、彼女は知らない。
だが、それでいい。 ――それが、彼なりの支え方なのだから。
