第3章 不死鳥の騎士団
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第3話 必要に呼ばれて
いつものように大広間へ向かおうとしたイリスは、入口で足を止められた。 ピンク色のローブを翻し、猫のような目を細めて立ち塞がるアンブリッジだった。
「ミス・イリス、こちらへ」
甘ったるい声に呼び止められ、イリスは仕方なく立ち止まる。 アンブリッジは彼女の教科書を手に取り、眉をひそめた。
「まぁ……これは何かしら?」
ページにはイリス自身の解釈や理屈が、細かく書き込まれていた。 それは理解を深めるための工夫だったが、アンブリッジはわざとらしくため息をつく。
「勝手に解釈を書き込むなど、魔法省の方針に背く行為ですわ」
「……ただ、理解を深めようとしただけです」
「いいえ。あなたのような“特異な存在”に勝手な知識を持たせることは非常に危険です」
アンブリッジは笑みを崩さずに告げると、唐突に言い放った。
「今日からあなたは部屋で謹慎です」
その場を偶然通りかかったマクゴナガルが鋭く声を上げた。
「ドローレス! この子に非はないはずです!」
しかしアンブリッジは涼しい顔で返す。
「これは魔法省の意見です。……まさか、あなたも反抗なさるおつもり?」
「ええ、ポッターの件に続き、今回は理不尽すぎますからね」
マクゴナガルはそう言って意見してくれたが、聞き入れられることはなかった。 イリスは、理不尽な理由で部屋に閉じ込められることになった。
───
ベッドに横たわり、ぼんやりと天井を見つめる。 静かな部屋。時間はゆっくりと流れていく。
ふと、数日前の夜のことが胸に蘇った。 罰則で傷ついた自分の手を、スネイプが薬で丁寧に治してくれた時のこと。
イリスはゆっくりと右手を持ち上げ、甲を撫でた。 もう傷は塞がり、皮膚も引き攣らない。確かに治っている。
(……あの時の感触)
片膝をつき、真剣な表情で手当をしてくれたスネイプの姿。 触れられた掌の熱。 冷たく無情な人間に見えて、実は誰よりも繊細に気を配ってくれる人。
思い出すほどに、胸の奥が熱くなる。 自分でも理由がわからない。
右手にまだ残っているような温もりを思い出し、鼓動が速くなっていく。
「……っ」
顔が急に熱くなり、イリスは思わず枕を抱きしめ、そのまま顔を埋めた。
「なにを……考えてるの、私は……」
心臓の音が耳の奥で鳴り響く。 ただの治療。そう思いたいのに、思い出すたびに恥ずかしさが込み上げてくるのだった。
───
数日後。
部屋の隙間から、一枚の紙が滑り込んだ。 拾い上げて開くと、そこには短い言葉が綴られていた。
――ダンブルドア軍団に参加しないか?
「……軍団?」
さらに読み進めるとハリーたちが防衛術を学ぶために新しく立ち上げた集まりだと書かれていた。 イリスは自然と手を握りしめる。
(私も……行きたい)
だが部屋を出ることはできない。謹慎を命じられているからだ。 ただ紙を見つめ、胸の奥で強く思った。
(……このままでは、何も学べない)
───
その日の放課後。
突然、部屋の外で「ゴゴゴ……」と巨大な石が擦れるような音がした。 時計を見ると、監視がいなくなる時間だ。
恐る恐る扉を開けると――そこには、見たこともない扉が現れていた。
「これは……」
差し込まれた紙に書かれていた言葉を思い出す。 必要とする者の前に現れる、必要の部屋。
イリスは胸に手を当て、紅い瞳を細めた。
(これは、私が心から必要としているから……)
「……私も、魔法を学びたい」
紅い瞳に決意の光が宿る。 そう強く願いながら、イリスは扉に手をかけた。
いつものように大広間へ向かおうとしたイリスは、入口で足を止められた。 ピンク色のローブを翻し、猫のような目を細めて立ち塞がるアンブリッジだった。
「ミス・イリス、こちらへ」
甘ったるい声に呼び止められ、イリスは仕方なく立ち止まる。 アンブリッジは彼女の教科書を手に取り、眉をひそめた。
「まぁ……これは何かしら?」
ページにはイリス自身の解釈や理屈が、細かく書き込まれていた。 それは理解を深めるための工夫だったが、アンブリッジはわざとらしくため息をつく。
「勝手に解釈を書き込むなど、魔法省の方針に背く行為ですわ」
「……ただ、理解を深めようとしただけです」
「いいえ。あなたのような“特異な存在”に勝手な知識を持たせることは非常に危険です」
アンブリッジは笑みを崩さずに告げると、唐突に言い放った。
「今日からあなたは部屋で謹慎です」
その場を偶然通りかかったマクゴナガルが鋭く声を上げた。
「ドローレス! この子に非はないはずです!」
しかしアンブリッジは涼しい顔で返す。
「これは魔法省の意見です。……まさか、あなたも反抗なさるおつもり?」
「ええ、ポッターの件に続き、今回は理不尽すぎますからね」
マクゴナガルはそう言って意見してくれたが、聞き入れられることはなかった。 イリスは、理不尽な理由で部屋に閉じ込められることになった。
───
ベッドに横たわり、ぼんやりと天井を見つめる。 静かな部屋。時間はゆっくりと流れていく。
ふと、数日前の夜のことが胸に蘇った。 罰則で傷ついた自分の手を、スネイプが薬で丁寧に治してくれた時のこと。
イリスはゆっくりと右手を持ち上げ、甲を撫でた。 もう傷は塞がり、皮膚も引き攣らない。確かに治っている。
(……あの時の感触)
片膝をつき、真剣な表情で手当をしてくれたスネイプの姿。 触れられた掌の熱。 冷たく無情な人間に見えて、実は誰よりも繊細に気を配ってくれる人。
思い出すほどに、胸の奥が熱くなる。 自分でも理由がわからない。
右手にまだ残っているような温もりを思い出し、鼓動が速くなっていく。
「……っ」
顔が急に熱くなり、イリスは思わず枕を抱きしめ、そのまま顔を埋めた。
「なにを……考えてるの、私は……」
心臓の音が耳の奥で鳴り響く。 ただの治療。そう思いたいのに、思い出すたびに恥ずかしさが込み上げてくるのだった。
───
数日後。
部屋の隙間から、一枚の紙が滑り込んだ。 拾い上げて開くと、そこには短い言葉が綴られていた。
――ダンブルドア軍団に参加しないか?
「……軍団?」
さらに読み進めるとハリーたちが防衛術を学ぶために新しく立ち上げた集まりだと書かれていた。 イリスは自然と手を握りしめる。
(私も……行きたい)
だが部屋を出ることはできない。謹慎を命じられているからだ。 ただ紙を見つめ、胸の奥で強く思った。
(……このままでは、何も学べない)
───
その日の放課後。
突然、部屋の外で「ゴゴゴ……」と巨大な石が擦れるような音がした。 時計を見ると、監視がいなくなる時間だ。
恐る恐る扉を開けると――そこには、見たこともない扉が現れていた。
「これは……」
差し込まれた紙に書かれていた言葉を思い出す。 必要とする者の前に現れる、必要の部屋。
イリスは胸に手を当て、紅い瞳を細めた。
(これは、私が心から必要としているから……)
「……私も、魔法を学びたい」
紅い瞳に決意の光が宿る。 そう強く願いながら、イリスは扉に手をかけた。
