第2章 炎のゴブレット
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第19話 暴かれる仮面
歓声と悲鳴が入り混じる混乱の渦の中で、スネイプは真っ先に探していた。
……イリスを。
芝生に崩れ落ち、蒼白な顔で立ち上がれずにいる。 その隣にはセドリックの亡骸と、それに縋りつくポッター。 胸の奥が鋭く抉られた。
気がつけばマクゴナガルと同時に駆け寄り
「……大丈夫か」
思わず声が漏れた。彼女の肩を掴み、腕を引き、立たせる。
小さく震える体が掌を通じて伝わってくる。
その瞬間、胸の奥に強烈な衝動が走った。
よく戻った、と言いたい。
二度と辛い思いをして欲しくない……
一瞬だけ、本気でそう願ってしまった。
(……何を考えている。愚か者め。そんな資格は我輩にはない)
慰めたい気持ちを必死に押し殺す。
惹かれているからこそなのか? だがそんな事実を認めるわけにはいかない。
これは気の迷いだ。幻想だ。
視線を逸らし、背を向けた。彼女が呼びかけかけた声を、聞こえぬふりをして。
───
「ヴォルデモートが……復活したんだ!」
ポッターの叫びに、場はさらに騒然となった。
スネイプは奥歯を噛み締める。 ポッターの言葉は誇張でも虚言でもないと、イリスの蒼ざめた瞳が物語っていた。
そこへダンブルドアが大股で駆け寄り、ポッターを抱え起こした。
ハリーは優勝杯がポートキーだったと話す。
その後、慌ただしくマッドアイによって連れていかれるハリー。
「セブルス」
短く名を呼ぶ声に、スネイプは即座に振り返る。
おそらくダンブルドアは以前から気がついていたのだろう。そして静かにこの時を見計らっていたのだ…。
「真実薬を。急げ」
「……はい」
ローブを翻し、校舎へ駆け戻った。
───
ハリーはムーディの部屋に入ると、異様な気配が漂っていた。
椅子に押し込まれ、ムーディが何事かをまくしたてている。
「優勝杯はポートキーだ……墓場へ送ってやったのは俺だ!」
その時、扉が勢いよく開かれ、ダンブルドアとマクゴナガル、そしてスネイプが飛び込んだ。
「動くな!」
ダンブルドアの呪文で偽ムーディは杖を叩き落とされる。
ハリーはすぐさまダンブルドアの後ろへ隠れる。
そしてマッドアイは椅子に縛り付けられる。
スネイプは持参した瓶を差し出す。
ダンブルドアがそれを喉に流し込むと、次々と真実を吐き出した。
「私はバーティ・クラウチJr.……! ずっとマッドアイを装っていた! 優勝杯をポートキーに仕込み、ポッターを墓場へ送った! 闇の帝王を甦らせるために!」
同時に顔が歪み、やがてポリジュースの効力が解けていった。
現れたのは、痩せ細り、狂気に満ちた瞳をした男――バーティ・クラウチJr.。
「闇の帝王は復活された! 私はそのために全てを……!」
狂気じみた叫びが部屋を震わせた。
「セブルス」
「分かっていますとも」
スネイプは素早く姿勢を正し、冷静に言った。
「アズカバンに連絡を入れる。脱獄囚がここにいるとなれば、放置はできん」
───
アズカバンへ連絡し騒然とする中で、ふと胸の奥が痛んだ。
イリスは今、医務室に運ばれている。遠ざかる背を追った彼女の瞳――あの揺らぎが頭を離れない。
(……守りたいなどと、思ってしまったのか)
あり得ぬことだ。認めてはならない。
だが確かに一瞬、失いたくないと願ってしまった。
だが――もう遅い。
闇の帝王は復活してしまった。この先、何を失うことになるのか……考えるだけで胸が焼ける。
拳を握りしめ、冷徹な仮面を再び被る。
そしてただ一言、低く呟いた。
「……闇が、再び始まる」
歓声と悲鳴が入り混じる混乱の渦の中で、スネイプは真っ先に探していた。
……イリスを。
芝生に崩れ落ち、蒼白な顔で立ち上がれずにいる。 その隣にはセドリックの亡骸と、それに縋りつくポッター。 胸の奥が鋭く抉られた。
気がつけばマクゴナガルと同時に駆け寄り
「……大丈夫か」
思わず声が漏れた。彼女の肩を掴み、腕を引き、立たせる。
小さく震える体が掌を通じて伝わってくる。
その瞬間、胸の奥に強烈な衝動が走った。
よく戻った、と言いたい。
二度と辛い思いをして欲しくない……
一瞬だけ、本気でそう願ってしまった。
(……何を考えている。愚か者め。そんな資格は我輩にはない)
慰めたい気持ちを必死に押し殺す。
惹かれているからこそなのか? だがそんな事実を認めるわけにはいかない。
これは気の迷いだ。幻想だ。
視線を逸らし、背を向けた。彼女が呼びかけかけた声を、聞こえぬふりをして。
───
「ヴォルデモートが……復活したんだ!」
ポッターの叫びに、場はさらに騒然となった。
スネイプは奥歯を噛み締める。 ポッターの言葉は誇張でも虚言でもないと、イリスの蒼ざめた瞳が物語っていた。
そこへダンブルドアが大股で駆け寄り、ポッターを抱え起こした。
ハリーは優勝杯がポートキーだったと話す。
その後、慌ただしくマッドアイによって連れていかれるハリー。
「セブルス」
短く名を呼ぶ声に、スネイプは即座に振り返る。
おそらくダンブルドアは以前から気がついていたのだろう。そして静かにこの時を見計らっていたのだ…。
「真実薬を。急げ」
「……はい」
ローブを翻し、校舎へ駆け戻った。
───
ハリーはムーディの部屋に入ると、異様な気配が漂っていた。
椅子に押し込まれ、ムーディが何事かをまくしたてている。
「優勝杯はポートキーだ……墓場へ送ってやったのは俺だ!」
その時、扉が勢いよく開かれ、ダンブルドアとマクゴナガル、そしてスネイプが飛び込んだ。
「動くな!」
ダンブルドアの呪文で偽ムーディは杖を叩き落とされる。
ハリーはすぐさまダンブルドアの後ろへ隠れる。
そしてマッドアイは椅子に縛り付けられる。
スネイプは持参した瓶を差し出す。
ダンブルドアがそれを喉に流し込むと、次々と真実を吐き出した。
「私はバーティ・クラウチJr.……! ずっとマッドアイを装っていた! 優勝杯をポートキーに仕込み、ポッターを墓場へ送った! 闇の帝王を甦らせるために!」
同時に顔が歪み、やがてポリジュースの効力が解けていった。
現れたのは、痩せ細り、狂気に満ちた瞳をした男――バーティ・クラウチJr.。
「闇の帝王は復活された! 私はそのために全てを……!」
狂気じみた叫びが部屋を震わせた。
「セブルス」
「分かっていますとも」
スネイプは素早く姿勢を正し、冷静に言った。
「アズカバンに連絡を入れる。脱獄囚がここにいるとなれば、放置はできん」
───
アズカバンへ連絡し騒然とする中で、ふと胸の奥が痛んだ。
イリスは今、医務室に運ばれている。遠ざかる背を追った彼女の瞳――あの揺らぎが頭を離れない。
(……守りたいなどと、思ってしまったのか)
あり得ぬことだ。認めてはならない。
だが確かに一瞬、失いたくないと願ってしまった。
だが――もう遅い。
闇の帝王は復活してしまった。この先、何を失うことになるのか……考えるだけで胸が焼ける。
拳を握りしめ、冷徹な仮面を再び被る。
そしてただ一言、低く呟いた。
「……闇が、再び始まる」
