第2章 炎のゴブレット
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第10話 女神の一夜
クリスマスが近づくと、ホグワーツは雪に包まれ、煌びやかな装飾に彩られていった。 しかしその中で、イリスはどこか落ち着かずにいた。
そんな彼女を部屋から連れ出したのは、マクゴナガルとハーマイオニーだった。
「さあ、準備の時間です。女の子にはね、戦いと同じくらい大事な“舞台”があるのよ」
「私も一緒に選ぶから! 楽しもう!」
机の上には魔法通販で取り寄せられたドレスの数々。鏡は魔法で姿を映し変え、イリスは次々と試着させられた。
深紅のドレスは鮮やかすぎて彼女の白い肌を際立たせすぎる。 蒼いドレスは瞳と対比し美しかったが、どこか冷たく映った。 やがて、白銀のドレスを纏った瞬間――鏡の中で、イリスは思わず息を呑んだ。
真珠のように輝く生地が肌に寄り添い、胸元から裾へ流れるレースは、星々が散りばめられたかのように煌めいていた。 肩に触れる柔らかな布は、儚げな雰囲気をさらに引き立てている。
「すごく似合ってる!」
「まるで……女神様ね」
ハーマイオニーとマクゴナガルの言葉に、胸の奥で熱が広がる。 ――これほど心が高鳴るのは初めてだった。 課題の恐怖も、孤独も、その瞬間だけは忘れられた。
そして本番の日。
部屋の前で立ち尽くすイリス。 白いドレスを身に纏ってなお、不安で足が動かなかった。
「……私もよ」
隣で同じように緊張したハーマイオニーが小さく笑う。
二人は深呼吸を合わせ、同時に扉を開けた。
大広間へ続く階段の上。 視線が一斉に注がれた。
イリスは、まるで月光を纏った女神。 白のドレスは彼女の透き通る肌を際立たせ、首元に散らされた宝石は光を受けて煌めく。 揺れるピアス、絹糸のような白い髪。 その間から覗く紅い瞳が、幻想的なアクセントとなり、誰もが息を飲んだ。
「綺麗すぎる……」
「まるで物語の中の存在みたいだ」
ハーマイオニーもまた、鮮やかなカラードレスに身を包み、可憐な姫君のように人々を魅了していた。
階段を降りると、クラムがハーマイオニーを迎えに来る。 その隣で、イリスは裾を踏まぬようゆっくり歩を進めた。ドレスの裾がふわりと揺れ、宝石と共に白銀の髪が光を反射してきらめく。
そして、待っていたのは――セブルス・スネイプ。
いつもの黒衣とは違う、正装のローブ姿。 それだけで胸が跳ねた。 冷たい眼差しは変わらないはずなのに、普段とは違う装いが彼を一層鋭く、そして凛々しく見せていた。
イリスは自然と頬が熱くなるのを感じながら、彼の隣に並んだ。
大広間の扉が開き、煌びやかな光が溢れ出す。 選手たちが並び入場すると、ざわめきが広がった。
「……あれが……」
「美しい……」
「神話から抜け出したみたいだ……」
悪意ある言葉は一つもなく、驚嘆と称賛だけが広がっていた。 イリスは思わず口元が緩みそうになり、慌てて手で隠した。 隣にはスネイプ。腕を組む姿に、胸が苦しいほど高鳴る。
やがて演奏が始まり、二人は舞踏の位置へと進んだ。
ワルツの調べが流れ出す。
スネイプの手が腰に添えられ、もう一方が指先を絡め取る。 その瞬間、イリスの鼓動は一気に早まった。 触れられた場所が熱を帯び、耳まで赤く染まる。
白のドレスは煌めき、宝石が光を散らす。 髪は流れるようにさらさらと揺れ、ピアスが優雅に踊る。 その全てが音楽と一体となり、観客の視線を奪っていた。
スネイプの漆黒のローブと、イリスの白銀の輝き。 対極の二人が並ぶことで、互いを引き立て合い、より鮮烈な印象を残していく。
「…足を止めるなよ」
低く落とされた声に、耳が…、胸が更に熱くなる。
一歩、また一歩。 ステップを重ねるたび、世界に二人しかいないように感じられた。

やがて音楽が終わりを告げ、舞踏は締めくくられる。
イリスは胸の奥で願っていた。 ――どうか、終わらないで。 スネイプの手に触れ続けていたい。
だが、彼は曲が終わるや否や、あっさりと手を放した。
名残惜しさに胸が締め付けられる。 白い指先に残る熱が、彼の存在の証のようで。
一瞬の喪失感に胸が締め付けられる。もっと触れていたい、もっと続けばいいのにと言う思いを抱えながらも思いを押し殺し、一礼する。
───
ダンスが終わり、会場は自由に賑わいを取り戻していた。 ハーマイオニーが笑顔でこちらに駆け寄り
「とても素敵だったわ!」
と囁く。その言葉に頬が緩みそうになる。 周囲からも
「美しかった」
「女神の舞のようだった」
と囁かれ、先日の悪意は霞んでいた。
それでも――「見せびらかして」と皮肉を口にする者もいた。だが、もう届かない。 今夜ばかりは、称賛の声がすべてを上回っていた。
イリスはそっと会場を抜け出し、中庭のと面した廊下へ出る。 冬の冷たい風がドレスの裾を揺らし、肌を刺した。だが胸の奥は、まだ熱を帯びていた。
「……こんな気持ち、知らなかった」
白銀の髪を撫でる夜風の下、イリスは胸に手を当てる。 心臓が高鳴る音は、まだ止まらない。 それが舞踏のせいか――それとも彼のせいか、自分でも分からなかった。
クリスマスが近づくと、ホグワーツは雪に包まれ、煌びやかな装飾に彩られていった。 しかしその中で、イリスはどこか落ち着かずにいた。
そんな彼女を部屋から連れ出したのは、マクゴナガルとハーマイオニーだった。
「さあ、準備の時間です。女の子にはね、戦いと同じくらい大事な“舞台”があるのよ」
「私も一緒に選ぶから! 楽しもう!」
机の上には魔法通販で取り寄せられたドレスの数々。鏡は魔法で姿を映し変え、イリスは次々と試着させられた。
深紅のドレスは鮮やかすぎて彼女の白い肌を際立たせすぎる。 蒼いドレスは瞳と対比し美しかったが、どこか冷たく映った。 やがて、白銀のドレスを纏った瞬間――鏡の中で、イリスは思わず息を呑んだ。
真珠のように輝く生地が肌に寄り添い、胸元から裾へ流れるレースは、星々が散りばめられたかのように煌めいていた。 肩に触れる柔らかな布は、儚げな雰囲気をさらに引き立てている。
「すごく似合ってる!」
「まるで……女神様ね」
ハーマイオニーとマクゴナガルの言葉に、胸の奥で熱が広がる。 ――これほど心が高鳴るのは初めてだった。 課題の恐怖も、孤独も、その瞬間だけは忘れられた。
そして本番の日。
部屋の前で立ち尽くすイリス。 白いドレスを身に纏ってなお、不安で足が動かなかった。
「……私もよ」
隣で同じように緊張したハーマイオニーが小さく笑う。
二人は深呼吸を合わせ、同時に扉を開けた。
大広間へ続く階段の上。 視線が一斉に注がれた。
イリスは、まるで月光を纏った女神。 白のドレスは彼女の透き通る肌を際立たせ、首元に散らされた宝石は光を受けて煌めく。 揺れるピアス、絹糸のような白い髪。 その間から覗く紅い瞳が、幻想的なアクセントとなり、誰もが息を飲んだ。
「綺麗すぎる……」
「まるで物語の中の存在みたいだ」
ハーマイオニーもまた、鮮やかなカラードレスに身を包み、可憐な姫君のように人々を魅了していた。
階段を降りると、クラムがハーマイオニーを迎えに来る。 その隣で、イリスは裾を踏まぬようゆっくり歩を進めた。ドレスの裾がふわりと揺れ、宝石と共に白銀の髪が光を反射してきらめく。
そして、待っていたのは――セブルス・スネイプ。
いつもの黒衣とは違う、正装のローブ姿。 それだけで胸が跳ねた。 冷たい眼差しは変わらないはずなのに、普段とは違う装いが彼を一層鋭く、そして凛々しく見せていた。
イリスは自然と頬が熱くなるのを感じながら、彼の隣に並んだ。
大広間の扉が開き、煌びやかな光が溢れ出す。 選手たちが並び入場すると、ざわめきが広がった。
「……あれが……」
「美しい……」
「神話から抜け出したみたいだ……」
悪意ある言葉は一つもなく、驚嘆と称賛だけが広がっていた。 イリスは思わず口元が緩みそうになり、慌てて手で隠した。 隣にはスネイプ。腕を組む姿に、胸が苦しいほど高鳴る。
やがて演奏が始まり、二人は舞踏の位置へと進んだ。
ワルツの調べが流れ出す。
スネイプの手が腰に添えられ、もう一方が指先を絡め取る。 その瞬間、イリスの鼓動は一気に早まった。 触れられた場所が熱を帯び、耳まで赤く染まる。
白のドレスは煌めき、宝石が光を散らす。 髪は流れるようにさらさらと揺れ、ピアスが優雅に踊る。 その全てが音楽と一体となり、観客の視線を奪っていた。
スネイプの漆黒のローブと、イリスの白銀の輝き。 対極の二人が並ぶことで、互いを引き立て合い、より鮮烈な印象を残していく。
「…足を止めるなよ」
低く落とされた声に、耳が…、胸が更に熱くなる。
一歩、また一歩。 ステップを重ねるたび、世界に二人しかいないように感じられた。

やがて音楽が終わりを告げ、舞踏は締めくくられる。
イリスは胸の奥で願っていた。 ――どうか、終わらないで。 スネイプの手に触れ続けていたい。
だが、彼は曲が終わるや否や、あっさりと手を放した。
名残惜しさに胸が締め付けられる。 白い指先に残る熱が、彼の存在の証のようで。
一瞬の喪失感に胸が締め付けられる。もっと触れていたい、もっと続けばいいのにと言う思いを抱えながらも思いを押し殺し、一礼する。
───
ダンスが終わり、会場は自由に賑わいを取り戻していた。 ハーマイオニーが笑顔でこちらに駆け寄り
「とても素敵だったわ!」
と囁く。その言葉に頬が緩みそうになる。 周囲からも
「美しかった」
「女神の舞のようだった」
と囁かれ、先日の悪意は霞んでいた。
それでも――「見せびらかして」と皮肉を口にする者もいた。だが、もう届かない。 今夜ばかりは、称賛の声がすべてを上回っていた。
イリスはそっと会場を抜け出し、中庭のと面した廊下へ出る。 冬の冷たい風がドレスの裾を揺らし、肌を刺した。だが胸の奥は、まだ熱を帯びていた。
「……こんな気持ち、知らなかった」
白銀の髪を撫でる夜風の下、イリスは胸に手を当てる。 心臓が高鳴る音は、まだ止まらない。 それが舞踏のせいか――それとも彼のせいか、自分でも分からなかった。
