第2章 炎のゴブレット
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第3話 名を刻む炎
大広間の空気は熱を帯びていた。 青い炎を揺らめかせるゴブレット・オブ・ファイアを前に、生徒たちは息をひそめ、次なる名前が吐き出される瞬間を待っている。
炎が爆ぜ、最初の羊皮紙が宙を舞った。
「ダームストラング代表、ヴィクトール・クラム!」
轟く拍手と黄色い悲鳴。女子生徒たちが立ち上がり、歓声を送る。
次に吐き出された羊皮紙。
「ボーバトン代表、フルール・デラクール!」
大広間が華やかなざわめきに包まれる。彼女の美しさに息を呑む者も多かった。
そして三人目。
「ホグワーツ代表、セドリック・ディゴリー!」
生徒たちが総立ちとなり、堂々と歩み出る彼を称える。
ゴブレットの炎が不気味に唸り、再び大きく燃え上がった。 「もう終わったんじゃ……?」 生徒たちの声がざわめく中、宙へと弾き出された羊皮紙をダンブルドアが掴む。
「……ハリー・ポッター!」
大広間に大きなどよめきが走った。
「ありえない!」
「名前を入れれるはずがない!」
「二人目のホグワーツ代表!?」
混乱と驚愕が一気に広がる。
呆然と立ち尽くすハリー。視線は恐怖と好奇で絡みつき、空気は重苦しい緊張に包まれる。
壁際に座っていたイリスは、本から目線を外さず顔を上げることも無かった。
皆の盛り上がりは自分には関係ないと言わんばかりに……
しかし――終わりではなかった。
炎が再び揺れ、三度目の唸りを上げる。 赤く燃え上がった炎が、さらに一枚の羊皮紙を吐き出した。
ダンブルドアはそれを掴み、しばし黙して見つめた。 そして、静かに読み上げる。
「……イリス」
――沈黙。
水を打ったように大広間が凍りついた。 次いで、小さな囁きが波紋のように広がっていく。
「なに考えてんだ……」
「自分の力を過信してるんだろ」
「人間の大会に割り込むなんて、どれだけ自惚れてるんだ?」
「万能でもないくせに……」
それは驚きではなく、冷たい嘲笑と疑念。 羨望と恐怖が混じった、意地悪な声だった。
静まり返った空気に気づき、イリスは顔を上げた。 一斉に向けられる視線の重さに、胸がどくりと跳ねる。 本を閉じる手が震えた。
その時――ふと、一つの視線を感じた。 黒衣の影、スネイプ。 冷たい黒い瞳がこちらを見ていた。だがその奥に、ほんの一瞬だけ、別の色が宿っているのをイリスは見逃さなかった。
心臓がさらに強く脈打つ。 彼の視線は“冷笑”ではなく、まるで事態の成り行きを見極めようとする深い観察の眼だった。 ――そのわずかな揺らぎが、イリスを支える。
「イリス、こちらへ」
ダンブルドアの声が沈黙を破る。
石の床に響く足音が、異様な静けさを切り裂いていく。 前を歩くハリーの肩越しに、イリスは無意識に視線を落とした。
――私は、絶対に関わらないと決めていたのに。
胸の奥が冷たく凍りつき、足取りが重くなる。 それでも歩を止めず、ハリーと並び、控え室へと導かれていった。
背後では、まだ大広間のざわめきが収まらずに渦巻いていた。
大広間の空気は熱を帯びていた。 青い炎を揺らめかせるゴブレット・オブ・ファイアを前に、生徒たちは息をひそめ、次なる名前が吐き出される瞬間を待っている。
炎が爆ぜ、最初の羊皮紙が宙を舞った。
「ダームストラング代表、ヴィクトール・クラム!」
轟く拍手と黄色い悲鳴。女子生徒たちが立ち上がり、歓声を送る。
次に吐き出された羊皮紙。
「ボーバトン代表、フルール・デラクール!」
大広間が華やかなざわめきに包まれる。彼女の美しさに息を呑む者も多かった。
そして三人目。
「ホグワーツ代表、セドリック・ディゴリー!」
生徒たちが総立ちとなり、堂々と歩み出る彼を称える。
ゴブレットの炎が不気味に唸り、再び大きく燃え上がった。 「もう終わったんじゃ……?」 生徒たちの声がざわめく中、宙へと弾き出された羊皮紙をダンブルドアが掴む。
「……ハリー・ポッター!」
大広間に大きなどよめきが走った。
「ありえない!」
「名前を入れれるはずがない!」
「二人目のホグワーツ代表!?」
混乱と驚愕が一気に広がる。
呆然と立ち尽くすハリー。視線は恐怖と好奇で絡みつき、空気は重苦しい緊張に包まれる。
壁際に座っていたイリスは、本から目線を外さず顔を上げることも無かった。
皆の盛り上がりは自分には関係ないと言わんばかりに……
しかし――終わりではなかった。
炎が再び揺れ、三度目の唸りを上げる。 赤く燃え上がった炎が、さらに一枚の羊皮紙を吐き出した。
ダンブルドアはそれを掴み、しばし黙して見つめた。 そして、静かに読み上げる。
「……イリス」
――沈黙。
水を打ったように大広間が凍りついた。 次いで、小さな囁きが波紋のように広がっていく。
「なに考えてんだ……」
「自分の力を過信してるんだろ」
「人間の大会に割り込むなんて、どれだけ自惚れてるんだ?」
「万能でもないくせに……」
それは驚きではなく、冷たい嘲笑と疑念。 羨望と恐怖が混じった、意地悪な声だった。
静まり返った空気に気づき、イリスは顔を上げた。 一斉に向けられる視線の重さに、胸がどくりと跳ねる。 本を閉じる手が震えた。
その時――ふと、一つの視線を感じた。 黒衣の影、スネイプ。 冷たい黒い瞳がこちらを見ていた。だがその奥に、ほんの一瞬だけ、別の色が宿っているのをイリスは見逃さなかった。
心臓がさらに強く脈打つ。 彼の視線は“冷笑”ではなく、まるで事態の成り行きを見極めようとする深い観察の眼だった。 ――そのわずかな揺らぎが、イリスを支える。
「イリス、こちらへ」
ダンブルドアの声が沈黙を破る。
石の床に響く足音が、異様な静けさを切り裂いていく。 前を歩くハリーの肩越しに、イリスは無意識に視線を落とした。
――私は、絶対に関わらないと決めていたのに。
胸の奥が冷たく凍りつき、足取りが重くなる。 それでも歩を止めず、ハリーと並び、控え室へと導かれていった。
背後では、まだ大広間のざわめきが収まらずに渦巻いていた。
