第2章 炎のゴブレット
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第2話 闇の印と青き炎揺らめいて
大広間に全校生徒が集められた。ざわつきの中で、ロンが声をひそめながら興奮気味に話す。
「なあ、聞いたか? クィディッチ・ワールドカップで“闇の印”が出たんだ!」
「闇の印……?」
イリスが問い返すと、ハーマイオニーが真剣な表情で説明した。
「“ダークマーク”とも呼ばれるわ。髑髏の口から蛇が這い出す印……闇の魔法使いが人を殺した後、空に浮かべて恐怖を刻みつけるの。それにあの印は名前を言ってはいけないあの人の…ヴォルデモートの存在が強まってるって証にもなるのよ……。」
ロンが言葉を続ける。
「その通りさ。やつの力が弱い時は印も弱いんだけど、今回はその……ハッキリした印だっただろ?だから余計に騒ぎになってるらしいんだ」
「ヴォルデモート……」
ハリーの声は低く、震えていた。
「そいつはただの魔法使いじゃない。人を平然と殺して、従わない者を拷問して……魔法界を恐怖で支配しようとした。俺の両親を殺したのも、あいつだ」
ハーマイオニーも唇をかみしめる。
「一人や二人じゃないわ……数えきれない人たちが犠牲になったの。家族を失った人も、友を奪われた人も……魔法界中が怯えて暮らしていた。恐怖で人々を縛り、支配する道具にしたのよ……。」
「“名前を呼ぶのも恐ろしい”って言われるくらいの存在なんだ」 ロンが呟く。
――魔法界そのものを恐怖で縛り付けた存在。
イリスは愕然とした。 エルフの世界では“命を奪うこと”は最も禁忌とされている。ましてや、それを誇示し、恐怖で支配するなど想像を絶していた。
胸の奥に冷たい衝撃が広がる。 そんな存在が……この世界にはいたのか。
──
やがて、大広間の扉が開く。 先頭にダンブルドア。続いて優雅に入場するのはボーバトン校の生徒たちだった。絹のような衣装をまとい、整然と揃った仕草。場内はどよめきと拍手に包まれる。
次いで現れたのはダームストラング校の生徒たち。重いブーツの音を響かせ、火花を散らすように杖を振るう。その迫力に、空気が熱を帯びる。
「うわぁ……」
「すげぇ迫力……」
周囲が熱狂する中、イリスはその光景を冷静に見つめていた。
──
そして ゴブレット・オブ・ファイアが大広間に設置されると、生徒たちは興奮の渦に包まれた。ダンブルドアによって設けられた年齢線を超え、次々と自分の名前を羊皮紙に書き、青い炎へと投げ入れていく。
イリスは特にやることも無いため、ハリーたちの隣に座りただ興奮する生徒たちを眺めていた。
しかしその時──
「なぁ、エルフのお前も入れたらどうだ? 死なないんだろ?」
「そうそう。それとも死ぬのが怖いのか?エルフのくせにさ」
ダームストラングの男子生徒たちが、意地悪とも冗談ともつかない言葉を投げかけてくる。にやにやと笑いながら。
さらに、ボーバトンの女子生徒たちの視線が突き刺さった。
「何あれ、自分が美しいと分かっているからわざわざ声かけられる所にいたのよ。」
「ただ座っているだけで目立とうなんて、ずるいわ。エルフならもっと姿を隠してればいいのにね。」
「それとも、目立ちたがり屋で故郷を追い出されたのかしらね。だってその証拠にあのエルフ以外の存在って聞かないもの。」
その声音には嫉妬が混じっていた。 ヒソヒソと耳打ちし合い、悪意を含む視線、笑みを送ってくる。
イリスは瞳を伏せ、何も答えず大広間を後にした。 大広間から出て階段を登っている時、その背を追うように低い声が響いた。
「くだらぬ連中だ」
振り返ると黒衣の影――スネイプだった。 冷ややかに周囲を睨み、鼻で笑う。
「耳を貸すな。価値ある言葉ではない」
その声音は相変わらず冷たい。だが、イリスにはそこに淡い庇護の気配が感じられた。
イリスは首を縦に振る。 あの数々の言葉に傷ついた訳では無いが、気持ちのいいものでは無い。モヤついた心がスネイプの言葉で落ち着いたような気がした。
──
やがて24時間が経ち生徒たちは再び大広間に集められる。 ゴブレットの青い炎が揺れ、空気は張り詰めていく。
イリスは壁際に腰掛け、本を開いていた。 熱狂からは距離を置き、ページをめくる音だけが静かに響く。
そして――炎が高く燃え上がり、最初の羊皮紙が宙へと吐き出された。
「まず一人目は……」
ダンブルドアの声が大広間に響き渡った。
大広間に全校生徒が集められた。ざわつきの中で、ロンが声をひそめながら興奮気味に話す。
「なあ、聞いたか? クィディッチ・ワールドカップで“闇の印”が出たんだ!」
「闇の印……?」
イリスが問い返すと、ハーマイオニーが真剣な表情で説明した。
「“ダークマーク”とも呼ばれるわ。髑髏の口から蛇が這い出す印……闇の魔法使いが人を殺した後、空に浮かべて恐怖を刻みつけるの。それにあの印は名前を言ってはいけないあの人の…ヴォルデモートの存在が強まってるって証にもなるのよ……。」
ロンが言葉を続ける。
「その通りさ。やつの力が弱い時は印も弱いんだけど、今回はその……ハッキリした印だっただろ?だから余計に騒ぎになってるらしいんだ」
「ヴォルデモート……」
ハリーの声は低く、震えていた。
「そいつはただの魔法使いじゃない。人を平然と殺して、従わない者を拷問して……魔法界を恐怖で支配しようとした。俺の両親を殺したのも、あいつだ」
ハーマイオニーも唇をかみしめる。
「一人や二人じゃないわ……数えきれない人たちが犠牲になったの。家族を失った人も、友を奪われた人も……魔法界中が怯えて暮らしていた。恐怖で人々を縛り、支配する道具にしたのよ……。」
「“名前を呼ぶのも恐ろしい”って言われるくらいの存在なんだ」 ロンが呟く。
――魔法界そのものを恐怖で縛り付けた存在。
イリスは愕然とした。 エルフの世界では“命を奪うこと”は最も禁忌とされている。ましてや、それを誇示し、恐怖で支配するなど想像を絶していた。
胸の奥に冷たい衝撃が広がる。 そんな存在が……この世界にはいたのか。
──
やがて、大広間の扉が開く。 先頭にダンブルドア。続いて優雅に入場するのはボーバトン校の生徒たちだった。絹のような衣装をまとい、整然と揃った仕草。場内はどよめきと拍手に包まれる。
次いで現れたのはダームストラング校の生徒たち。重いブーツの音を響かせ、火花を散らすように杖を振るう。その迫力に、空気が熱を帯びる。
「うわぁ……」
「すげぇ迫力……」
周囲が熱狂する中、イリスはその光景を冷静に見つめていた。
──
そして ゴブレット・オブ・ファイアが大広間に設置されると、生徒たちは興奮の渦に包まれた。ダンブルドアによって設けられた年齢線を超え、次々と自分の名前を羊皮紙に書き、青い炎へと投げ入れていく。
イリスは特にやることも無いため、ハリーたちの隣に座りただ興奮する生徒たちを眺めていた。
しかしその時──
「なぁ、エルフのお前も入れたらどうだ? 死なないんだろ?」
「そうそう。それとも死ぬのが怖いのか?エルフのくせにさ」
ダームストラングの男子生徒たちが、意地悪とも冗談ともつかない言葉を投げかけてくる。にやにやと笑いながら。
さらに、ボーバトンの女子生徒たちの視線が突き刺さった。
「何あれ、自分が美しいと分かっているからわざわざ声かけられる所にいたのよ。」
「ただ座っているだけで目立とうなんて、ずるいわ。エルフならもっと姿を隠してればいいのにね。」
「それとも、目立ちたがり屋で故郷を追い出されたのかしらね。だってその証拠にあのエルフ以外の存在って聞かないもの。」
その声音には嫉妬が混じっていた。 ヒソヒソと耳打ちし合い、悪意を含む視線、笑みを送ってくる。
イリスは瞳を伏せ、何も答えず大広間を後にした。 大広間から出て階段を登っている時、その背を追うように低い声が響いた。
「くだらぬ連中だ」
振り返ると黒衣の影――スネイプだった。 冷ややかに周囲を睨み、鼻で笑う。
「耳を貸すな。価値ある言葉ではない」
その声音は相変わらず冷たい。だが、イリスにはそこに淡い庇護の気配が感じられた。
イリスは首を縦に振る。 あの数々の言葉に傷ついた訳では無いが、気持ちのいいものでは無い。モヤついた心がスネイプの言葉で落ち着いたような気がした。
──
やがて24時間が経ち生徒たちは再び大広間に集められる。 ゴブレットの青い炎が揺れ、空気は張り詰めていく。
イリスは壁際に腰掛け、本を開いていた。 熱狂からは距離を置き、ページをめくる音だけが静かに響く。
そして――炎が高く燃え上がり、最初の羊皮紙が宙へと吐き出された。
「まず一人目は……」
ダンブルドアの声が大広間に響き渡った。
