特別編
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第6話 怒りに晒されて
戦いが終わって、どれほどの時が過ぎただろう。
瓦礫の中に残る焦げた匂いと、崩れた壁の隙間から吹く冷たい風。
静まり返った城の中に、かすかな靴音が響いていた。
イリスとスネイプのもとに、ハリー、ハーマイオニー、ロンが現れた。
扉を開けて入ってきた三人の顔には、疲労と悲しみの色がまだ残っていた。
けれど、二人の姿を目にした瞬間、その陰は消えた。
「イリス!!!」
ハーマイオニーが駆け寄り、涙を浮かべて抱きしめる。
「生きてたの……本当に……良かった!」
イリスはその背を優しく擦りながら微笑む。
「セブルスのくれたネックレスの宝石が、助けてくれたの。
私の魔力を補って、彼も救ってくれたの。」
ロンが目を丸くして声を上げた。
「そんなこと、有り得るのか?」
「分からない……。
でも、私たちは助かって、宝石は粉々に砕けたの。」
「……そんなことも想像がつかぬのか。」
低い声が部屋に落ちた。
スネイプだった。
鼻を鳴らし、イリスの肩を引き寄せ、ハーマイオニーから引き剥がす。
その手つきは乱暴ではない。
イリスを自身の隣に寄せたあと微かに指先に力がこもる。
まるで誰にも渡すまいとするかのように…。
「ポッターが死の呪文を受けても生き延びた。二度もだ。ありえぬことだが、現実だ。
……ゆえにイリスの言葉を笑うほど、貴様らは愚かではあるまい?」
ロンが言葉に詰まり、視線を逸らす。
スネイプは俯くロンをじっと睨みつけていた。
そんな様子にハリーは小さく息を吐いて口を開いた。
「……イリス、スネイプ先生。僕たちと来てくれませんか。」
「断る。」
その一言に、場の空気が張りつめた。
ハリーが息を呑み、ハーマイオニーが不安そうに二人を見つめる。
だが、イリスはその反応を予期していたようにスネイプの裾を掴む。
「セブルス、行きましょう。」
「……その必要はない。もう十分だろう。」
「まだ、誤解が残っている。
あなたが何のために戦ったのか、この世界は知らないままよ。」
スネイプは目を伏せる。
沈黙の間に、外の風が窓を震わせた。
「我輩が何をしてきたかを知られたところで、誰が救われる?」
ハリーが一歩、彼の方へ進み出る。
「みんなです。
……あなたのことを、僕はちゃんと伝えたい。」
スネイプの唇がわずかに歪んだ。
皮肉な笑みが、痛みを隠すように浮かぶ。
「……やはりお前は、リリーに似ている。
お節介なところまで、そっくりだ。」
イリスが彼の手に触れる。
「セブルス。
あなたが望まなくても、世界があなたを赦す時が来ている。
それを“見る権利”が、あなたにはあるわ。」
短い沈黙。
スネイプは深く息を吐き、目を閉じた。
「……まったく。
お前が言うから、仕方なく行くだけだ。
勘違いするな、我輩は赦しなど求めていない。」
イリスが小さく笑う。
「分かってる。でも、それでも行きましょう。」
スネイプは鼻を鳴らし、小さく「ふん」と笑った。
そして二人は互いを支え合いながら、満身創痍の体で歩き出した。
ハリーたちもその横に並び、静かに支えた。
───
崩れた玄関ホールを抜けると、外の空気が流れ込んだ。
煙の匂いと血の残り香の中、夜明けの光が差し込む。
二人はゆっくりと階段を下り、広場へと足を踏み出した。
そこでは、生き残った者たちが喜びに声を上げていた。
だが、イリスとスネイプが日の光の下に姿を現した瞬間広間のざわめきが止まった。
生き残った生徒や教師たちの視線が一斉に向けられる。
静寂。
その静寂が、刃よりも冷たかった。
「お前のせいで俺たちは……。
許さないぞ、スネイプ!!」
誰かの怒号が響き、次々と声が重なる。
その中には、イリスへ向けられた非難も混じっていた。
だが、遥かに彼へのものが多かった。
イリスは唇を噛み、何も言わなかった。
弁明は、ただ憎しみを煽るだけだと分かっていた。
だから、沈黙を選んだ。
スネイプを支える手に力がこもる。
「イリス、気にするな。
我輩は、お前が理解してくれていればそれで良い。」
低く、掠れた声。
イリスは小さく頷いた。
人々の視線が針のように刺さる中、
ハリーが一歩、前に出た。
その背に射す光が、冷たい空気を切り裂くように広間を照らす。
戦いが終わって、どれほどの時が過ぎただろう。
瓦礫の中に残る焦げた匂いと、崩れた壁の隙間から吹く冷たい風。
静まり返った城の中に、かすかな靴音が響いていた。
イリスとスネイプのもとに、ハリー、ハーマイオニー、ロンが現れた。
扉を開けて入ってきた三人の顔には、疲労と悲しみの色がまだ残っていた。
けれど、二人の姿を目にした瞬間、その陰は消えた。
「イリス!!!」
ハーマイオニーが駆け寄り、涙を浮かべて抱きしめる。
「生きてたの……本当に……良かった!」
イリスはその背を優しく擦りながら微笑む。
「セブルスのくれたネックレスの宝石が、助けてくれたの。
私の魔力を補って、彼も救ってくれたの。」
ロンが目を丸くして声を上げた。
「そんなこと、有り得るのか?」
「分からない……。
でも、私たちは助かって、宝石は粉々に砕けたの。」
「……そんなことも想像がつかぬのか。」
低い声が部屋に落ちた。
スネイプだった。
鼻を鳴らし、イリスの肩を引き寄せ、ハーマイオニーから引き剥がす。
その手つきは乱暴ではない。
イリスを自身の隣に寄せたあと微かに指先に力がこもる。
まるで誰にも渡すまいとするかのように…。
「ポッターが死の呪文を受けても生き延びた。二度もだ。ありえぬことだが、現実だ。
……ゆえにイリスの言葉を笑うほど、貴様らは愚かではあるまい?」
ロンが言葉に詰まり、視線を逸らす。
スネイプは俯くロンをじっと睨みつけていた。
そんな様子にハリーは小さく息を吐いて口を開いた。
「……イリス、スネイプ先生。僕たちと来てくれませんか。」
「断る。」
その一言に、場の空気が張りつめた。
ハリーが息を呑み、ハーマイオニーが不安そうに二人を見つめる。
だが、イリスはその反応を予期していたようにスネイプの裾を掴む。
「セブルス、行きましょう。」
「……その必要はない。もう十分だろう。」
「まだ、誤解が残っている。
あなたが何のために戦ったのか、この世界は知らないままよ。」
スネイプは目を伏せる。
沈黙の間に、外の風が窓を震わせた。
「我輩が何をしてきたかを知られたところで、誰が救われる?」
ハリーが一歩、彼の方へ進み出る。
「みんなです。
……あなたのことを、僕はちゃんと伝えたい。」
スネイプの唇がわずかに歪んだ。
皮肉な笑みが、痛みを隠すように浮かぶ。
「……やはりお前は、リリーに似ている。
お節介なところまで、そっくりだ。」
イリスが彼の手に触れる。
「セブルス。
あなたが望まなくても、世界があなたを赦す時が来ている。
それを“見る権利”が、あなたにはあるわ。」
短い沈黙。
スネイプは深く息を吐き、目を閉じた。
「……まったく。
お前が言うから、仕方なく行くだけだ。
勘違いするな、我輩は赦しなど求めていない。」
イリスが小さく笑う。
「分かってる。でも、それでも行きましょう。」
スネイプは鼻を鳴らし、小さく「ふん」と笑った。
そして二人は互いを支え合いながら、満身創痍の体で歩き出した。
ハリーたちもその横に並び、静かに支えた。
───
崩れた玄関ホールを抜けると、外の空気が流れ込んだ。
煙の匂いと血の残り香の中、夜明けの光が差し込む。
二人はゆっくりと階段を下り、広場へと足を踏み出した。
そこでは、生き残った者たちが喜びに声を上げていた。
だが、イリスとスネイプが日の光の下に姿を現した瞬間広間のざわめきが止まった。
生き残った生徒や教師たちの視線が一斉に向けられる。
静寂。
その静寂が、刃よりも冷たかった。
「お前のせいで俺たちは……。
許さないぞ、スネイプ!!」
誰かの怒号が響き、次々と声が重なる。
その中には、イリスへ向けられた非難も混じっていた。
だが、遥かに彼へのものが多かった。
イリスは唇を噛み、何も言わなかった。
弁明は、ただ憎しみを煽るだけだと分かっていた。
だから、沈黙を選んだ。
スネイプを支える手に力がこもる。
「イリス、気にするな。
我輩は、お前が理解してくれていればそれで良い。」
低く、掠れた声。
イリスは小さく頷いた。
人々の視線が針のように刺さる中、
ハリーが一歩、前に出た。
その背に射す光が、冷たい空気を切り裂くように広間を照らす。
