第5章 死の秘宝
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
第9話 決別の夜
夜の帳が校舎を包み、雪が窓の外に静かに降り続いていた。
グリフィンドールの談話室では、暖炉の火がまだ赤く揺れている。
笑い声は消え、今は小さな囁きだけが残っていた。
その穏やかな時間の中で、突然扉が荒々しく開けられ入ってきたのは息を荒らげているグリフィンドール生だった。
「スネイプが大広間に来るようにって!みんな集められてる!」
その言葉を聞き騒然とする。
ハリーはそれを聞くなり立ち上がる。
表情は硬く、何かを決意しているようだった。
「……イリス。今夜、不死鳥の騎士団も来る。僕たちは、戦う。」
ハリーの声はどこか悲しみを帯びていた。
ハーマイオニーとロンがその言葉に頷く。
空気が冷たく張りつめる中、イリスはゆっくりと立ち上がった。
「君には、まだ話せないことがある。
でも……これは終わらせるためなんだ。」
「そう。」
イリスは悟った。長らく友として過ごしてきた人達と、今日が決別の夜になると。
イリスは短く返事し、静かに微笑んだ。
「……あなたを裏切るわけじゃない。
でも、私にも私の作戦があるの。
邪魔はしない……だけど、ごめんね。」
ハリーは何かを言おうとした。
だが、その声を聞く前に、イリスは背を向けた。
そのまま足音を立てずに談話室を後にする。
───
大広間は、異様なほど静まり返っていた。
吹き抜けの天井の下、無数の松明が冷たい光を放っている。
スネイプが壇上に立ち、黒い瞳で集まった全員を見下ろしていた。
「なぜこんな時間に呼び出されたのか、不思議に思う者もいよう。」
その声は低く、鋭く響いた。
イリスは人の群れの中に紛れ込み、静かに息を潜めた。
「聞くところによれば──ポッターがホグズミードに現れたそうだ。
もし、生徒でも教師でも、ポッターを手助けした者がいれば……
その罪の重さに応じて罰を与える。
また、この件に関して情報を持ちながら報告しない者も、同様だ。」
張り詰めた沈黙が広がる。
その場の空気は冷たく、誰もが息を潜めた。
スネイプはゆっくりと列の間を歩く。
その一歩ごとに、床の音が重く響く。
「さて。ポッターの行方を知る者がいれば……今、名乗り出るがいい。」
その時、列の奥から声がした。
「ここは厳重に守られているようですが、警備に穴があるようですね校長。」
その声とともに、人垣が割れた。
ハリーが姿を現す。
次の瞬間、大広間の扉が勢いよく開き、不死鳥の騎士団がなだれ込む。
キングズリー、ルーピン、ニンファドーラ、ほかの仲間たちが杖を構える。
「それも致命的な穴が!」
ハリーの叫びが広間に響く。
「良くも校長の座に居座ったな!
お前はあの夜ダンブルドアを裏切り、殺した!!」
スネイプの表情は動かない。
その黒い瞳だけが、何かを抑えるように揺れていた。
ハリーが杖を構えた瞬間、スネイプもまた、反射的に腕を上げる。
だが、その前にマクゴナガルが一歩前へ出た。
「この子に手を出すことは許さない、セブルス!」
松明の炎が揺れスネイプの顔を僅かに照らす。
その表情には微かに動揺が浮かんでいた。
しかしマクゴナガルは容赦なくスネイプへ杖を向ける。
数秒見つめあった2人。
マクゴナガルは声もなく杖先から閃光を走らせる。
スネイプはそれを避け、防御の魔法で受け止める。
彼は一度も反撃しない。
ただ、防ぎ、かわし、後退を続ける。
火花が宙を舞い、壁にぶつかっては破裂し、石の壁や床を焦がす。
生徒たちは悲鳴を上げて後ずさった。
イリスはその光景を見つめながら、彼の動きを追っていた。
離れすぎないように。
スネイプは、攻撃を受けながらも、教師たちや生徒たちのいる方へは一度も杖を向けなかった。
マクゴナガルの魔法が再び放たれた瞬間、スネイプは体を翻し、その光線を横合いに立っていたカロー兄妹へと流す。
二人が悲鳴を上げて倒れ、スネイプはその瞬間杖を下げた。
──逃げる気だ。
これ以上、誰かが傷つく前に。
不死鳥の騎士団も立ち上がり、カロー兄妹が倒れた今、この場は彼の手を離れても崩れない。
その一瞬の動きを見逃さず、イリスは走り出していた。
生徒たちの列を縫い、黒い影のようにスネイプの方へ。
スネイプはローブを翻し、窓辺へと向かう。
そして、杖を握る手をわずかに震わせた。
黒い煙が彼の体を包み込み始める。
その瞬間イリスの手がスネイプのローブを掴んだ。
黒煙の中に身を投じ、姿を消す。
「イリス!!」
ハリーの叫びが背後から響いた。
───
雷鳴のように風が唸り、雪が枝を揺らす。
禁じられた森の奥深く、スネイプは重く息を吐きながら着地した。
ローブの裾が風に揺れる。
そのすぐ後ろに、倒れ込むように着地する影。
イリスだった。
スネイプは驚きと怒りを隠せない表情で振り返る。
その黒い瞳が、彼女を射抜く。
イリスは静かにその視線を受け止めた。
逃げず、逸らさず、ただ真っ直ぐに見つめ返す。
雪の降りしきる森の中で、冷たい空気が見つめ合う2人の間を流れゆくのだった。
夜の帳が校舎を包み、雪が窓の外に静かに降り続いていた。
グリフィンドールの談話室では、暖炉の火がまだ赤く揺れている。
笑い声は消え、今は小さな囁きだけが残っていた。
その穏やかな時間の中で、突然扉が荒々しく開けられ入ってきたのは息を荒らげているグリフィンドール生だった。
「スネイプが大広間に来るようにって!みんな集められてる!」
その言葉を聞き騒然とする。
ハリーはそれを聞くなり立ち上がる。
表情は硬く、何かを決意しているようだった。
「……イリス。今夜、不死鳥の騎士団も来る。僕たちは、戦う。」
ハリーの声はどこか悲しみを帯びていた。
ハーマイオニーとロンがその言葉に頷く。
空気が冷たく張りつめる中、イリスはゆっくりと立ち上がった。
「君には、まだ話せないことがある。
でも……これは終わらせるためなんだ。」
「そう。」
イリスは悟った。長らく友として過ごしてきた人達と、今日が決別の夜になると。
イリスは短く返事し、静かに微笑んだ。
「……あなたを裏切るわけじゃない。
でも、私にも私の作戦があるの。
邪魔はしない……だけど、ごめんね。」
ハリーは何かを言おうとした。
だが、その声を聞く前に、イリスは背を向けた。
そのまま足音を立てずに談話室を後にする。
───
大広間は、異様なほど静まり返っていた。
吹き抜けの天井の下、無数の松明が冷たい光を放っている。
スネイプが壇上に立ち、黒い瞳で集まった全員を見下ろしていた。
「なぜこんな時間に呼び出されたのか、不思議に思う者もいよう。」
その声は低く、鋭く響いた。
イリスは人の群れの中に紛れ込み、静かに息を潜めた。
「聞くところによれば──ポッターがホグズミードに現れたそうだ。
もし、生徒でも教師でも、ポッターを手助けした者がいれば……
その罪の重さに応じて罰を与える。
また、この件に関して情報を持ちながら報告しない者も、同様だ。」
張り詰めた沈黙が広がる。
その場の空気は冷たく、誰もが息を潜めた。
スネイプはゆっくりと列の間を歩く。
その一歩ごとに、床の音が重く響く。
「さて。ポッターの行方を知る者がいれば……今、名乗り出るがいい。」
その時、列の奥から声がした。
「ここは厳重に守られているようですが、警備に穴があるようですね校長。」
その声とともに、人垣が割れた。
ハリーが姿を現す。
次の瞬間、大広間の扉が勢いよく開き、不死鳥の騎士団がなだれ込む。
キングズリー、ルーピン、ニンファドーラ、ほかの仲間たちが杖を構える。
「それも致命的な穴が!」
ハリーの叫びが広間に響く。
「良くも校長の座に居座ったな!
お前はあの夜ダンブルドアを裏切り、殺した!!」
スネイプの表情は動かない。
その黒い瞳だけが、何かを抑えるように揺れていた。
ハリーが杖を構えた瞬間、スネイプもまた、反射的に腕を上げる。
だが、その前にマクゴナガルが一歩前へ出た。
「この子に手を出すことは許さない、セブルス!」
松明の炎が揺れスネイプの顔を僅かに照らす。
その表情には微かに動揺が浮かんでいた。
しかしマクゴナガルは容赦なくスネイプへ杖を向ける。
数秒見つめあった2人。
マクゴナガルは声もなく杖先から閃光を走らせる。
スネイプはそれを避け、防御の魔法で受け止める。
彼は一度も反撃しない。
ただ、防ぎ、かわし、後退を続ける。
火花が宙を舞い、壁にぶつかっては破裂し、石の壁や床を焦がす。
生徒たちは悲鳴を上げて後ずさった。
イリスはその光景を見つめながら、彼の動きを追っていた。
離れすぎないように。
スネイプは、攻撃を受けながらも、教師たちや生徒たちのいる方へは一度も杖を向けなかった。
マクゴナガルの魔法が再び放たれた瞬間、スネイプは体を翻し、その光線を横合いに立っていたカロー兄妹へと流す。
二人が悲鳴を上げて倒れ、スネイプはその瞬間杖を下げた。
──逃げる気だ。
これ以上、誰かが傷つく前に。
不死鳥の騎士団も立ち上がり、カロー兄妹が倒れた今、この場は彼の手を離れても崩れない。
その一瞬の動きを見逃さず、イリスは走り出していた。
生徒たちの列を縫い、黒い影のようにスネイプの方へ。
スネイプはローブを翻し、窓辺へと向かう。
そして、杖を握る手をわずかに震わせた。
黒い煙が彼の体を包み込み始める。
その瞬間イリスの手がスネイプのローブを掴んだ。
黒煙の中に身を投じ、姿を消す。
「イリス!!」
ハリーの叫びが背後から響いた。
───
雷鳴のように風が唸り、雪が枝を揺らす。
禁じられた森の奥深く、スネイプは重く息を吐きながら着地した。
ローブの裾が風に揺れる。
そのすぐ後ろに、倒れ込むように着地する影。
イリスだった。
スネイプは驚きと怒りを隠せない表情で振り返る。
その黒い瞳が、彼女を射抜く。
イリスは静かにその視線を受け止めた。
逃げず、逸らさず、ただ真っ直ぐに見つめ返す。
雪の降りしきる森の中で、冷たい空気が見つめ合う2人の間を流れゆくのだった。
