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ONE PIECE








あれから数日が経った。
口に出したらやらなければいけない義務感が生まれ、すぐに働けすぐに給料が入る派遣の仕事を始めた。今月末に払えないと行けないので来月給料などでは遅いからだ。
家にしばらくこもっていたために体力も落ち、筋力も落ちていた。
工場の単調な作業でも終わる頃にはフラフラになりながら帰った。
入れる仕事はとりあえず入った。方向音痴なために迷子になる時間も含めて早めに家を出ることを考え早めに起床することが多分1番辛かった。
高校を卒業してからというもの飲食店だけで働いていた。接客はある程度形にはなっていたものの、それとは関係のない仕事をするのは新鮮だった。細かい作業をするのも単調な作業も嫌いではなかった。
そんな派遣の仕事を続けて1週間弱経った。
初めて給料を受け取りに行き、もらった給料を財布へしまう。
家賃はどうにかできそうだ。
ただ、今後の生活費が不安である。もう少し、根を詰めて仕事をしなくてはならない。
そして1番の課題は住居だ。どこか格安物件を探さなくては、と考え頭を悩ます。




『…………。そうだ。』





私にふと考えがよぎった。
本来ならば最終手段であるような考えではあるが、私にとっては1番の最善手であった。
帰路を急ぎ、部屋へ駆け込む。鞄を投げ捨て、自分の中ではまともな服を着飾り、携帯で写真を起動して上から盛り盛りの写真を撮った。そしてその写真を加工し、とりあえず様になった写真を保存して、とあるアプリをインストールした。
そのアプリはチャットアプリ。
不特定多数の人が匿名で会話や相談などをし合うアプリだ。年齢も男女も職種や目的なども様々な人たち。
地元から移ったときに、友達でもできないかと少しだけやったことがあるが、想像通り下心しかない人たちで溢れかえっていたために数日で辞めた記憶がある。
だが、今の私ならここで拾ってくれる人がいるかもしれないと考えたのである。普通の人だったら頭がトチ狂ったとでも思うのだろう。
貯金も無く、身内に頼れる人もおらず、こんな状態で家を借りれるかと言えば無理な可能性のほうが高い今、家賃を折半でもしてくれてお金を貯める間だけでも住まわしてくれる人を探すことを思いついたのだ。
インストールが終わり、かんたんなプロフィールを書き込んで先程の写真を選択し、登録をした。
あとは適当に呟けば、返信がちらほらくるだろうと待機する。
呟いてから1分も経たずに返信はきた。だがどれもこれも下心があるであろう返信ばかり。
肩を落として諦めかける。
とりあえず、とりあえず1日だけでも探してみよう。そのついでに友達ができたらいいな、と半ば諦めながらタオルと下着を持って浴室へと向かった。








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