倖田に手を撫でられることに嫌悪感を感じながら朱音は、今日のパーティーの話題に移った。
「社長〜、今日はずぅーーと一緒に居られますか？」
「今日は、夕方から会社のパーティーがあってね。パーティーが終わってから可愛がってあげよう。」

(きたきた。そのパーティーに参加したいのよ)

朱音は倖田の耳元に唇を寄せ、耳に息を吹きかけるように囁いた。

「私たち、いつか夫婦になるのよね？ 私、パーティーに参加してみたいわ」
「いや〜……今日は堅苦しいパーティーだから、また奈津美の楽しめるパーティーを開いてあげるよ」
「……もちろん、そのパーティーにも行きたいわ！ありがとう。
でも、私、貴方が社長として振舞っている姿を見たいのよ。貴方のために目一杯オシャレをするわ、自慢になれるように。だめ？？」

朱音は上目遣いで倖田を見つめた。
倖田は自分の評判が全てで、周りの者に自慢できる話題があることが何よりのステータスだと思っている男だ。
朱音の発した、自慢という言葉に反応し、ニヤリと口角をあげた。

「そうか。ならば、私のいうドレスを着てくれると言うなら、参加してもいいぞ。」
「ほんとう？ 嬉しい！ありがとう、社長♡」