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「………るい…………たくない…」
ベッドサイドのランプしか付いていない薄暗い部屋。
ヒソヒソと誰かの話す声に目が覚めた。
意識がはっきりしてくるにつれて、どこで誰が話しているかわかってきた。
朱音は生まれつき聴力が異常によく、二つ横の部屋にいる両親の話し声が聞こえてしまっていた。
6歳の朱音は、好奇心から話を聞こうとベッドに座り直し目を閉じた。
目を閉じるのは朱音が集中するときのくせだ。
少しすると、母親の感情の昂ぶったような声が聞こえてきた。
「あの子と暮らすのはもう嫌…!!あの子は化け物よ! 私、怖いわ!」
裏返る声、漏れる嗚咽、聴きたくない言葉の数々。
朱音は心臓を握り潰されるような痛みを感じ、いつのまにか涙が溢れでた。
ピピピ………ピピピ………
規則的な機械音で夢から目覚め、さっとケータイのアラームを消した。
「またあの夢。最近みてなかったのに…」
額にじとっと滲んだ汗を手のひらで拭き、重たい身体を起こした。時計は11時をさしていた。
組織に入って3年。
汚い仕事も沢山経験して、それなりに信頼を得ている。組織のメンバーには妹のように可愛がってもらっていた。
「今日の仕事は……… 倖田との食事かぁ。」
倖田とは、ホテル経営をしている社長だ。裏で拳銃の売買を行っており、組織にも協力させているが最近、組織を裏切るのではないかと思われているため、倖田の側で見張りと情報収集を行う任務を任されていた。
朱音は今日着ていく服を頭の中で想像しながら、電気ポットのスイッチを入れ、最近ベルモットにもらったハーブティをカップに入れた。
洗面所で顔を洗い、少し跡のついている髪を軽くコテで巻いた。
真っ黒で腰まである艶やかな髪はベルモットに憧れてから一度も変えていない朱音のチャームポイントだ。
髪をコテで巻いていると、朱音の携帯が震えた。組織からのメールだ。
⦅今日18時、倖田主催のパーティーに参加しろ。ブツの受け渡し有り。⦆
要件だけの素っ気ないメール。ジンからの連絡だ。
朱音はメールの内容を覚えるとすぐに消去した。
タイミングよくお湯が沸いた音が聞こえ、ハーブティにお湯を注ぐ。
リビングにある鏡台に座り、化粧を始めた。
化粧はベルモットに教わり、かなり上手く出来るようになった。
今日は色気のある目元に真っ赤なリップ。倖田の好きな、セクシーな大人の女性に見えるメイクだ。
時計を確認すると11時40分。
そろそろ出掛けなければならないので、クローゼを開け、黒の花柄ワンピースを選び、10センチ以上ある高めのパンプスを履いた。
車の鍵と耳栓代わりのイヤホンをカバンに入れ、ドアを閉めた。
朱音が住んでいるのは都内の高級マンションで、地下に車庫が完備されている。
朱音は愛車レクサスRCに乗り込み、エンジンをかけた。
静かな駐車場をタイヤが悲鳴をあげながら猛スピードで出て行った。
ベッドサイドのランプしか付いていない薄暗い部屋。
ヒソヒソと誰かの話す声に目が覚めた。
意識がはっきりしてくるにつれて、どこで誰が話しているかわかってきた。
朱音は生まれつき聴力が異常によく、二つ横の部屋にいる両親の話し声が聞こえてしまっていた。
6歳の朱音は、好奇心から話を聞こうとベッドに座り直し目を閉じた。
目を閉じるのは朱音が集中するときのくせだ。
少しすると、母親の感情の昂ぶったような声が聞こえてきた。
「あの子と暮らすのはもう嫌…!!あの子は化け物よ! 私、怖いわ!」
裏返る声、漏れる嗚咽、聴きたくない言葉の数々。
朱音は心臓を握り潰されるような痛みを感じ、いつのまにか涙が溢れでた。
ピピピ………ピピピ………
規則的な機械音で夢から目覚め、さっとケータイのアラームを消した。
「またあの夢。最近みてなかったのに…」
額にじとっと滲んだ汗を手のひらで拭き、重たい身体を起こした。時計は11時をさしていた。
組織に入って3年。
汚い仕事も沢山経験して、それなりに信頼を得ている。組織のメンバーには妹のように可愛がってもらっていた。
「今日の仕事は……… 倖田との食事かぁ。」
倖田とは、ホテル経営をしている社長だ。裏で拳銃の売買を行っており、組織にも協力させているが最近、組織を裏切るのではないかと思われているため、倖田の側で見張りと情報収集を行う任務を任されていた。
朱音は今日着ていく服を頭の中で想像しながら、電気ポットのスイッチを入れ、最近ベルモットにもらったハーブティをカップに入れた。
洗面所で顔を洗い、少し跡のついている髪を軽くコテで巻いた。
真っ黒で腰まである艶やかな髪はベルモットに憧れてから一度も変えていない朱音のチャームポイントだ。
髪をコテで巻いていると、朱音の携帯が震えた。組織からのメールだ。
⦅今日18時、倖田主催のパーティーに参加しろ。ブツの受け渡し有り。⦆
要件だけの素っ気ないメール。ジンからの連絡だ。
朱音はメールの内容を覚えるとすぐに消去した。
タイミングよくお湯が沸いた音が聞こえ、ハーブティにお湯を注ぐ。
リビングにある鏡台に座り、化粧を始めた。
化粧はベルモットに教わり、かなり上手く出来るようになった。
今日は色気のある目元に真っ赤なリップ。倖田の好きな、セクシーな大人の女性に見えるメイクだ。
時計を確認すると11時40分。
そろそろ出掛けなければならないので、クローゼを開け、黒の花柄ワンピースを選び、10センチ以上ある高めのパンプスを履いた。
車の鍵と耳栓代わりのイヤホンをカバンに入れ、ドアを閉めた。
朱音が住んでいるのは都内の高級マンションで、地下に車庫が完備されている。
朱音は愛車レクサスRCに乗り込み、エンジンをかけた。
静かな駐車場をタイヤが悲鳴をあげながら猛スピードで出て行った。
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