ストーカーの愛情/朔空 甘夢
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最近の私の周りはとても静かでうるさくない
その理由は簡単、いつも私の警備だとか言ってストーカー行為を繰り返してる朔空君がいないから
そしてその朔空君がいない理由は、今Alchemistの新曲のPVを撮るために海外に撮影に行っているから
「1ヶ月もプロデューサーちゃんに会えないなんて俺にとっては空気を奪われたみたいなもんだよ…」
そう言ってこの世の終わりのような顔で飛行機に乗り込んだ彼は1ヶ月は帰ってこない
人から見られていないプライベートがこんなに久しぶりだったのに驚くところだが、ホントに朔空君が近くにいない事をやっと実感している
近くにはいないが、彼から毎日電話もメールもくる
もちろんこちらから電話、メールをすればすぐに返事はくる
そんな毎日だが最近気がついた事がある
私がストーカーされている事に
もちろん朔空君ではない誰かに
こういう仕事をしているから毎日同じ時間で行動する事がほぼないのに、どの時間、どの電車、どの道を通っても同じおじさんを見かける
最初は見かける程度だったのがどんどんエスカレートしてきて、家の近くのコンビニにいることも、時には住んでいるマンションの前にいることも、最近では時々挨拶をされる
怖くなってきたけどAlchemistに限らず他のアイチュウの子達も忙しくなってきて大切な時期だからこそ自分のプライベートの事なんかで台無しにしたくはない
あまり気にしないようにして仕事を進めよう
そう思って日々を過ごしていたある日、今日は確実に徹夜で泊まりになるということが確定した
そんな時朔空君から電話がかかってきた
「みかんー!明日には帰れると思うよ!やっと会えるね♪一番にみかんに会いに行くから楽しみにしててね♪」
少しだけ話をしたらすぐに電話を切ってすぐに仕事にとりかかる
明日帰ってくるなら早く仕事を終わらせて一度家に帰って仮眠を取りたい、お風呂も入らないと、そう考えて仕事を進める
もの凄いスピードで仕事に取りかかったのだが徹夜をするほどの量があったために終わったのは朝の8時だった
帰ってくる飛行機の便は13時着の便だったので家に帰って仮眠をしてから迎えに行こうと思って急いで家路につく
最寄りの駅を降りたところで気がつく
「あのおじさん…」
徹夜明けなのもあって余計に弱っている時にストーカーのおじさんがいる事に気がついた
「おはようございます」
話かけてきた…
そう思って軽く会釈をしてやり過ごそうと早足になる
すると今回の彼はいつもと違った
「みかんちゃん。昨日は帰ってこなかったね?」
そう言ったおじさんは私の腕を掴んだ
自分でもわかるぐらいに顔が引き吊るのがわかる
恐怖で顔から血の気が引いていく
「悪い子だなぁ。みかんちゃんにはおじさんがいるじゃないか。どこの男と一緒にいたの?」
掴む腕がどんどん強くなっていく
「あ、あの…」
恐怖で震えだした体に力を込めながらなんとか振りほどこうとするが男性の力に勝てる訳もなく私はもがいているだけ
そんな時か細い声で自然と私の口から漏れた一言
「朔空君…朔空君、助けて…」
そう呟いたときおじさんはさらに強く腕を握りしめて
「その、さく君が昨日のお泊まりの相手か?」
さっきまでとは違い顔がどんどん怖くなっていく
「みかん!!!!!」
私を呼ぶ声に振り返るとそこにはまだ飛行機の中のはずの朔空君が血相をかえて走ってきてくれている
おじさんから私を引き剥がした朔空君は私を座らせておじさんを睨みながら
「次にこの彼女に近づいてみろ、俺がおっさんを殺しにいってやるよ」
言葉だけを聞くととても物騒な響きである
でもこの一言は私のためだと思うと不思議と怖くは無かった
おじさんは朔空君の迫力に押されて無言で立ち去った
「もう大丈夫、俺、帰ってきたよ。早く会いたくて俺だけ早い便で帰ってきたんだ」
そう言って朔空君は私を力いっぱい抱きしめてくれた
私はまだ体に力が入ったままで震えも止まらない
「早く家に行こう。みかんの家は駅から近いから。俺も一緒に行くから」
朔空君が家につくまでの間ずっと手を繋いでゆっくり歩いてくれたおかげで家まですぐ来れた
自分の家に着いての安心からかやっと力が抜けて気も緩んだのかどっと涙が溢れだした
「大丈夫。大丈夫だよ」
いつもの変態っぽさは微塵も感じさせない朔空君が泣き止むまでずっと背中をさすって抱きしめていてくれた
「怖かったよね…もうみかんの側を離れないから」
朔空君は一言そう言っておでこに優しいキスをした
今までは朔空君からの一方的な愛情を受けてきた
私もいつの間にか心の奥では朔空君の事が好きになっていた
でも私はプロデューサーで彼はアイドル
その事実が私の中で自然と気持ちに蓋をしていた
今回の件で彼は本気で私を好きでいてくれている事がわかったし、私も自然と彼に助けを求めた
それもまた事実だ
もう嘘はやめよう、私は朔空君がアイドルでもそうじゃなくても大好きだ
「朔空君、話があるの。聞いてくれる?」
「奇遇だね。俺も話があるんだ。俺から話してもいい?」
「わかった。どうぞ」
私はお茶を出して彼の目の前に座る
「今回1ヶ月離れてみて俺は本当にみかんの事が好きで好きで仕方ないって気がついたんだ。慌てて帰ってきたらこんな事になってるし…
あのおっさんを本当に殺しそうだったんだけどみかんの顔が視界に入ったときこの子は俺が守るんだって思ったんだ」
そう言うと一口お茶を飲んで私の横に座って優しく抱きしめられた
「今までの俺の行動を考えると受け入れてくれるかわからないけど、俺とお付き合いをしてくれませんか」
彼の視線は真っ直ぐで真剣に言っていることが伝わる
私はゆっくり腕を回して抱きしめ返す
「朔空君ずるいよ、私が先に言おうと思ってたのに」
そう言って軽く笑うと朔空君は目をまん丸にして私を見つめた
「こちらこそ、よろしくお願いします」
私は照れながら答えたら朔空君が満面の笑顔で今度は唇にキスを落とした
☆Fin☆
その理由は簡単、いつも私の警備だとか言ってストーカー行為を繰り返してる朔空君がいないから
そしてその朔空君がいない理由は、今Alchemistの新曲のPVを撮るために海外に撮影に行っているから
「1ヶ月もプロデューサーちゃんに会えないなんて俺にとっては空気を奪われたみたいなもんだよ…」
そう言ってこの世の終わりのような顔で飛行機に乗り込んだ彼は1ヶ月は帰ってこない
人から見られていないプライベートがこんなに久しぶりだったのに驚くところだが、ホントに朔空君が近くにいない事をやっと実感している
近くにはいないが、彼から毎日電話もメールもくる
もちろんこちらから電話、メールをすればすぐに返事はくる
そんな毎日だが最近気がついた事がある
私がストーカーされている事に
もちろん朔空君ではない誰かに
こういう仕事をしているから毎日同じ時間で行動する事がほぼないのに、どの時間、どの電車、どの道を通っても同じおじさんを見かける
最初は見かける程度だったのがどんどんエスカレートしてきて、家の近くのコンビニにいることも、時には住んでいるマンションの前にいることも、最近では時々挨拶をされる
怖くなってきたけどAlchemistに限らず他のアイチュウの子達も忙しくなってきて大切な時期だからこそ自分のプライベートの事なんかで台無しにしたくはない
あまり気にしないようにして仕事を進めよう
そう思って日々を過ごしていたある日、今日は確実に徹夜で泊まりになるということが確定した
そんな時朔空君から電話がかかってきた
「みかんー!明日には帰れると思うよ!やっと会えるね♪一番にみかんに会いに行くから楽しみにしててね♪」
少しだけ話をしたらすぐに電話を切ってすぐに仕事にとりかかる
明日帰ってくるなら早く仕事を終わらせて一度家に帰って仮眠を取りたい、お風呂も入らないと、そう考えて仕事を進める
もの凄いスピードで仕事に取りかかったのだが徹夜をするほどの量があったために終わったのは朝の8時だった
帰ってくる飛行機の便は13時着の便だったので家に帰って仮眠をしてから迎えに行こうと思って急いで家路につく
最寄りの駅を降りたところで気がつく
「あのおじさん…」
徹夜明けなのもあって余計に弱っている時にストーカーのおじさんがいる事に気がついた
「おはようございます」
話かけてきた…
そう思って軽く会釈をしてやり過ごそうと早足になる
すると今回の彼はいつもと違った
「みかんちゃん。昨日は帰ってこなかったね?」
そう言ったおじさんは私の腕を掴んだ
自分でもわかるぐらいに顔が引き吊るのがわかる
恐怖で顔から血の気が引いていく
「悪い子だなぁ。みかんちゃんにはおじさんがいるじゃないか。どこの男と一緒にいたの?」
掴む腕がどんどん強くなっていく
「あ、あの…」
恐怖で震えだした体に力を込めながらなんとか振りほどこうとするが男性の力に勝てる訳もなく私はもがいているだけ
そんな時か細い声で自然と私の口から漏れた一言
「朔空君…朔空君、助けて…」
そう呟いたときおじさんはさらに強く腕を握りしめて
「その、さく君が昨日のお泊まりの相手か?」
さっきまでとは違い顔がどんどん怖くなっていく
「みかん!!!!!」
私を呼ぶ声に振り返るとそこにはまだ飛行機の中のはずの朔空君が血相をかえて走ってきてくれている
おじさんから私を引き剥がした朔空君は私を座らせておじさんを睨みながら
「次にこの彼女に近づいてみろ、俺がおっさんを殺しにいってやるよ」
言葉だけを聞くととても物騒な響きである
でもこの一言は私のためだと思うと不思議と怖くは無かった
おじさんは朔空君の迫力に押されて無言で立ち去った
「もう大丈夫、俺、帰ってきたよ。早く会いたくて俺だけ早い便で帰ってきたんだ」
そう言って朔空君は私を力いっぱい抱きしめてくれた
私はまだ体に力が入ったままで震えも止まらない
「早く家に行こう。みかんの家は駅から近いから。俺も一緒に行くから」
朔空君が家につくまでの間ずっと手を繋いでゆっくり歩いてくれたおかげで家まですぐ来れた
自分の家に着いての安心からかやっと力が抜けて気も緩んだのかどっと涙が溢れだした
「大丈夫。大丈夫だよ」
いつもの変態っぽさは微塵も感じさせない朔空君が泣き止むまでずっと背中をさすって抱きしめていてくれた
「怖かったよね…もうみかんの側を離れないから」
朔空君は一言そう言っておでこに優しいキスをした
今までは朔空君からの一方的な愛情を受けてきた
私もいつの間にか心の奥では朔空君の事が好きになっていた
でも私はプロデューサーで彼はアイドル
その事実が私の中で自然と気持ちに蓋をしていた
今回の件で彼は本気で私を好きでいてくれている事がわかったし、私も自然と彼に助けを求めた
それもまた事実だ
もう嘘はやめよう、私は朔空君がアイドルでもそうじゃなくても大好きだ
「朔空君、話があるの。聞いてくれる?」
「奇遇だね。俺も話があるんだ。俺から話してもいい?」
「わかった。どうぞ」
私はお茶を出して彼の目の前に座る
「今回1ヶ月離れてみて俺は本当にみかんの事が好きで好きで仕方ないって気がついたんだ。慌てて帰ってきたらこんな事になってるし…
あのおっさんを本当に殺しそうだったんだけどみかんの顔が視界に入ったときこの子は俺が守るんだって思ったんだ」
そう言うと一口お茶を飲んで私の横に座って優しく抱きしめられた
「今までの俺の行動を考えると受け入れてくれるかわからないけど、俺とお付き合いをしてくれませんか」
彼の視線は真っ直ぐで真剣に言っていることが伝わる
私はゆっくり腕を回して抱きしめ返す
「朔空君ずるいよ、私が先に言おうと思ってたのに」
そう言って軽く笑うと朔空君は目をまん丸にして私を見つめた
「こちらこそ、よろしくお願いします」
私は照れながら答えたら朔空君が満面の笑顔で今度は唇にキスを落とした
☆Fin☆
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