ベリアルに気に入られてしまった歌姫少女
歌姫1
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僕は歌が大好きです。
歌は人々や神さま、さまざまな存在に思いを伝えることができるますから。
言葉が通じなくても、世界中の人々の心を穏やかにできますから。
激しい曲なら、人々を盛り上げることができて、楽しい曲なら、人々と一緒に楽しめて、優しい曲なら、人々の気持ちを癒すことができますら。
だから僕は歌が大好きです。
まぁ、たしかに、ときおり怒りや悲しみを歌に乗せてしまったら、みんなもそんな気持ちにさせてしまいます。
ちょっとエッチな曲を歌ったら、男性ぶっ倒れてしまいます。
狂気を乗せたら、人々を怖がらせてしまったり、傷つけてしまいます。
ですが、そういった歌を歌わなければ、問題はないのです。
ええ、癒しや安らぎを与えたり、亡くなってしまった人に対して、レクイエムとか、それに近い曲を歌って送り出せたらそれでいいのです。
どんな人でも、種族でも、最期まで僕の歌によって幸せになるなら、僕は歌い続けましょう。
でも、この職をやっていたら、変なものまで引っ掛けてしまうわけですが……。
『(ぞわっ)……ゲッ……この寒気は……この気配は……どう考えても変態堕天司じゃないですか!!』
言ってるそばから変なもの代表の気配を感じた僕は、慌ててその場から立ち去ろうと地面を蹴り上げました。
しかし、同時に目の前に現れた黒のドレスシャツをまとった(褒めたくないのに)たくましい胸板に、ガツンと頭をぶつけてしまいます。
背中に回った腕の感触、あ、ひょっとしてゲームオーバー……ですか……?
べ「ハハ。 そっちから胸に飛び込んで来るなんてね。 ひょっとして、嬉しかったのか?」
『誰が貴方のような変態に喜んで飛びつくんですか? くだらない妄想は、やめていただきませんかね!?』
このままゲームオーバーなんて不本意すぎた僕は、渾身の力を使って、抱きついている変態を巴投げにする。
かなり重たいですが、この際気にしません。 女だっていざという時は馬鹿力が使えるのです。
ドガッシャーン!!という派手な墜落音が耳に響く……そういえば、いらなくなった木箱が後ろに積み上がっていたような……?
まぁ、大丈夫でしょう。 あのド変態堕天司、いくら痛めつけられても復活しますし、むしろそれを快楽に感じてしまいま……これ、相手にとってご褒美になってませんか……?
そう思って背後を見てみたら、変態堕天司がちょうど立ち上がっていました。
まぁ、興奮はしていないようですし、今回はセーフでしょう。
こっちに歩いてきていることだけは、どう転んでもいただけませんがね……。
べ「どこにそんな力があるのか疑問が生まれるんだが……?」
『火事場の馬鹿力ならぬ、
あと、こっちに来ないでください。 ハウス。 ワンちゃんハウス。 僕の目の前から消えろください。』
投げ飛ばした僕に対する素朴な疑問を言いながら、僕に歩み寄って来る変態堕天司、ベリアル。
この男は、僕にとって、天敵です。 下ネタのオンパレードと性欲に忠実すぎるので、本当、性欲の擬人化すぎてドン引きです。
歌声を褒められることは、歌を歌う者にとって、嬉しいものです。 もちろん、それがド変態な男だとしても。
ですから、この男に歌声を褒められても嬉しいです。
でも、その歌声になりうる声が、喘ぎになったらどれだけ美しいだろう。 それを考えるだけでも達するとかほざくんですよ、この男。
歌声を褒めてもらえたのは嬉しいですが、最後の一文は蛇足というもの。 いきなりのセクハラに嫌悪を抱かない女など、この世には存在しませんよね?
本当、この男は去勢された方が世界が平和になるでしょう。 むしろ僕が去勢して差し上げましょうか?
まぁ、それはそれでこいつが興奮しそうなのでしませんが……。
『本気でタマ潰れてくれないかな、このド変態クズ堕天司……。』
べ「その冷たい視線、なかなかそそるねぇ。 オレのマゾヒズムを煽ってどうするつもりだ?」
『ウザいです。 一変その汚らわしいイチモツちょん切られてください。 つか切り刻まれろ。 二度となにもできなくなってしまえ。』
早足で立ち去ろうとする僕の隣を並走するド変態……走っても追いつかれてしまいそうですね……何でムダに足長いんですかこの男。
いや、僕の足が短い……いや、それはないですね。 僕だって足は長いし……。
……身長高いからでしょうか?
ハァ……振り切るのもめんどくさいですね……。 仕方ない、少しばかり付き合ってあげましょうか……。
べ「ん? 普通の歩くスピードに変えてくれたということは、少しはその気になってくれたのか?」
『誰がなるもんか。 振り切るのがめんどくさいんですよ貴方。 ムダに足長いし。』
早く帰って欲しいですがね……。
さて、これは僕と変態堕天司の日常会話や過ごし方を綴る物語です。
未来の僕が、書き残した日記……そう思いながら、僕と彼の日常を覗いてみてください。
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