呪いならざる者
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「坊、坊、珍しい眼してるなあ。それにその術式。その眼と術式が一緒なのを見たのは何百年振り...もしかして坊、五条家の人間?」
その日、五条家に生まれた待望の子供、五条悟は1人で町外れを歩いていた。屋敷にいても両親はおらず、大人たちが悟のすることにうるさく口を出してくるからだ。
悟は六眼と無下限術式を併せ持ち生まれてきた子供である。まだ使いこなせてないまでも、呪力を持たない天与呪縛の男の気配を感じ取れる程には六眼に慣れている。そんな悟が、話しかけられるまで気づかなかったのだ。
声がした方を向くと、そこには女がひとりいた。その女は人間ではなく、また呪霊にも見えなかった。悟の眼をもってしても、女の正体がわからなかったのである。
「なに、お前。人間じゃないよね」
悟が警戒心をあらわにそう尋ねると、女はくふくふと笑う。
「くふふ、儂は名前という。坊の言うとうり人間では無いなあ」
名前...と悟は考える。確か屋敷にあった古い本にそんな名前を見た記憶がある。
けれど詳細までは思い出せない。目の前のこの女、名前は考え込んで険しい顔をしている悟の事が面白いのか、まだくふくふと笑っている。
「...で、俺に話しかけてなんの用?」
悟は考えていても埒が明かないと、名前と会話することにした。
「なあに、懐かしい眼と術式を見かけたものでつい話しかけてしまっただけの事。もう儂は行くでな、安心して散歩を続けたら良い」
懐かしい眼と術式と言ったかこの女は。悟には名前と出会った記憶はない。赤ん坊の頃に出会っていたのかも、とも思ったが悟の六眼は特別製である。赤ん坊の頃であっても見たという記憶は薄れない。ということは悟以前の六眼と無下限術式を併せ持った人物の知り合いか。悟以前の六眼と無下限術式を併せ持った人物というと、何百年か前の五条家当主しか存在しない。
この女は、何百年も生きているというのか。
悟の混乱をよそに、名前は空気に溶けるように姿を消した。
悟がそれに気づいたのは、名前が姿を消してすぐの事だった。
「なんだったんだあいつ」
悟は首を傾げ、一応残穢などが残ってないかを確認してから町の探索に戻っていった。
その日、五条家に生まれた待望の子供、五条悟は1人で町外れを歩いていた。屋敷にいても両親はおらず、大人たちが悟のすることにうるさく口を出してくるからだ。
悟は六眼と無下限術式を併せ持ち生まれてきた子供である。まだ使いこなせてないまでも、呪力を持たない天与呪縛の男の気配を感じ取れる程には六眼に慣れている。そんな悟が、話しかけられるまで気づかなかったのだ。
声がした方を向くと、そこには女がひとりいた。その女は人間ではなく、また呪霊にも見えなかった。悟の眼をもってしても、女の正体がわからなかったのである。
「なに、お前。人間じゃないよね」
悟が警戒心をあらわにそう尋ねると、女はくふくふと笑う。
「くふふ、儂は名前という。坊の言うとうり人間では無いなあ」
名前...と悟は考える。確か屋敷にあった古い本にそんな名前を見た記憶がある。
けれど詳細までは思い出せない。目の前のこの女、名前は考え込んで険しい顔をしている悟の事が面白いのか、まだくふくふと笑っている。
「...で、俺に話しかけてなんの用?」
悟は考えていても埒が明かないと、名前と会話することにした。
「なあに、懐かしい眼と術式を見かけたものでつい話しかけてしまっただけの事。もう儂は行くでな、安心して散歩を続けたら良い」
懐かしい眼と術式と言ったかこの女は。悟には名前と出会った記憶はない。赤ん坊の頃に出会っていたのかも、とも思ったが悟の六眼は特別製である。赤ん坊の頃であっても見たという記憶は薄れない。ということは悟以前の六眼と無下限術式を併せ持った人物の知り合いか。悟以前の六眼と無下限術式を併せ持った人物というと、何百年か前の五条家当主しか存在しない。
この女は、何百年も生きているというのか。
悟の混乱をよそに、名前は空気に溶けるように姿を消した。
悟がそれに気づいたのは、名前が姿を消してすぐの事だった。
「なんだったんだあいつ」
悟は首を傾げ、一応残穢などが残ってないかを確認してから町の探索に戻っていった。
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