各々がやりたいことをしようと棺に背を向けた時、それは動いた。
すっと上半身を上げ、状況が読み込めないかのように周りを見渡す。
皆はその動き出した宝石に釘付けになった。
｢…どこだよここ｣
澄み切った声だった。他の団員が戦闘態勢に入る中、クロロが声をかけた。
｢お前は誰だ？｣
宝石は首を傾げる。
｢あたし？オレンジダイヤモンドだけど…｣
｢オレンジダイヤモンド？｣
｢おう。ってかここどこだ？月じゃねえよな？｣
オレンジダイヤモンドだと名乗った宝石は、ほかの宝石の名前を上げていく。
｢イエローやダイヤモンドは？フォスはどうなった？｣
宝石の話は容量を得ない。混乱する団員達を置いて、クロロは話を進めている。

宝石の話をまとめると、宝石達の国があって、そこには色んな種類の宝石がいる。そして月から月人というのが来て宝石達を攫いに来るのだそうだ。しかしオレンジダイヤモンドと名乗った宝石はここに来るまでは月にいたらしく、聞いているだけで頭がこんがらがってくる。
オレンジダイヤモンドもよくわかっていないらしく、オレ達を見て月人じゃないのか？と聞いてくる。
状況説明をしていると、オレンジダイヤモンドも月人ではなく人間だと理解出来たようだ。